時を超えて

東京へ研修で行くから会えないかしら、と突然のメールをもらって、先日、小学校からのお友達に会いました。
その日の新幹線で関西に帰る彼女と話せる時間は2時間もありません。
久しぶりに会う友達はどんな感じになったかな? お互いに年をとったと思われないかしら? 
ずっと会ってないけど何を話そうか、昔のように楽しく過ごせるかしら、などと考えながら
急いで仕事を終わらせて、待ち合わせ場所に向かいました。
 
待っていたのは、若い頃と同じ雰囲気のままの彼女でした。
 あまり変わってない友達を見て、
嬉しいようなホッとしたような気持ちが広がりました。
 でも、ちょっと照れくさい感じもあったかなあ。 
「久しぶり!」その一言で、お互いの時間が昔にもどったようでした。
 空いている店を見つけて入り、
ビールで乾杯をし、つい昨日まで会っていたかのように自然に話が出来ました。
彼女の仕事のこと、家族や子どもさんのこと、昔の友人たちの話などいろんな話が出てきます。
今の彼女の生活や彼女自身のことは、ほとんどわからなくても、気兼ねなくしゃべれて、話が弾みます。
こんなに会ってないのに、最近のことは何も知らないのに不思議だなあと思いながら、心地よい時間を
過ごしました。
前回、彼女と会ったのは、もう数年前。今回と同じように研修で東京に行くから会いたいとのことでしたが、
出来れば会うのを避けたい気持ちが私にはありました。
 
なぜって、その頃の私は離婚して1年以上は経っていたと思うのですが、昔の友達には誰にも
そのことを話していなかったし、親戚にすら伝えていませんでした。
元々私は自分から連絡を取るようなタイプではないのですが、家族も含めて連絡を一切絶っていた時期でした。
 
ひた隠しにするつもりはなかったけど、離婚したことを自分でもまだ受け止められておらず、
結婚に失敗したことが恥ずかしいような気持ちとか、可哀想とか思われるのもすごく嫌だったんだと思います。
だから、前回はどこでその話を切り出そうかと思いあぐねていました。
 
話をしながら、いつ言おうか、黙ったままにしとこうか、頭の中ではそのことばかりが気になっていて、
楽しいというよりは心が重かったのを覚えています。
 
最終的には、離婚をしたことを伝えたんですけど、彼女はあっさりと聞いて、私が話す以上のことは
聞いてくることもなく、また必要以上に気を遣ってくることもなかったので、少し助けられたような気持ちでした。
でも、私自身がまだまだ離婚ということにわだかまりを持っていたので、今回のように一緒にいて気分がラク! 
楽しい!とは言い難かったんですよね。 
(そんな時期もあったなあ、と懐かしい目 )
彼女にそんな気持ちも話しながら、また昔のようにみんなで集まりたいね!と言いながら、
時間も終わりに近づいてきました。
 会った時間は少しのはずなのですが、話したりないというよりは、
穏やかなこの時間は十分だったように感じます。
前回は、私のバリアはまだまだあったけど、今回は私自身のそのバリアやわだかまりがなかったように思うと
私も少しは前へ進んでいるようです。
 そして、時の流れが少しずつ心を癒して、私を変えてくれたようです。
時の流れって凄いですよね。
これからも頻繁に会うことはないだろうけど、会った途端に昔のようになれる自信は出来たかな。
離れていても、きっと何かあった時には、最後に話をしにいく場所のように思うから、
この長い繋がりを大切にしていこうと思います。
お互い、残りの人生を楽しんでいこうね。  
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。