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Lecture.262


頑張りたいけど頑張れない時

講師:木村祥典

いただいたリクエストをもとに、「夢や目標に向かって努力しようと思っても努力できない時、心の中ではどんなことが起こっているのか?」「どうしたら再び頑張れるようになるのか?」をご紹介します。

Keyword目標設定 潜在意識 怖れ 動機 再選択

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*つきたい職業があって、そうなってない人生なんて怖すぎるのですが、それに対する努力が全然できなくなってしまったのですがなぜでしょうか? もう諦めるしかないのでしょうか?

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心理学講座にこのようなリクエストをいただきました。ありがとうございました。

「頑張りたいけど頑張れない時」の心の動きと、再び頑張れるようになれるヒントをご紹介します。

●「心のブレーキ」を探してみる

職業に限らず、夢や目標に向かって頑張ろうと努力している時に、頭では「頑張らなきゃ」とか「自分がやりたいことなのに…」と思うけれど、頑張れなく
なってしまうことがあります。

そんな時、頭ではなく心の方でブレーキがかかってしまっていることがあります。
その「心のブレーキ」には、様々な種類があるのですが、そんなブレーキを解除していくことで、再び頑張れるようになります。

「心のブレーキ」というのは、自分でブレーキをかけようと思ってかけているわけではありません。
潜在意識や無意識といった、普段は自分では認識できない領域で自分の表面上の意識とは関係なく起こっているのです。

自分の表面上の意識ではわからないところで起こっているので、厄介といえば厄介なのですが、潜在意識上や無意識上にあるものを、表面上の意識まで上げて知覚することができると、修正をかけてあげることができます。

具体的には、潜在意識や無意識にアプローチする質問を自分に投げかけてあげることで、表面意識に上がってくることがあります。

夢を実現させたいけど頑張れない時には、潜在意識や無意識で、夢を実現させることを望んでいない、実現させたくないと望んでいる部分がブレーキになっているので、その部分に関して、自分に「どうして夢を実現させたくないの?」と聞いてみたり、「もし、万が一自分が夢を実現させることを望んでいないとしたら…」と、その答えを探してみることが役に立ちます。

「実現させると今の努力よりもっと大変になってしまうから」「実現させると他の人に妬まれるから」「どうせ自分には無理だから…」 こんな答えが出てきたとしたら、「それなら実現させたくないよね」と、ブレーキがかかっていることを理解しやすくなりますよね。

まずは、そんな心のブレーキに気づくこと、そのブレーキのために頑張れなくなっていたんだということを理解して、そんな自分を許してあげましょう。

次に、その夢を実現させたい動機に目を向けてみましょう。

●夢を実現させたい動機に目を向けてみる

夢や目標を持つ時には、「実現したい、達成したい」という欲求を持ちます。
そして、その欲求を持つ背景には、「何でそれが欲しいか?」という動機があります。

その動機を感情レベルで見てみると、大きく分けて二つの種類に分けることができます。

まずは、「その欲求を満たすことでいい気分になれるから」という動機です。

例えば、つきたい職業についた時にいい気分になれるとしたら、どんな気分になるでしょうか?

夢を実現することができた達成感や、夢を実現させるために頑張ってきた自分や、実現させることができた自分に対して感じることができる自信といったものは、感じるといい気分になれますよね。

そうした達成感や自信など得ることで、自分のことをよりプラスに評価することができるようになります。

「その欲求を満たすことでいい気分になれるから」というのを言い換えると、「自分をより高めるため」という動機と言うことができます。

もう一つの動機というのは、「その欲求を満たすことで嫌な気分を感じなくて済むから」というものです。

では、つきたい職業につくことで嫌な気分を感じなくて済むとしたら、どんな気分にならなくて済むのでしょうか?

それは、「もしその職業につけなかったら、どんな悲劇や嫌な感情が待ち受けているのか?」というのをイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。

つきたい職業につけないことでやってくる悲劇、そしてその時に感じる感情というと、夢が実現できなかった悲しみ、悔しさ、みじめさ、そして、失敗してしまった自分に対して、自分の力や価値を感じられなくなってしまいます。まわりの人から評価されないというのも悲劇の一つかもしれませんね。他にも、「自分はダメなんだ」に対する自己嫌悪や自己攻撃も出てくるでしょう。

「ダメな自分」や、それに伴うネガティブな感情を怖れて、それらを避けるというのが動機になっているのです。

この動機は、潜在意識や無意識の中に隠れていることが多いので、気づきにくいかもしれません。

「ダメな自分」とネガティブな感情を隠すのが動機となっていると、夢を実現できなかった時には、「やっぱり自分はダメなんだ」と「ダメな自分」が証明されてしまって、強化されてしまいます。

また、夢を実現させるためにする努力をすればすると、潜在意識的には「ダメな自分」を否定して隠すことを努力していることになり、その過程でも「ダメな自分」を証明して強化することになってしまいます。

仮に夢を実現させることができたとしても、潜在意識的には「夢を実現させることができたから『ダメな自分』がバレなくて済んでいるんだ」と、夢を実現させることができた自分を受け取れなくなり、「実現させた夢」を使って「ダメな自分」を隠し続けることに忙しくなってしまいます。
その時には、夢の実現のために努力をした時と同じ心の動きになり、結局は「ダメな自分」を証明して強化することになってしまいます。

●改めて目標を立て直す

「ダメな自分」を隠すという動機から持った夢や目標であった場合には、「ダメな自分」という誤った思い込みを修正していき、改めて「本当に欲しいものを手に入れるため」「自分をより高めるため」といった動機からの目標を立て直してみましょう。

こうすることで、「諦める」以外の選択肢を持つことができるようになります。

その時、「ダメな自分」を隠すために立てた目標とは違うものになるかもしれませんし、同じものになるかもしれませんが、「自分をより高めるために」「本当に欲しいものを手に入れるために」という動機から改めて立て直した目標に向かってする努力をする時には、自然と意欲的になれて、充実感を持ってその過程に取り組む事ができるようになるでしょう。

それでもモチベーションが維持できない時も出てくるかもしれません。

そんな時には、まずは、休息を取って一服入れることをお勧めしたいと思います。疲れすぎると、できることもできなくなってしまいますから。

十分休息を取ったうえで、改めて自分の動機と目的、本当に欲しいものを手に入れることができた時の自分や、その時に感じる感情や感覚をイメージしてみること、場合によっては、あらためて目標を立て直すことで、再び意欲を取り戻すことができるでしょう。

その他には、改めて目標を立て直す時や、行き詰まってしまってモチベーションが下がってしまった時に大切にしてみていただきたいのは「今」です。

「未来の夢や目標」や「未来の自分自身」に意識が向くことは悪いことではないのですが、「未来」ばかりに意識が向いてしまうと、「今」や「今の自分」の扱いがぞんざいになってしまうことがあります。

「今の自分」「今の状況」「今の気持ち」と、それらを創ってきた「これまでの足跡」を大切にするために、あえて歩みを止めて「今」を確認し、承認しながら進んでみることも合わせてお勧めしたいと思います。


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