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Lecture.537

大切な人を失くした心〜喪失から回復するための心理学〜

講師:安東秀海

私たちは人生の中で幾度か大切な人を失うということを経験します。近しい関係の人を失うということは、心に痛みとともに大きな喪失感を残し、それは時として長い年月に渡り私たちを苦しめ続けます。とりわけ、わが子をなくした心の痛手は想像を絶するほどでしょう。そんな大きな喪失感を抱えながら、私たちはどのように痛みと向き合い、どのように生きていけば良いので
しょう。どうすればその痛みから回復して新しい出会いへと気持ちを方向付けることができるのでしょう。

Keywords
喪失感 心の習性 心の回復 死 子ども

◎リクエストを頂きました◎
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初めまして、いつも何かと迷ったとき、悩んだとき、色々と助けてもらっています。
早速相談になりますが、お腹の子が妊娠5ヶ月、心拍も安定して流産の心配も殆どなくなったと思った矢先に、部分ほうじょうきたいという症状(詳しくは関係ないと思うので割愛します)で心肺も止まってしまいました。
周囲の人はまだ若いんだから次がある、といってはくれますが、そうは思っていても、その子の命はその子しかいない、と思ってしまい、その子に感謝をして忘れるなんてこともできないし、次に子供を授かったとしても、その子より愛しているのだろうか、とか、その子ほど愛していないのだろうか、と、次の子を前の子と同じくらい愛する、という結論には気持ちがなりません。
その子の分も愛せばいい、という考えもあるとは思うのですが、いくら愛しても前の子ではなく、次の子はあくまでも次の子。愛せば愛するほど前の子のことをないがしろにしてしまっている気がしてしまいます。かといって、前の子を一番大切に思いながら次の子を育てることも、次の子に対しても可哀想なことだと思います。うまくはいえないのですが、自分の気持ちを出来るだけ、数日かけて整理したつもりです。
失った子供や夫がいる人が、次に進むためには、どうすればいいのでしょうか?
失った人に対する気持ちと、これから先出会う人への気持ちを、どうすればいいのでしょうか?(あえて切り替える、とか乗り越える、という言葉は使いませんでした)
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私たちは人生の中で幾度か大切な人を失うということを経験します。
近しい関係の人を失うということは、心に痛みとともに大きな喪失感を残し、それは時として長い年月に渡り私たちを苦しめ続けます。とりわけ、わが子をなくした心の痛手は想像を絶するほどでしょう。
そんな大きな喪失感を抱えながら、私たちはどのように痛みと向き合い、どのように生きていけば良いのでしょう。

・喪失から回復するといこと
大切な人を失う経験を経て、喪失感を抱きながら生きていく、ということはとてもつらいことです。
「時間が経てば乗り越えられるよ」
心を砕いた友人はそんな風に慰めてくれるかもしれません。

けれど時として私たちは、喪失の苦しみや痛みさえも失くした人との絆のように感じ、痛みを抱きながら生きることを選ぶ場合があります。喪失の痛みから回復するということは、まるで大切な人を忘れてしまうことのような気がして抵抗感を感じる場合もあります。いただいたリクエストにある「次の子を愛せば愛するほど前の子のことをないがしろにしてしまっている気がしてしまいます。」という想いにも、そんな心理が潜んでいるのかもしれません。

でも、「喪失の痛みから回復する」ということは決して、気持ちを前向きに切り替えることでも、失くした人を忘れるということでもないと思うのです。

・失ったものの大きさ
大切な人を失ったとき、私たちを襲うのはどんな感情でしょうか。後悔や罪悪感でしょうか、やり場のない怒りでしょうか。それとも諦めや絶望感、無力感のような感情でしょうか。失ったものの大きさ、重さからまるで自分の身体の一部がなくなってしまったかのように感じることもあるでしょう。また、その痛みを乗り越えようと努めて平静を取り戻そうとしたり、無力感に苛まれて無気力になったり、仕事や家事に没頭することで忘れようとすることもあるでしょう。

けれど、忘れようとすれば罪悪感は増し、目を逸らして感じないように努めても喪失感は消えることはなく、むしろ、遠ざけようとするほどに強く大きくなっていきます。

それはまるで、失くした「あの人」が今もまだ私たちの中で大きな存在であることを証明するかのよう。

・失くした人に結びついた感情

「失くした人」を思い感じる哀しみや痛み、後悔や罪悪感は、その人がどんなに私たちにとって大きな存在であったかを示しているに他ならず、忘れようとする苦闘も、乗り越えようとする努力も、心に広がる沼のような無力感も、それらはすべて私たちの中の潰えぬ思いを証明しています。

私たちは人生を通して出会う人、関わりあう人たちに様々思いや感情を無意識のうちに紐付け、その感情の象徴にしている場合があります。例えば厳しい父親には「怖い」という感情の紐づいた「権威」の象徴、過干渉気味な母親には「うんざり」という感情の紐づいた「制限」の象徴といった具合に。

同様に、失った大切な存在である「あの人」に今、あなたはどんな感情を紐づけて、何の象徴にしているのでしょう。

痛みの象徴でしょうか。
後悔の象徴でしょうか。

それとも、救えなかったという感情の紐づいた無力感の象徴でしょうか。
または、憐れみや罪悪感の紐づいた犠牲者や被害者の象徴でしょうか。

その象徴は、あなたの大切な人にふさわしいものでしょうか。

・新しい出会いに向かって

私たちが、私たちの大切な人に結び付けている感情は、いったいどこからやってくるのでしょう。
それは、今なお心の中に息づき、途絶えることのない「あの人」への愛情から湧き出てきているのではないでしょうか。

失った人を思い、哀しいのも、苦しいのも、そこに愛があるからで、失くした人を思い罪悪感や後悔の気持ちに苛まれるのもまた、そこに愛があるからでしょう。

一旦紐付けられた感情を書き換えることは簡単ではありません。

けれど、あなたはこの先、あなたの大切な「あの人」が痛みや後悔、無力感や憐れみの象徴であることを望むでしょうか。それとも、いまなお大切な存在として、愛の象徴であることを望むでしょうか。

失くした人を思い新しい出会いを遠ざける、「殉ずる愛」それもまたひとつのたちかもしれません。けれど、あなたの大切な人は、あなたが幸せになることを拒むでしょうか。

大切な人を失うことは、私たちの心に大きな空白を作ります。それは、もう二度と埋められないもの、埋めてはならないものに感じるかもしれません。

でも、本当はその空白を他の何かで埋める必要なんてなく、忘れる必要も、乗り越える必要もないのです。
なぜなら、そこには今もなお消えることのない、愛があるはずなのですから。

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