プレゼントに添えられた、大切な思い。

2月も一週間が過ぎ、もうすぐバレンタインデーがやってきますね。
この日は、女性から男性へチョコレートをプレゼントして、自分の気持ちを伝えるという一大イベントですが、
もうすでにデパートやショッピングモールでは、どのショップでもそれぞれ凝ったチョコレートがたくさん並んでいますね。
そして、学生さんから主婦の方まで、皆さんいろんな思いを持ってチョコレートを選んでいることでしょう。
コラムをお読みの皆さまは、誰かにプレゼントを考えておられるでしょうか?
私自身は、以前は残念ながらこのイベントにはあまりご縁がないタイプでした。
内心ドキドキしながらも、気づいたら1日が終わっていた。
今振り返ると、そんな寂しい経験もいろいろしたなぁと思います。
そんな私も今ではステキなパートナーに恵まれ、今年も何らかのサプライズが(たぶん)待っています。
ちなみに、去年は奥さまから腕時計をプレゼントしてもらいました。
もう10年来、時計を持たなかったので、当初は慣れない感じもありましたが、
今では、ないと違和感があるくらいになってきました。
ついつい当たり前に使っている時計なのですが、こうして1年経ってみると何とも感慨深いものがあります。
この、誰かにプレゼントを贈るときって、選ぶ段階からけっこう悩みますよね。
ちゃんと受け取ってくれるかな? 喜んでくれるかな? 趣味に合うかな?
いろいろ考えながら、品物を選び、包装してもらい、その日まで大事にしまっておく。
そして当日になり、どんな場所で渡そう? なんて言って渡せばいいだろう?
なんてことをいろいろ考えたり、時にはシミュレーションするのかもしれません。
何故こんな事を書くのかと言うと、男性側ってこのことをどこまで意識しているのだろう?って思ったからです。
このコラムを書くにあたり、奥さまに質問されました。
「私以外で、一番印象に残ったバレンタインデーっていつ?」
記憶の中から以前の彼女が出てきたので、その日を思い出そうとしてみたものの、なぜかあまり思い浮かばないのです。
彼女とは良いときもあれば、悪いときもあり、その波が大きかったという心理的な理由もあるのかもしれませんが、
一番の問題は、その彼女の葛藤や、思い、気持ちを、私が気にしていなかったという事でした。
もちろん本当にうれしいですし、感謝もします。
そして、相手にその思いは伝えました。
でも同時に、そこまでしてもらっても・・・とか、自分のためにいいのかな・・・とか、
うれしいような、でも、ここまでやってもらって悪いような感覚が同居していたように思います。
彼女が一生懸命考えて、悩んで、走り回って、選んだ品が目の前にある。
そのありがたみにあまり目を向けていなかったなぁ、ということを今さらながら気づいたのです。
最初はかなり仲良しだったのに、やがて彼女とだんだんうまくいかなくなり・・・。
結果はとても残念な事になってしまったのですが、その一因でもあったなぁと思うのです。
心理学的に言えば、当時の私は「受け取る」という事ができていなかったからなのでしょうね。
人にはいろいろしてあげるのが大好きなのだけれど、自分自身に対してしてもらうのはどうも苦手・・・。
これは、私が幼い頃からずっと積み重ねてきた、ある意味常識的なものだったからです。
この苦い出来事を振り返って、あるとき今の奥さまに、チャレンジとして自分の気持ちを伝えてみたのです。
例えば、晩ご飯の時に、
「僕の健康を気にして、野菜を多めにしてくれたんだよね。
そして、他の用事をしながらも、帰る時間に合わせてご飯を用意してくれたんだよね」
と、目の前に並んだご飯を眺めつつ、そこで浮かんできた言葉を伝えてみたのですが、反応はすこぶる良好!
場当たり的とも言うか、せっかくなので今身につけている時計についても言ってみました。
「いろいろお店に足を運んで探してくれたんだよね。
ちゃんと受け取ってくれるかなぁ?似合うかなぁ?気に入ってもらえるだろうか?っていろいろ迷ってくれたんだよね。
そして、自分に一番似合って、一番使いやすそうな時計、長く使えそうな時計を選んでくれたんだよね。
おうちに持って帰ってから、見つからないように大事にしまっておいて、渡すタイミングや場所を考えてくれたんだよね」って。
そう伝えるだけで、奥さまの顔が一気にほころんでいくのです。
そして、ちょっと照れくさそうな顔をしつつ、嬉しそうな表情が見えました。
内心、よし、奥さまを喜ばしたぞ!って感じで、なんだか私まで良い気分になっていたのです。
何かをしてもらったとき、相手なりの頑張りに意識を向けて、そのことに承認や感謝を伝えてあげると、
相手は「良かった」とか「報われた」と安心し、自分の愛に自信を持つんですね。
もしも「何だか悪いなぁ」とか「なんでプレゼントをくれるんだろう?」と思ったときは、こうつぶやいてみてください。
「世の中には、私のことを思い、愛情や感謝を贈りたい人がいる」
この言葉を心に刻むことができたとき、受け取り上手の道が少しずつ広がっていくことでしょう。
もうすぐバレンタインデー、そしてその一ヶ月後にはホワイトデーですね。
また、卒業シーズンも迫っていますし、会社の異動や出向、転勤という方もいらっしゃるかもしれません。
何かとプレゼントが渡されるこの時期に、ちょっとした受け取るレッスンになればなぁと思い、
このコラムを書かせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

奥さん大好きの仲良し夫婦のカウンセラー。年々親密さが増し、パートナーシップを進化させている。 育った環境から1人ぼっちも平気だが、垣根が低いフレンドリーさもある。 繊細さや直感力を言語化できるともお客様から評判である。様々な経験に基づいたカウンセリングは、実践向けとも言われている。