◇自分が好き

最近よく聴かれる質問に、「どうやったら自分を好きになれるんですか?」
というのがあります。
さて、ここで皆さんにお聞きしますが、自分を好きになるって、どういうこ
とでしょう?
おそらく、人それぞれいろんな考え方があると思います。
やりかたも、たくさんあるでしょう。
ただ、私が感じていることではあるのですが、本当に自分を好きなとき、ま
ずやらないことがいくつかあります。
一つは、当然ではありますが、自分を責めたり、傷つけたりはしませんよ
ね。
そして、二つ目には、人を傷つけたり、非難したりもしません。
「好き」という感情には、とても幸せな感覚も含まれていると私は感じてい
ます。
幸せなとき、誰かを殴ってやろうとか、けなしてやろうとか、そんな気持ち
は起きないわけですよね。
だとしたら、人に対して攻撃的な人は、自分を好きではない可能性があると
いうことかもしれませんね。
さらに、三つ目には、怒りの感情もあまりないでしょうね。
当然怒っているときは人を好きにはなれないものですから、もしかしたら何
かに怒っている人は、自分自身にも腹を立てているかもしれません。
四つ目には、自分を好きな人は間違いなく「自分に素直」です。
うそをつく、という行為はほとんどの方があまり好きではないと思います。
では、自分にうそをつく、という行為はどうでしょうか?
もし、じぶんにすなおで、自分に正直であれば、自分にうそをつく必要はあ
りませんよね。
ところが、人はほとんど無意識で自分にうそをついていることがあります。
もしかしたら、この瞬間は自分のことを好きではない可能性もあるわけで
す。
もちろん、すべてがそうではないかもしれません。
うそには自己防衛のためのうそと、思いやりのうそがありますから、目的に
よってそこは変わる可能性があるわけです。
五つ目は、自分以外の何かに価値を求めてしまうことです。
もし自分のことが好きであれば、わざわざ自分に付加価値を付けて、自分を
誇張する必要はありませんからね。
ありのままの自分で問題ないわけです。
ありのままの自分を見せることができない、学歴やブランド、肩書きをひけ
らかしたり、それらのものを求めたりする行為そのものが、自分に価値を感
じられない、つまり、自分のことが好きではない行為の可能性があるわけで
すよね。
さて、ここまで読んで、あなたはどれだけ当てはなりましたか?
気がつけば心理テストみたいになっていますね。
もし、全部当てはまるというのであれば、それは単に「自分が嫌い」という
気持ちが少し多めにある、というだけです。
「だから私は幸せになれない」わけではないんですよ。
誰にだって「嫌いな自分」はあります。
ただ、その「嫌いな自分」を理由に使ったりすることで、自分を幸せにしな
いことはできるわけです。
逆に、どれだけたくさんの「嫌いな自分」があったとしても、「それでもこ
んな私が好き」と思えれば、この人は間違いなく幸せを感じているでしょう
ね。
「自分が嫌い」と「幸せではない」は必ずしも比例するものではありませ
ん。
しかし、「幸せではない」=「自分が嫌い」と思い込んでいる人はたくさん
いるかもしれません。
自己嫌悪、つまり「自分が嫌い」という感情は、あってもいいわけですよ。
ただ、それを理由に、自分や誰かを攻撃することや、自分を幸せにしないこ
とは、問題ですよね。
とくに「おまえのせいだ」「おまえが悪い」と、誰かを非難している人や、
「私が悪い」と自分を責めている人は、要注意ですね。
これらの行動がある人は、「自分が嫌い」という感情に振り回されている可
能性が高いですからね。
では、その状態から抜け出る方法もついでにお教えしましょうね。
それは、まず「嫌いな自分」があるということと、「自分が嫌い」という感
情に振り回されているということに、気がつく必要があります。
誰かを非難しているのであれば、非難していることに、自分を責めている人
は、自分を責めていることにしっかりと自覚を持つ必要があります。
そのうえで「もうやめよう」と、何回も、何十回も、何百回も、自分に言い
続けることです。
はりきってチャレンジしてみてください。
最後に、自分の欲求のままに好き勝手に行動して、周りに迷惑や負担を与え
ている人は、「自分を好き」な人ではありません。
これは、ただ「傲慢」な人です。
要するに、自分も含めて、誰も愛さない、誰も愛せない人の可能性が高いわ
けです。
そんな人を見かけたら、「ああ、この人は誰も愛せない悲しい人なのね」と、
みんなで哀れんでやってください。
もちろんこれは、私の経験からくる「私的」な考え方です。
みなさんいろんな考え方があるでしょうから、一度「自分が好き」というこ
とについてよかったら考えてみてくださいね。
ありがとうございました。

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