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Lecture.838

馴れ馴れしい人、図々しい人の心理 〜その人の心の中に隠れている本当の気持ち〜

講師:土肥幸司

馴れ馴れしさや図々しさについてご相談を頂きました。馴れ馴れしい人、図々しい人というのは、人との距離間が近いのだと思います。だから、来られた方は圧迫感を感じることもあるでしょう。
でも、馴れ馴れしい人、図々しい人の心の中を見ていくと、実は「寂しさ」や「分離感」が見え隠れしているのです。実際には、人との距離を感じていることが多く、だからこそ、人との距離や親密さを一気に縮めようとするあまり、馴れ馴れしくなってしまうのです。
自分のテリトリーに遠慮なく入ってくる人に対して、私達はストレスを感じます。でも、その人たちが隠している思いに気付けたとき、少しだけ、優しく接することができるのかもしれませんね。

Keywords
甘えたい気持ち 寂しさ 遠慮 理解する 受容 

◎リクエストを頂きました◎
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私の子ども(小学4年生の男の子)のことです。
人に馴れ馴れしい、図々しい、しつこい。家族以外の大人にも同じ態度で恥ずかしいです。どういう心理なのでしょうか?
やはり、私が厳しいための反発でしょうか?
幼稚園からずっとです。生活や身のまわりのことや勉強は普通にはできますが、精神面が幼く感じます。
親はどう対応したら、子供が他人に一線を引いて付き合えるようになるのでしょうか?
(一部、頂いた内容を編集させて頂きました)
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●いつも、親密さがほしい(赤ちゃんの頃)

私たちは、お母さんのお腹の中にいた頃、その母親に守られ、常に母親と繋がっていたので、この世に出て、母親と身体的に離ればなれになった後も、いつも誰かとの繋がりや親密感を求めているようです。

なので、赤ちゃんの頃は母親が傍から離れようとすると、泣き叫び「離れていかないで」とアピールするのです。

そこには、離れていくことの不安と同時に...
もっと、親密でいたい。

もっと、自分の傍にいて、自分だけを見てほしい。

そのような、思いが隠れているのかもしれませんね。
そうやって、赤ちゃんの頃は、母親や父親の意識を自分に向けようと「泣く、笑う、怒る」など、比較的ストレートな表現で人の気を引こうとします。

そして、それはうまくいくのです。周りの大人は、赤ちゃんが泣いていれば、「そろそろ、オムツを変える時間かな」とオムツを変えたり、「お腹が空いているのかな」と察し、ミルクを与えます。

●いつも、親密さがほしい(子どもの頃)

ただ、幼稚園や保育園に通う頃になると、徐々に躾(しつけ)が始まり、親も少しずつ、子どもとの距離を取り、自立させようとします。
でも、子ども側の心理としては、いつまでも親に傍にいてほしいし、いつも、自分だけを見てほしいのです。だから、親の気を引こうとして、駄々をこねたり、それまでよりも大きな表現をし、自分の存在をアピールしようとします。
親は子離れしようと必死になり、子は親の気持ちを引き寄せようと必死になり、互いの思いを通そうとします。

いつも、近くだった親子の心が、互いの思いや考えによって、少しずつ、離れていく。その過程でお互いの心に葛藤が生まれてくるのです。

子どもは、「どうしてあんなに優しかったお母さんとお父さんが、この頃、冷たいのだろう?」

親は、「私達はあなたの将来を考えて、こうしているの。本当は優しくしたいけど分かってね」という思い。

ただ、お子さんと言うのは、いつまでも、親に甘えていたいのかもしれませんね。
お母さんにもっと甘えたい!
お父さんにもっと遊んでほしい!

お父さんとお母さんにもっともっと、僕(私)の気持ちを分かってほしい!

そのような思いを、いつも、もっているのだと思います。だから、一生懸命、気を引こうとするのです。

●馴れ馴れしい人、図々しい人の心の中に隠れている気持ち

・甘えたいけど、大人にならないといけないという気持ち

そして、親の気持ちが以前のようには戻らないと悟ると、少しずつ、あきらめの境地に至ります。そして、かまってほしいという矛先が親以外の人に移ることも多く、見受けられます。

本当は寂しくて泣きたい。でも、もう自分は赤ちゃんではないから、しっかりしないといけない。その狭間に苦しみ、泣かない代わりに心理的に距離を近くに保とうとします。

その表れが、「馴れ馴れしさ」や「図々しさ」なのだと私は考えています。

・親へのアピール、復讐

復讐と言ったら、大袈裟ですが、無意識の中ではそのような思いも抱えているのかもしれませんね。
「どうして、もっと、かまってくれなかったんだよ」
「もっと、甘えさせてほしかったのに」
「あなた(親)がしてくれないなら、他の人からもらうから、もういいよ」

そんな、思いから、見境なく、周囲の人に馴れ馴れしくしたり、図々しくし、親密感を感じようとするのでしょう。

でも、本当は親の愛情がほしいんですよね。

だから、そのように行動し、お母さん、お父さんに自分の本当の気持ちをアピールしているのかもしれません。

・あなたのできなかったことを見せてくれている

今度は少し違う視点から見ていきましょう。
子どもと言うのは、親にいろいろな姿を見せてくれるようです。もしかしたら、ご相談者のお母さま自身が、どちらかというと人との距離を取る方ではないですか?

もしも、そうだとしたら、お子さんはあなたに、「もっと親密感を感じていいよ。人と密になってもいいんだよ」と人に馴れ馴れしくすることで、見せてくれているのかもしれませんね。(もちろん、馴れ馴れしさの加減もありますが(笑))

●寂しい、不安な時ほど、親密感をほしがる

私は昔、バックパッカーをしていましたが、辺鄙なところに行くと、1、2週間、日本人と会えないことがありました。

そして、久しぶりに街に出てきて日本人に会うと...

無性に日本語を話したくなり、いつもの何倍も喋った記憶があります。きっと、親密感を感じたかったのだと思います。

もしかしたら、ご相談者のお子さんも、寂しさや孤独感をつよく感じているのかもしれませんね。

●態度では見せない「寂しさ」を受容してあげる

躾が始まり、親は子離れ、子は親離れをしようとします。

でも、人と言うのは、どこかでやはり、繋がりを求めているようです。

逆説的に思うかもしれませんが、お子さんをもう一度、全受容してあげることが必要なのかもしれませんね。

一度、甘えさせてあげ、気持ちを満たしてあげると、子どもというのは、自然と自立し、大人になっていくものです。

本当は、あなた(お母さん)に甘えたいのだと思います。でも、お子さんはお子さんなりに遠慮をして、その思いを周囲の大人に向け、親と同じ距離を保ちたいあまりに馴れ馴れしくしたり、図々しくなるのだと思います。

その気持ちを受け止めてあげることで、お子さんのココロのバランスが整えられ、安定してくれば、必要以上に誰かに馴れ馴れしくしたり、図々しくすることはなくなってくるでしょうし、人と適度な距離を保てるようになるでしょう。

お子さんの心の中に隠れている「寂しさ」に気付き、優しく包んであげてくださいね。愛してあげてくださいね。

(完)


関連する講座へのリンク集
428-3.自立のマインド研究会(3)〜自立を作った痛み〜
438-1.寂しさとその癒し方(1)〜寂しさについて〜
608-4.心のキャパを広げよう(4)〜シャドウがあなたの魅了に変わるとき〜
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