2009年12月 2日

結婚と離婚 ~こころの成長~

結婚を長く続けていると、誰しも1回や2回は離婚の危機を感じた経験が
あるのではないでしょうか。
それが結婚の継続になるのか、離婚になるのかは、ケースによって
さまざまで、何がいいとはいいきれませんが、どの選択をするにしても、
この結婚に対して自分がどのように「感じられるか」、が大切なように
思います。

離婚が決まり、届けを出す日程も決まっている、という方のカウンセリング
を受けることがあります。
もう決まっているのに、と思うかもしれませんが、離婚が決まってから
実際に成立するまでの間の心の切り替えや整理は、よりよい別れのために、
意外と大切なのかもしれません。


例えば、主人の浮気が分かって、あまりにもショックだったので、ものすご
く彼を責めてしまった。
そんなときに、カウンセリングサービスを知ってHPの記事を読んでいるうち
に、主人の浮気は私にも原因があったのだと分かるようになった。
もっと彼のことをわかってあげたらよかったのに、と思い、彼にそのことを
話してやり直そうといったが、責めてしまったのがよくなかったのか、彼は
もう別れるの一点張り。
そもそもの原因は別のところにあっても、浮気が離婚のひきがねになる
ケースは非常に多く、離婚問題は判で押したようにほぼ上記のパターンです。


ここで、浮気の力学についてお伝えしておこうと思います。
私たちはこころの専門家ですから、浮気がよいかどうかという議論は別の
専門家にお願いするとして、そもそも、なぜ浮気をしてしまうのでしょうか。
心理学的な面からみると、旦那さんが浮気した側として考えると、奥さん
からもらえないものを、よそで調達しようとするのが浮気です。
それは、例えば、女性性の分野(セックスや柔らかさなど)や、仕事への
理解などです。
例えば、奥さんから女性的な優しさがもらえなければ、一生なしで暮らすか、
どこかで調達するしかありません。
最初は我慢できていても、仕事でのストレスなどがあると追い詰められて
しまうみたいなんですよね。
セックスがもらえなければセックスを、承認がもらえなければ承認を求めて、
ネオン街をさまよううちはまだマシなのかもしれません。
浮気に走ってしまうと、共犯者ができるわけですから、一時的にせよ、味方
のように感じられて、ハマったり、強気になってしまいやすいのですね。


浮気をすると当然、罪悪感を感じます。
しかし浮気というのは、どう考えてもひどい話ですよね。
ですから、ほとんどのひとは罪悪感を強く感じすぎてしまい、逆に開き直っ
たり、マヒしてひどい暴言を吐いたりするのです。
が、こころの中では罪悪感や恐れでいっぱいなので、ちょっとしたことで
攻撃的になったり、一触即発なんですよね。


浮気された側にも共通した心理があります。
それは、どこかで「自分のせい」だと感じてしまうことなんです。
自分が優しくしてこなかった、甘いムードがなかった、仕事への理解が
なかった、などなど、自分を責める材料はたくさんあります。
それに、与えられなかったというのは、自分がこうした魅力を持っていない
と誤解していることが多いんですよね。
あげたいのに、持っていない痛み、与えられないつらさ、罪悪感などで
いっぱいになってしまいます。
そして、今度こそはこころを入れ替えて、優しくするから、と思うも、彼は
もうかたくなになってしまっている。
また自分のせい、というところに戻ってしまい、自分を責めてしまうん
ですよね。


だから、こんなケースでは、まずは、そんな自分を責めるのをやめ、認める
ことから始めてもらいます。
今までの結婚生活では気づくことはできなかったかもしれないけど、今回の
ことで気づくことができた、それは大きな学びなんですよね。
その学びが得られたことを、自分で認めてあげるんですね。


浮気をされたのなら、相手をののしったり、怒りまくったりしても、誰も
あなたを非難しないでしょう。
それでも、私にもその原因があったのではないかと振り返られるのは、あな
たが彼のことを本当に愛しているからに他ならないのだと思うんですよね。
あなたの愛情の深さ、こころの強さを認めてあげて欲しいのです。


でもでも、もういまさら遅いし、チャンスはないし。
そんな気持ちにもなります。
なかなか切り替えられないんですよね。
そうしたら、逆に、いまさら遅いからこそ、最後に与えられるものって
なんだろう、そんな風に考えてみます。
別れることになったとしても、彼を愛してあげることは出来ます。
最後に、彼に伝えるなら、あなたなら、どんな気持ちを伝えたいでしょうか。


こんな風にお話すると、ほとんどのひとが答えてくれるのは。
そう、「ありがとう」です。
結婚して、こんなにしあわせだった。
こころから、言えること。


ところが、本当はもっと優しくしてあげたかったのに、それができなかった
気持ちは残ったままですよね。
女性としての自信もなくなりますし、いろんな思いを抱えてしまいますよね。
この痛みがあるとき、私たちは頭で分かっていても、ついつい泣いてすがり
たくなったり、こんな惨めな私を捨てていくのね、と思ってしまったり
します。


ですから、この痛みの感情を開放してあげるのが次のステップになって
きます。
私たちは、その感情を扱っていきます。
自分のその痛みや惨めさを感じてあげることで開放してあげるのです。
すると、今まで背負っていたものがなくなりますから、ゆとりが出来ます。
痛みやつらさ、うらみつらみがなくなるわけですから、そんなあなたは
どれほどすがすがしく、スッキリしているでしょうか。
実際、セッションのあとは表情が違っているというのはよくあること
なんですよね。


彼の浮気で気づきがあった。
そして、気づきとともに、ずっと自分が抱えていたさまざまな痛みも悲しみ
も手放すことができたとしたら。
そんなあなた自身が、最後に彼に与えてあげられるものになるんです。
あなたのおかげで、私、変わることができたのよ、と。
(実際にやり直したいというカップルの場合は、さらに自分の魅力を高めて
いくようにします)


最後のお別れのときに、晴れやかですっきりしたあなたを見たとき、彼は、
ようやく浮気をした罪悪感から、開放されるのです。
よかった、とか、救われた、とか、許された、と感じられるのですね。
そして、許された、と思ったときに初めて、彼は安心するのと同時にゆとり
が出ますから、罪悪感の下にあった、あなたを失うさびしさをリアルに感じ
始めるのです。
この開放は、浮気相手にはできないんですよね。
浮気をされた奥さんであった、あなただけにできることなのです。


浮気をされたのに、ここまでするなんて、バカバカしいと思うでしょうか。
私自身も、夫に浮気をされ(それ以前に破綻していましたが)、離婚を経験
しています。
浮気をされた側は、相手に非があったとしても、相手を責めれば気持ちが
落ち着くものではありません。
自信を失い、自分を失い、どこかでこの責任の一端は自分にあるのだと感じ、
自分を責め続けるのです。
ありのままの自分、自分の痛み、自分の自信のなさや惨めさを認めるのは、
何よりもつらい。
その自分と向かい合い、この経験から学び、成長できたとき、私自身が
ようやく悪夢から解放された瞬間でもあったのです。
そして、これが彼からのギフトであったと今にして思うのです。


夫婦の関係は、当人同士にしかわからないと思います。
結婚生活は、お互いにどこまで納得しているか、ですから、非常に主観的な
ものですよね。
ですから、周囲の人たちがなんと言ったとしても、あなたは自分が感じる
ことを信じてください。
長い結婚生活では、相手のさまざまな面が見えてきます。
それが素晴らしいものであったとしても、どんなにひどいものであったと
しても、自分が選んだ相手であるということも、信頼して欲しいのです。


離婚するときですら、私たちは、相手を愛してあげることはできるのです。
それは、盲目的に相手を信じてしまうことではありません。
相手を自由にして、身軽にして送り出してあげるということ。
ただ、ただ、相手のしあわせを願ってあげられること。


ここでは離婚が決まったケースを取り上げましたが、離婚するにしても
しないにしても、こうしたこころの成長の流れはどちらも似たものが
あるようです。
ちなみに、浮気の喩えをあげていますが、別の原因が問題、例えばさびしさ
や二人の距離と置き換えることもできますね。
また、浮気相手はパチンコや、仕事などに置き換えることができます。


夫婦というつながりはとても不思議で特殊な気がしています。
強いつながりや愛情があるからこそ、他では見過ごしていけるようなことに
も固執したりこだわったりしてしまいます。
だからこそ、ものすごく磨き石になるんですよね。
実際に自分が変化していくというのはものすごいパワーですから。


離婚のカウンセリングが話のベースになっていますが、こころの成長、
という眼で読んでいただければと思います。


長文をお読みいただきまして、ありがとうございます。

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