セルフイメージを書き換える

「最近の若い人はすごいよなぁ」
そんな声が、自分の中から聞こえ始めてきたのはいつ頃からだったでしょうか。
確か、アテネ五輪で競泳の北島康介選手が、見るからに”楽しみ”ながら金メダルを獲得した直後、「チョー気持ちいい」と笑顔で語った映像を観たとき、初めて明確にそう意識したように記憶しています。
だって、オリンピックですよ。
アマチュアスポーツ界の最高峰ですよ。
もし、自分が代表選手だったら(呆れ顔しないでくださいね、あくまでも仮定の話)、あんなに楽しそうに競技できないだろうし、メダルを獲った後もきっと控えめに、「ありがとうございます。
まだ、信じられません。こうしてこれまで頑張ってこれたのも応援してくれた皆さんのおかげッス」みたいな発言をド緊張しながら話しただろうな、って思うのです。
その後も、物怖じせずに英語でインタビューに答えるゴルフの石川遼選手や、ワールドカップで活躍するサッカー代表を見るたびに、ホント最近の若い人は世界を相手にしても堂々としてるなって思うのです。
そんな彼らを見ていると、世界大会だからと特別視しすぎていないというか、どうも私たち世代よりも”自分と世界”との距離感が近い、そんな感じがします。
私たちにはそれぞれ、セルフイメージという「自分に対する思い込み」があるといわれていますが、
自分と世界の距離感が近いというのもこのセルフイメージのひとつかもしれません。
たとえば、「オリンピックは夢の夢、憧れの世界」というようなイメージを持っていると、知らず知らずのうちに気負い過ぎてしまったり、ここぞ!というところで硬くなって本来のチカラを出しきれない、ということもあるかもしれません。いっぽう、自分と世界の距離感が近い」、つまり世界を相手に充分戦える自分というものをセルフイメージとして持っていられれば、たとえオリンピックといえども、北島選手のように自分の力を100%発揮することができるのかもしれません。実際、世界レベルで活躍するトップアスリートのほとんどは非常に高いセルフイメージを持っていると言われています。
では、世界に通用するアスリート達は、初めからそんなに高いセルフイメージを持っていたのでしょうか?
みんな思い描いたとおりに活躍し、成功を収めたのでしょうか?
いえ、そんなはずがないことは、アテネに続く北京五輪でプレッシャーに打ち勝って金メダルを獲得した北島選手の安堵の表情を見れば明らか。
どんなに高いセルフイメージを持っているアスリートでも、むしろ、高いセルフイメージを持っていればいるほど、現実とのギャップに苦しみ、時に自信を失い、落ち込み、思い悩むことはやっぱりあるのだと思います。
そんな時の苦しみは、きっと私たちの想像を絶するのではないでしょうか。
セルフイメージを高める、ということは時としてそんな心的リスクを伴うチャレンジなのかもしれません。
けれど、高いセルフイメージを持った先駆者達の存在と彼らの活躍は、それを観る更に若い世代のセルフイメージまでも書き換えていきます。
かつて、出場することが最大関心事であったサッカーワールドカップも、何位に食い込めるか?が大きなテーマとなった現在では、サッカー少年たちの中のセルフイメージは自ずと移り変わり、世界と自分との距離感もはるかに近くなっていることでしょう。
なでしこジャパンの優勝を目の当たりにした少女達にとって、世界はもはや遠い夢ではなく、がんばれば手の届く目標に変わっているのかもしれません。
ロンドン五輪が開幕する2012年。
来年も多くのアスリートがそれぞれのベストを目指してチャレンジをされることでしょう。
それは、選手個人のビジョンを叶えるための挑戦であるとともに、それを見守る子ども達の中のセルフイメージを書き換えていく挑戦でもあるのかもしれません。
と、そんなことを考えている自分。
なんだか、すっかりおじさんのセルフイメージが定着してきているようです。
うーん。
おかしいなぁ。まだまだ若いつもりだったのに。。。
セルフイメージという「自分に対する思い込み」は、知らず知らずのうちに私たちに制限を与え、自分の限界を設定してしまうこともあります。
例えは「自分はもう歳だし」というセルフイメージを持っていると、新しく何かを始めようとしたときに一歩踏み出せなかったり、そもそも新しいことを始めようと思うことすらなかったり。
以前、書店で「30代にしておきたい17のこと」という本を、70代くらいの男性が購入されているのを見たことがありますが、私たちの行動を制限するもののひとつは自らが作っているセルフイメージ。
世界と自分との距離感も、自分を制限する年齢も、セルフイメージを書き換えていくことができれば、私たちはいくつになっても今より自由に、制限のない人生を送ることができるのかもしれません。
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3件のコメント

  1. Larissa on

    世界と自分との距離感も、自分を制限する年齢も、セルフイメージを書き換えていくことができれば、私たちはいくつになっても今より自由に、制限のない人生を送ることができるのかも…
    という秋葉さんの文章に勇気づけられます。
    年齢を感じつつ、でもまだまだやれる!という気持ちの狭間で揺れていますが、セルフイメージを10年若く書き換えて前に進みたいと思います。

  2. >Larissaさん
    コメントありがとうございます。
    子どものころは早く大人になりたかったのに、大人になってみるといつまでも若くいたいものですよね。
    実年齢より10歳若く!
    ってとってもいいセルフイメージですね。

  3. はじめまして!
    しんさんといいます。
    いつもブログ楽しく拝見しながら勉強させて頂いております。
    セルフイメージが人生を決めるって良く見聞きします。
    本当にそうなんでしょうな~
    自分のセルフイメージも変えていきたいと思います。
    ありがとうございます!