◇感情的なリスクを犯すこと〜変化が魅力を生み出す〜

我が愛娘は1歳5ヶ月に入りました。
生まれて丸1年5ヶ月が過ぎたわけですけど、その間、ずーっとうちら夫婦や
おばあちゃん達、おばちゃん達に「かわいい、かわいい」と言われながら
育ってきています。
(うちは夫婦共々父親がいないので、彼女にはおじいちゃんがいないんです)
親バカなのは大目に見ていただくとして、普通、同じものを1年以上も同じ
気持ちで、あるいは、その気持ちを成長させながら持ち続けることは難しい
ものです。
美人は3日で飽きる・・・なんて言葉もあるように、どれだけ良いものでも、
単一的な見方ではどんなに良いものでも必ず飽きが来て退屈してしまいます。
でも、子どもの成長はすごく早いんです。
昨日まで出来なかったことが、ある日突然出来るんです。
その変化に驚かされ、そして、その変化に「すごいなあ」と「かわいいな〜
(デレ)」が続いていきます。
あなたがパートナーから「もっと愛されたい」と思うことは自然なことだと
思います。
もっと愛して欲しい、もっと必要とされたい、という気持ちも。
同時に、もっと愛してあげたい、もっといい関係を作りたいと思うことも自然な
ことだと思います。
この気持ちが無くなったら、それは大問題ですもんね。
「どうしたらもっと愛せるんだろう?」
「どうしたらもっと愛されるんだろう?」
と考えてみると、子どもの成長がとっても分かりやすいヒントを与えてくれる
ように思うのです。
親から言えば、早く成長してくれるのは嬉しいけれど、このかわいらしさが
変わってしまうのも惜しいと思います。
2歳になる子どもを持つ友人がしみじみ言ってました。
「歩き始めて色んなことを自分でし始めるとな、なんか無性に寂しくなるねん」
もっと大きい子どもを持つ友人が言ってました。
「初めて幼稚園に子どもが行った日は、こっちが寂しくて泣かされたわ」
子どもの成長を見ていると「今、この瞬間」に対する思いは深まります。
最近僕がよく思うのは「1歳5ヶ月の娘は今しかいないんだな」ということ。
それと同時にうちの奥さんに対しても、周りの人たちに対しても、自分自身に
対しても、
「今の○○は“今”しかいないんだな」
ということに気付かされます。
先述のお母さんは幼稚園から帰ってきた子どもを見て、思わずぎゅーっと抱き
締めてしまったそうです。
こんなにいとおしいと思ったことはなかった・・・というくらいにね。
大人になれば、子どものような成長スピードを保つことは難しいです。
でも、スピードこそ違えど、大人も変化していくことは可能です。
カウンセリングではだいたい3、4週間に1回くらいのペースでスタート
される方が多いんです。
ということは、僕は月に1度くらいしかお目にかからないわけですが、
それゆえに、その間の変化というのに気付きやすいんですよね。
3ヶ月くらい経ってくると最初の頃からの変化が現れてくるように感じます。
もちろん個人差はありますけど、僕の目からは変わったように見えるんですね。
玄関を開けてお客さまをお迎えするとき
「えーっと、○○さんでしたよね?(え?こんな雰囲気の方だったっけ?)」
と思わされることもあります。
大人だって成長し、変化することは可能なんですね。
ただ、そこには・・・リスクがあるんですよね。
カウンセリングでは時々「えーっ!?」ということをやらされたりします。
「じゃあ、友達3人に今からヘルプメッセージを送ってね」
「旦那さんの目を見て『愛してる』って言ってね」
「お母さんに『ありがとう』って言ってみましょう」
「元彼に背を向けて、ゆっくり歩き出してください」
宿題にすることもあれば、イメージワークの中でやって頂くこともあります。
「嫌だ・・・」
「無理です」
「できない」
「うそっ・・・」
「それやるくらいなら、ここから飛び降りた方がマシです!」とおっしゃった
ツワモノもいらっしゃいました。
そんな抵抗がたくさん出てきます。
心理的に見れば、自分でやってみてうまく行かなければ、残っている方法は
嫌なことばかりなんですね。
幕の内弁当を食べやすい物から食べれば、後に残るのは苦手な物ばかり、と
いうのと同じです。
でも、怖れや恥ずかしさや嫌悪感や怒りを乗り越えてチャレンジしてみると・・・
あら不思議、最初に思っていたよりも平気だし、すごくホッとしたりします。
思わず全身の力が抜けて「立てませ〜ん」とはにかみながらおっしゃった方も
いらっしゃいました。
そして、チャレンジしたことで、私たちは“自信”を持つことができます。
そのチャレンジの後に
「今、自分がどんな表情してると思います?鏡で見て下さいよ」
って言ってしまうくらい変わる方もいます。
ぱーっと輝いていたり、柔らかくなっていたり、自然だったり。
もちろん、そこまでの変化は一時的で、日常の中で少しずつ戻って行きます。
でも、そのチャレンジが出来たこと、怖れを乗り越えたことで生まれた自信は
失われません。
むしろ、自分の知らないところで少しずつ大きくなっていきます。
それが、何ヶ月かした後の「雰囲気がだいぶ変わりましたよね?」に繋がり、
目に見える変化(パートナーの態度が変わる。周りの人の目が変わる。自分の
趣味嗜好が変わる。普段の気持ちの状態が変わる。)が生み出されてきます。
この嫌だけど必要なこと、大切なことにチャレンジすることを
「感情のリスクを犯す」
と言います。
自分の枠を広げ、新しい世界を創り出す、とてもクリエイティブな作業です。
枠を広げるわけですから、少々の痛み(リスク)を伴うことは避けられないかも
しれません。
でも、その結果、あなたが欲しかったものが手に入るようになるんです。
今、あなたがステップアップするために犯すべき“リスク”は何でしょう?

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