●泣き虫で、心配性で、気の弱いカウンセラー −私もクライアント−

私が始めてカウンセリングというものの存在を知ったとき、
「この人たちに私の苦しさは伝わるのだろうか・・・。」
そんな思いでいっぱいでした。
幼少の頃に父の暴力と級友からのいじめで自分を守ることばかり覚え、怖いから「来るな!!」って人に対して攻撃的な態度を取り続け、その結果誰も私のそばによることはなく、友人も恋人も家族とさえつながりを持てず、孤独な時代がとても長くありました。
そうして大人になっていくにしたがって、出来上がった私は
とても性格がひんまがっていたんです。
今から考えると本当に恥ずかしいお話ばかりです。
今自分がカウンセラーとしてお話をお伺いする中で、ご相談に下さる方は言ってくださいます。
「あんな体験が小川さんにあったなんて、こうやって話してたら想像つきませんね。

「本当に人が怖かったんですか!? 信じられないです。

「私も小川さんと同じ状況だから、小川さんと話してたら、元気になれるかもしれないって思ったんです。

そう言われるたびに、自分自身、本当に変われたんだなあと実感するので、とても嬉しく思います。
伝えられるたびに、ますますお力になりたいと強く思います。
だけど私が始めてカウンセラーの方とお話したときは、
「この人は完璧な人で、カウンセリングは全く必要ないほど上のレベルにいる人。」
という気持ちを持っていました。
どんな悩みがあっても、自分でしっかり解決が出来る力を持っているんだろうな。。。
人として完璧なんだろうな。。。
第一悩みなんてないんだろうな。。。
こんなふうにね。
だけど、今自分がカウンセラーになって思うことは・・・・。
いい加減になった。。。
悩みが増えた。。。
なんですよ。( ̄_ ̄ i)
いい加減になったのは、自分に厳しかったのがある程度自分に優しくなれたので、「まあいっか・・」が多くなってしまった結果です。
これはこれで楽なので私自身はそれでいいと思っています。
そして悩みが増えたのは、感情を勉強するわけだから、こころがどんどん繊細になってしまって、それでなくとも弱気な私なのに、それがますます大きくなってしまったんです。
もともと泣き虫なのに、更によく泣く子になってしまったし、
もともと心配性なのに、更に必要以上にびびってしまうようになったし、
もともと気が弱いのに、それに輪をかけて気弱になってしまいました。
でもそれは同時にいいことも倍になった・・・ということでもあるんですよね。
嬉しいとき、楽しいとき、思い切り喜ぶ、思い切り楽しむ。楽しむことがなくなると、身近なもので楽しもうとする。楽しみを見つける。それが上手になったと思います。
だからつまんないと感じることは今はほとんどありません。
ただ悲しいときはめちゃくちゃ大きく悲しみますので、この処理が大変なんですよね。
人の過去の傷は癒せますが、思い出は消えません。傷が癒されたので、そこに相手に対する憎しみや怒りはほとんどありませんが、ただ悲しかった。。。辛かった。。。という思い出は残ってしまって、そのトラウマは完全にはなくなることはないんですよね。なくなっても困るんです。
そういう悲しみがあるからこそ、私は優しさをたくさん学んだと思っていますから。だけど、深い傷は生活の中でちょこちょこ顔を出すんです。
それは私がカウンセラーとなった今でも過去の辛い思い出として残っています。
消したいとは思いませんが、その傷が出てくることによって苦しむこともありますから、この処理はカウンセリングを知らない頃は一人で抱えていましたが、今はもうひとりで苦しみたくないので、カウンセラーになった今でもカウンセリングを受けます。
私もクライアント(相談者)のひとりなんです。
恐らく一生ね。
苦しいときに、自分の大好きなカウンセラーの方たちにお願いして愚痴を聞いてもらう、クライアントなんです。
ずっとずっとカウンセラーとして、そしてクライアントとして、両方にお世話になりたいと思うんです。
カウンセリングというのは苦しいときにも使えますし、普段のプチストレスを溜めないようにも使えるし、自分をどんどんよくするのにも使えます。
私はよくばりなので全部をうまく使っていきたいと思っているんですね。
自分がカウンセラーになってやっとわかったんですよ。どんな人でも皆頑張ってて、皆悩みを持っていて、一生懸命なんだって。。。だけど自分が苦しかったときは自分以外の人が楽に見えてしまっていますから、カウンセリングなんて必要ないんだろうなと勝手に思っちゃうんですよね。
私は今までにたくさんの方のお話を聴かせていただいているカウンセラーです。
だけど同時に過去の傷に引きずられ、苦しくなる時もあります。
カウンセラーだからこそ、その理由は分かっても、誰かに慰めてもらったり、褒めてもらったりしたいと思うクライアントでもあります。
だけどカウンセラーとしてお話を聴かせていただく立場だからこそ、カウンセリングをいっぱい受けて、いっぱい泣いて、自分を楽にしてから、リラックスした状態でご相談くださる皆さんと関わっていきたいと思います。
だから私は今もひとりのクライアントです。
今現在もいっぱい悩みを抱えるクライアントです。
だからこそ、その部分で皆さんとは一緒に悩んで考えて行きたい。そう思っています。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。