褒められることの大切さ〜母の入院で気づいたこと

先日、私の母が膝の手術のため一ヶ月ほど入院をしました。
こんな長期入院は、母の人生ではじめての事です。
私の母はとても強いタイプの女性で、良く言えばとても気丈で行動力があ
り、何でも取り仕切れる人、悪く言えば少しわがままで強引なところがあ
り、そしてとっても寂しがりやの怖がりさんです。
こんな母が一ヶ月以上かかる入院、リハビリ生活に耐えれるのだろうか?
勝手に切り上げて帰ってくるのではないか・・? 私と兄は少し心配をして
いました。


手術の当日病院に行くと、案の定母は「リハビリなんか家ででも出来るか
ら、術後の痛みがとれたら、2週間ほどで帰るつもりだから!」と言い張
り、仕事の段取りの話しばかりをしていました。
私が「こんなことがないとゆっくりする時間を作らないんだから、神様か
ら与えられた時間と思ってゆっくりしーよ!」と言っても、「そんな気楽
なことは言ってられへん!」と一喝!
まったくどうしたものかと思っていました。
母の入院先の病院は、私の家から5時間もかかる所だったため通いにくく、
しばらくは泊り込みで母に付いているいもりでした。
術後1週間が経過し、手術の痛みも癒え、そろそろ過酷なリハビリが始まる
頃に、母にその胸を伝えました。
ところが
「そんなん来なくていいわ。お母さんは毎日忙しいんよ。午前中2時間、午
後3時間、今はベットの上でリハビリ頑張ってるんよ。あんたが来ても相手
してあげられへんからこんといてよ〜」と言われる始末。。
相手してあげられへんて・・・??
よくよく聞いてみると、手術後、毎日院長先生が部屋を覗いてくれて「えら
かったですね〜 頑張ってますね〜」とニコニコ褒めてくれるそうです。
70歳過ぎたおじいちゃん先生なのですが、母はうれしくて仕方ないらしく、
あんなに早く帰ると言っていたのに、「完治するまで、一ヶ月でも二ヶ月で
ここで頑張るわ〜」と超ご機嫌!
その後も母の口から出る言葉は、
「クリスマスにね、サンタクロースの服を来た看護士さんがケーキを持って
来てくれたの。」
「誕生日の日はね、おかしらつきのタイをつけてくれたのよ〜」
「先生がお休みなのに、私服で病室に来てくれて、今日もいっぱい褒めてく
れたのよ〜 だから今日よりももっと足の角度が曲がるように、明日も頑張
るの!」
まるで幼稚園に入りたての子供のように、母に口から出る言葉は、やさしく
されて、いっぱい褒めてもらえる病院生活の話しでした。
母にとって、こんな経験は初めてだったのかもしれません。
そして母はとてもいい子でした。
私が今まであまり知らなかった母親の一面に出会った気がします。
私はそんな母の話しを聞きながら、もしかして母は本当はずーーっと褒めて
もらいたかったのかなぁ・・・そんな風に感じました。
勝気な性格の母はいつもすごく頑張っている人で、「誰にも負けない!」が
母の口癖でした。
そのぶん人との衝突も多く、父とも良く喧嘩をしていました。
でも母の頑張る目的は、ただやさしく褒めてもらいたかったのかもしれませ
ん。
父も祖父も母にあげそこなったもの。
この入院生活でいっぱいパパ(先生)にやさしく褒めてもらって、かわいい
素直な女の子を満喫したようです。
褒められて喜ぶのは、決して子供だけではありません。
人はいくつになっても、褒められるとうれしくて心が元気になるものです。
これからは、私もいっぱい母を褒めてあげようかな。。
何生意気言ってるの!って言われてしまうかな。。
嫌、言われてもいいから、褒めてあげたいな。
また一つ、大切なことを母から教わった気がします。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

夫婦関係、子育て、恋愛、コミュニケーション全般、自身の経験をもとに、自己愛がベースになるカウンセリングで、幅広いジャンルを得意とする。 母性が織り成す豊かな感性とやわらかさに加え、明るく元気なスタイルで、カウンセリングを終えたあとは心がほぐれて晴れやかな気持ちになれると好評である。