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Lecture.52 心が傷つくのはなぜ?

講師:根本裕幸

色んなことですぐに傷ついてしまう僕たちの心。どうして心は傷つきやすいのでしょうね?
Keywords
自己嫌悪
コンプレックス
許し
手放す

何気ない一言や攻撃的な言葉によって僕達は何度も傷ついてきました。
その度に悲しかったり、悔しかったり、落ち込んでしまったり、寂しかったりしながら、人や恋が怖くなったり、信頼できなくなってしまう経験をしてきましたね。
そんな自分が嫌で「もう傷つきたくない!」と頑張って仮面と鎧を身にまとい、強くなろうと頑張ってきた人もいらっしゃるでしょうし、また「この恨み、一生忘れじ!」といつまでたっても消えない恨みや憎しみを感じている人もいらっしゃるでしょう。

では、どうして心は傷ついてしまうのでしょう?
今日はそれを心理学的、カウンセリング的な見方からお話しましょう。

●あなたを傷つける一言は?

あなたの大切な人や周りの人がなんて言ったらあなたは傷ついてしまうでしょうか?
ちょっとそれを想像してみてください。
どんな言葉が思いつくでしょうか?

カウンセリングを通じてこう質問をしてみると、多くの方は体のこと、性格のこと、仕事や生活での態度のことなどをお話してくださいます。

「数年前からちょっとお腹が出てきたというか、まだそんな年じゃないんですけど・・・。だから、『おデブ』とか『中年太り』とか言われたら傷つくかな」

「私、胸小さいんですよ。彼は優しい人だから言わないけれど『お前、胸小さいな』って絶対思ってると思うんですよ」

「一重まぶたがずっと嫌で。だから、そう言われたら傷つくな」

「『お前、もっとしっかりしろよ』って言われることかな」

「『あなた、私のことなんて愛してないんでしょ?』とか言われるとショックだし、傷つくよ」

「優柔不断野郎とか言われたら傷つくなあ。ほんまのことやけど」

「『幼い』とか言われたら傷つくでしょうね・・・。自分でもそう思ってるから」

「この前、先輩に『仕事もちゃんとできないくせに』って言われて、すっごく傷ついたんです。一生懸命頑張ってるのに」

●自己嫌悪?コンプレックス?

皆さんもやってみて気付かれた方もいらっしゃるかと思うんですが、これらすべて自己嫌悪している部分、コンプレックスを感じている部分ではないでしょうか?

とすると僕達は自分自身が嫌悪していたり、あるいは「××じゃなくて○○だったら良かったのに」と思っているところを他人に突付かれると傷ついてしまうみたいです。
その××、○○を認識しているところもあれば、潜在意識・無意識的に感じていること、思い込んでいることもあるかもしれません。
そして、もし今あなたが「今は違うけれど△△になったら困るな、嫌だな」と思っていることも、やはり広い意味で自己嫌悪・自己攻撃と捉えていいでしょう。

上の例は実は僕ら夫婦のことなんですけどね(話し言葉は創作です)。
お会いしたことがある方は分かると思うんですけど、うちの奥さんはとても痩せていて、むしろ、そのことを気にしているタイプなんです。
だから彼女に「おデブ」と言っても「は?なんのこと?」と思って傷つきません。
それは自分でそのことを責めていたり、気にしていないからですね。

でも、彼女の旦那さんは、年齢や真夜中の飲食により、最近張り出してきたお腹を気にしていたりするので「子ぶた」とか言われると傷ついてしまうかもしれません(涙)。
自分でも「太ってきたなあ。あかんよなあ、これでは・・・」と思っている分だけ。

●人との関係で・・・

一方、あなた自身は何気ない一言だったつもりでも、相手を傷つけてしまったこともあるかもしれません。
「え?なんでそんなことで傷つくの?」と思うことでも、相手の人の感じ方や受け取り方によって違います。
例えば「◇◇ちゃんってかわいいよね」と褒めたつもりでも、彼女自身が「私は子どもっぽいんじゃないか?大人にならなきゃ彼氏に振られちゃう」と思っていれば、「そんなこと言わないでよ!」と怒り出してしまうかもしれません。

そして、ケンカ。お互いにぼろぼろになるまで相手を攻撃するのは、そんな相手の自己嫌悪の部分ですね。
そして、意識していないところで相手の弱点は良く知っているんですよね。
だから、ケンカではいつも自分で「これはいかんな」「こんな自分は嫌だ」と思っているところを突付かれて痛い痛い思いをして、相手を恨み、責めるようになってしまうんです。

僕ら夫婦でも
裕幸曰く「なんや、このおデブ!」
理加曰く「何いってんのぺちゃパイのくせに!」
だったとしたら、ケンカではなく、漫才になってしまいます。

●許し

僕達は、誰かが自分を攻撃して傷ついてしまったときに、それをその人のせいにして、逆に攻撃仕返したり、恨んでしまうものですが、実はそれは自分自身で嫌っている部分を突付かれた結果と言えるんですよね。

だから、自分を傷つけた相手はなかなか許せないのかもしれません。
だって、痛みを感じているのは自分で自分を責めている部分なわけですから、その部分を攻撃した相手の人とは同じことをしている“同じ穴のムジナ”になるわけです。
だから、そこでは「相手を許すこと=自分を許すこと=自己嫌悪を手放すこと」になってしまい、これが自分を傷つけた誰かを許す時の抵抗を生み出しているようです。

ところが、これを逆手に取れば、相手を許すことで自己攻撃を辞められるとしたら、より良い自分に、より楽な自分になるためのすごく前向きなチャレンジになりますね。
「許しは人の為ならず」という言葉にはこういう意味をも含んでいるのかもしれませんね。

関連する講座へのリンク集
lec.10. 自分のことが好きになれない心理〜自己嫌悪の心理学〜
lec.67. 許しの心理学2〜恨みつらみを許してみよう〜

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