笑う門には福来たる〜まず笑ってみよう〜

みなさん、笑ってますか?
僕は最近、問題だなぁと感じる出来事があっても、先ずは笑ってみることに
しています。
問題があるのに笑えるの?と思われるかもしれませんね。
昔の僕は、何か問題があると深刻に考え込むことをよくしていました。
「これは僕の責任かなぁ?」とか、「これから一体どうなるんだろう?」と
か、「どうしたらうまくいくんだろうか?」などなど。
この「深刻さ」が逆に問題をかえって複雑にしてしまう事が多かったように
思います。


深刻になる時を振り返ってみると、起こった出来事に対処する自信が持てな
かったり、これから先がどうなるのか見えなかったり、何か自分が悪い事を
したような気持ちになっていたり、孤独で寂しかったりという時でした。
これらの気持ちのもう一つ下側にある気持ちは、ほとんどの場合、何かを怖
れている気持ちなんですね。
人によって何を怖れているかは様々ですが、何か自分が悪い事をしたような
気持ちを例にその下側にある怖れを説明すると、誰かから責められるのでは
ないかという怖れとか、心のどこかで元々悪い自分を感じていて、それを自
分が責めていて、しかしそれだけでは余りにも辛い感情なので、心のどこか
で自分は「悪くない」と感じたいけれども、何か自分が悪いような事をした
気持ちになると、「やっぱりそうか、自分は悪いんだ」と思わなくてはなら
ないという怖れがあったりします。そして、これらの怖れを感じないために、
何とか挽回しようと思い、果たしてどうしたらいいのか深刻になるんですね。
人間は、怖れを動機に何かの判断や行動をすると、どうもうまくいかない事
が多いようです。
怖れを動機にするというのは、例えば自分自身の背中にナイフを突きつけて
無理矢理やらせているのと同じですので、緊張して思うように出来なかった
り、変な判断を下してみたりということがよくあります。
テレビドラマや映画の中で、銀行強盗が銀行員の背中にナイフや拳銃を突き
つけて「この袋に金を詰めろ!」なんてシーンがよくありますが、その時、
銀行員は強盗の言うことをきかなければ殺されるとか、失敗したら殺されて
しまうかもしれないからうまくやろうという気持ちになります。怖れを動機
にした行動ですね。その結果、銀行員の手が震えて札束をバサッと落とした
りしますね。あの状態と同じだと思っていただければいいと思います。
では、この怖れというのはどこからやってくるのでしょうか?誰かから与え
られる物なのでしょうか?
何かを怖れるという感情は、実は自分の外側からやってくる感情ではないん
ですね。怖れを感じさせる状況は外側にあるかもしれませんが、怖れが感情
という点から見ると、自分で感じる感情ですから、自分の内側にあるんです。
ジェットコースターが凄く怖い人もいますが、ジェットコースターが大好き
だという人も世の中にはたくさんいらっしゃいますよね。同じジェットコー
スターに乗ることがどうして怖い人と怖くない人に別れるかを考えていただ
ければ、怖れは個々人の内側にある事がおわかりいただけると思います。し
かも、ジェットコースターが大好きという人は、それを楽しんでさえいます。
同じ事でも楽しめる人がいるんですね。
だから、深刻になるということは、自分の内側にある怖れの感情を感じてそ
れと一生懸命戦っている状況という事が言えます。大変な状況ですね。
でも、ここで気がついて欲しいのですが、怖れを動機にするとうまくいかな
い事が多いにも拘わらず、怖れを動機にして一生懸命深刻になっているんで
すね。矛盾していますね。
だとすると、問題をうまく解決する確率を上げる方法は、深刻にならない事、
怖れを動機にしない事ですね。
僕の経験では、怖れを動機にしていない時には、問題を冷静に見つめる事が
できて、淡々と対処することができたりします。結果は天に任せる、しかし
やる事だけはやる、といった感じでしょうか。あるいは、場合によっては
「さて、どうなるかな?」と結果を楽しみながら、ワクワクドキドキの感覚
で行動ができたりします。ジェットコースターを楽しんでいるような感覚で
しょうか。
さて、深刻さから抜けるいい方法があります。
難しいようで、実は「そうするぞ!」と決意さえすれば簡単に出来る方法で
す。
それは、「まず笑ってみる事」なんですね。
コメディーでも、コントでも、落語でも、自分で笑い始めても、どんな方法
でも構いません。
人間の感情は面白いもので、泣き真似をしたり、涙を流そうと思って流すと
本当に悲しくなったりします。子供の頃、皆さんはそんな経験がありません
でしたか?おもちゃ売り場やお菓子売り場、あるいは家の中で、泣いてやろ
うと思って泣き始めたら本当に悲しくなって泣いてしまったなんてことが。
その逆もまた真なりで、人間は笑い始めると、本当におかしくなってきます。
愉快になってきます。そして、深刻さから抜ける事ができます。
これは科学的にも証明されているようで、先ず、笑い始めると快感を与える
脳内物質が分泌され始め、だんだん気分が良くなってきて、笑いがどんどん
膨らんでいくようです。
さて、あなたは深刻さを選択しますか?
それとも笑いを選択しますか?
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。