どこまでもその人にその人として接する~ありのままを受け入れる

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、『おくりびと』みなさんはもう
ご覧になりましたか?(まだロングラン上映してるでしょうか^^)
日本映画がアカデミー賞を受賞すると言うことが、映画関係者だけでなく
日本と言う国にとって、どれ程の偉業だったなのか!一連の報道を見て、
そのあまりのテンションの高さで、改めて実感しました。
『おくりびと』ブ-ムとしか言えない、「どう見ても便乗でしょう」
ものまで現れて、一時は凄い騒ぎでしたねぇ^^;
個人的には、「いい映画は、自分がいいと思えればそれで十分。」
「賞を取った取らないは関係ない」と思っていた私ですが(苦笑)、
洋の東西を問わず、人の心を打つ作品だと評価されたこの映画が、
なし得たことは、本当に凄いことなんですね。


まだご覧になっていない方もいらっしゃるでしょうから、映画の
ストーリーには触れずに^^
(見る前に、ネタバレしちゃつまらないですもんね^^)
女として嫁・妻・母として、そしてカウンセラーとしても!
もっと広い意味で言えば(チョッとオーバーですが^^;)人間として、
「本当に見てよかった!」そう思いました。
この映画から、とても大切なことを気づかせてもらった気がしています。
人の一生において、唯一誰にも平等に、そして必ず訪れる・・・
『この世と別れる時』
誰もが知っているのに、なかなか向き合うことが出来ないものでも
ありますね。分かっているからこそ、出来るだけ向き合いたくないもの
なのかも知れません。だからこそ・・・否応なく現実に直面して初めて、
やっと気づくことが出来たり、現実に直面してすら、目を逸らそうと
してしまうこともあるんでしょうね。
この映画の中で、納棺師(独立した職業だと言うのも初めて知りました)
と言う仕事を通して、主人公が『どこまでもその人にその人として接する』
と言うことを、知識や言葉ではなく自分自身の成長と言う形で学んでいく、
そのプロセスに何より惹かれました。
自分の思いを、もう言葉にも行動に表せなくなってしまった『その人』
のために、『その人らしく』いて欲しいと言う気持ちを込めて、精一杯
最後まで心を込めて接する。
『どこまでもその人にその人として接する』とは、『相手の尊厳を守る』こと、
『相手を尊重する』ことなんだなぁと思いました。
「心から大切に思っている」気持ちを、相手に伝わるように、言葉にして
行動にして表していくことが、どれだけ大切かと言うことも感じました。
綴られていく様々な別れの中で・・・
「もっと一緒に居たかった」「ちゃんと言っておけばよかった」
「素直になれなくてごめんね」「どうしてこんなに早く」と、語られなかった
沢山の言葉が、『悲しみ』『辛さ』『淋しさ』になって溢れていく・・・
そんな気持ちを全て包み込むように、もっと大きくて優しい、穏やかで温かい
空気を、感じていました。スクリーンに引き込まれる内に、凪のような静かな
気持ちになって、涙が止まりませんでした。
その涙と一緒に、心がどこまでも柔らかく緩んでいく気がしました。
『この世と別れる時』は、『愛』を伝える時だったんですね。
沢山の人がこの映画から、『愛』を伝えることの大切さを、
感じられるんだろうなぁと思うと、自分の作品でもないのに(苦笑)、
何だかとても嬉しくなりました。
私達は毎日の生活の中で、色んな形で自分を捻じ曲げたり、相手を歪めたり
して、抱えなくてもいい、辛さやしんどさを感じている時があります。
パートナーとの間で、お互いの価値観がぶつかって、競争や衝突が起きて
しまったり。親として子供に愛情を感じているからこそ、責任を感じたり
叱ったりもするのに、良かれと思ってしたことが、知らず知らずに
コントロールになってしまっていたり、周りの人達に嫌われるのがイヤで、
遠慮や気後れから、自分から相手の『下』に入ってしまったり、
いい人でいたくて、いつもいつも我慢をしたり無理をしたり・・・
そんな時は、相手をありのまま受け入れることが、「とても難しい」と
感じます。相手をありのまま受け入れるのが「とても難しい」時、私達は
自分を受け入れるのが、「とても難しい」と感じているんですね。
映画の主人公も、正直になれなくて苛立ったり、意地を張ったりします。
私達もいつも同じように、悩んだり戸惑ったりしていますよね。
でも映画のように、『この世と別れる時』になってやっと、
『愛』を伝えなくても、『明日別れてしまうかも知れない』と考えたら、
大切な人に伝えたいことを、先送りには出来ないと思いませんか?
後悔はしたくないから、「今伝えたい!」と思ったら、「今伝えよう!」
(自戒も込めて^^;)そう思いました。
『この世と別れる時』に思い残すことのない様に、今をしっかり見つめて、
大切な時間を積み重ねて行きたい。そんな風に思わせてくれました。
プライベートだけでなくカウンセラーとしては、クライアントさんの
『ありのままを受け入れる』ことの大切さも、改めて強く感じました。
自分の価値観や判断で、相手を決め付けたりしない、反対に自分を過小に
見たりもしない、自分も相手も大切にしたコミュニケーションが取れた時、
初めて『どこまでもその人にその人として接する』ことが出来る。
カウンセリングの最も基本的な部分と、この映画のテーマには、通じる点が
あるように感じました。
それは人の心の、最も大切な、『核の部分』だと私には感じられました。
クライアントさんの『悲しみ』『辛さ』『淋しさ』・・・あらゆる感情を
そのままに、全て包み込める大きな『愛』を感じてもらえるような、
「カウンセラーでありたい!」そう思いました。
私も映画の主人公のように、自分自身が成長することで、その思いを
1つ1つ実現していこうと思います。
『愛』を伝えることは、『この世と別れる時』でなくても、その気になれば
いつでも出来ることですよ^^
大切な人と心を通わせるために、問題や悩みが生じた時には、ホンの少し
勇気がいるかも知れませんが、ネガティブにではなく、ポジティブに^^
『明日この世と別れてしまうとしたら』と、考えてみませんか?
きっと「このままにしておきたくない!」と言う思いが、あなたを動かして
くれる筈!です。その一歩は大切な人が、『どこまでもあなたをあなたと
して接してくれる』、あなたが『どこまでも大切な人を大切な人として接して
いける』、そんな強い絆を作ってくれる、とても大きな一歩になると思います。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。

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