豊かさ(アバンダンス)の心理学(3)~自分とつながる、人とつながる~

私たちは、無意識のうちに、自分の心にある「感情」や「観念」、「思考」を自分の身の回りの人や事柄に投影しては、「世界」を認識しています。

毎日の生活の中で、自分の中の「愛」や「喜び」といった「心」とつながり、それを人と分かち合う、そんなシンプルな「あり方」が「豊かさ」を生きる基本です。

私たちは、自分の身の回りの状況が自分の感情を決めていてると思っています。

「あの人が口うるさいから私は辟易してしまう」、
「彼がかまってくれないから寂しい」、
・・・

という具合に。

でも、これ、本当は、逆で、まず、感じたい感情があって、それがウンザリだったり、寂しさだったりするのですが、それを感じられる状況を私たちが作りだしていると言ったら、「あぁ、とうとうみずがきもおかしくなったか」と思われますか?

でも、同じ状況でも、ウンザリする人もいれば、ウンザリしない人もいます。寂しいと思う人も、寂しいと思わない人もいます。ウンザリする前に、さっさと会話を切り上げられる人もいれば、寂しい思いをさせる人とはつきあわないからそういう問題はないわ、という人もいます。

私たちは、無意識のうちに、自分がどんな気分になるかを選択しているかのように、行動しています。そして、そういう気分になれるような出来事に惹かれてしまうのです。

なんでわざわざ、と思いますよね。

でも、どうやらそれくらいそういう感情、そういう気分に興味があるみたいなのです。

そして、私たちの心の中にある興味ある感情、興味のある気分で、毎日を埋めているとしたら、「自分の世界は自分が作り出している」と言われる意味がわかる気がしませんか。

もし、あなたが「豊かさ」を味わえていないとしたら、あなたはきっとその「ウンザリ」や「寂しさ」をもっと心地よい感情や気分に変えることに興味がある人なのかもしれません。そうすることで、本当の「豊かさ」を味わいたい人なのでしょうね。

私たちは、自分の心の中にあるものを外側の世界に映し出して味わっています。「豊かさ」も、私たちの心の中で作り出されるものです。

私たちが普段「心」というときの「心」は「感情」です。

「心ある」って言うときは、やさしい、情けがある、みたいな意味ですよね。「愛」があることを言います。 そう、真実の「心」は「愛」なのです。

「豊かさ」は「心」で感じるもの、です。ふんだんに「心」が「ある」ってことは、ふんだんに「愛」が「ある」ということ。

「心」で感じた「豊かさ」を自分の外側の世界に映し出す(心理学では「投影」と言います)とき、私たちは自分の身の回りの状況に「豊かさ」を見ます。「心」がいっぱい「愛」を感じられるとき、私たちは、自分自身についても、自分がおかれている状況についても、「豊かさ」を感じることができます。

でも、毎日の生活があまりに忙しいとその肝心な「愛」を感じるゆとりがなくなります。 お洗濯ものを取り込むとき、 「あぁ、お日様の匂い!愛されてるわぁ」 って思う人はどれくらいいらっしゃるかしら? 「次は、幼稚園のお迎えで、その帰りにお買い物をして、、、」 なんて次の段取りに忙しい方の方が圧倒的ではないかしら。

次から次へと予定があって、一つ一つを楽しむゆとりがないと、私たちは、つい、 「これだけ頑張ったのに、欲しい結果が手に入っていない!」 ことが大きなフラストレーションになります。

「子供に英語を習わせたのに、上達しない」、
「こんなに忙しいなかで晩御飯を作ったのに、夫は遅くまで仕事だと言って帰ってこない」、
「婚活しているのに、いい人に会えない」、

・・・・・・・・・・・・。

「結果がすべて」の生活になってしまうのです。 そして、ますます「結果」に固執して、「◯◯すべき」で「頑張る」わけです。 「◯◯すべき」に埋もれると、疲れがたまるばかりですよね。

そのうち、自分が何が好きで、本当は何がやりたいのかわからなくなっちゃいます。

自分が大好きなものを「大好き!」と思えることは、とてもシンプルな「愛」のあり方です。

「大好き!」なものが「ある」から「幸せ」って思えることが「愛」を受け取ることです。とてもシンプルなのです。

そして、そんな「大好き!」という「幸せ」を分かち合うことができたら、「幸せ」が増えますよね。それが「豊かさ」なのです。

とても美味しいケーキを見つけたから、甘党のお友達を誘ってティールームで一緒にそのケーキの美味しさを味わいます。

「ねぇ、美味しいでしょう?」とちょっぴり得意気に言うと、

「ホント!めちゃ美味しいね!」と目を丸くして言ってもらって、テンションがさらに上がるじゃないですか。

「大好き!」→「幸せ」→ 誰かと分かち合う → 「幸せ」x「幸せ」← この乗数倍に増えるところが「豊かさ」の真髄なのです。

「豊かさ」はふんだんに「ある」こと。
「豊かさ」は「心」で「感じる」ものであること。

「心」は「感情」で、つきつめると「愛」する感情なので、「心」がふんだんに「ある」ということは「愛」がふんだんに「ある」ことを言います。

自分の「心」にふんだんに「ある」愛とつながれたなら、自分の「好き」という気持ちで、自分も人も見ることができます。

そんな「好き」という気持ちを誰かと分かち合うことができたら、「好き」であることの「幸せ」が乗数倍に増えていきます。

みんなが余裕がなくて、自分の「好き」を見失っているときに、そんな「好き」の発信源になることを、私たちは、

「幸せのリーダーシップをとる」

と言います。

あなたも、幸せのリーダーシップをとりませんか?きっと誰よりも「豊かさ」を見て感じることができると思いますよ。本当に大事なことは、いつだってとてもシンプルなのです。

◎エクササイズ3
あなたが今日「好き」と思えたことにどんなことがありましたか?「好き」と思えた「幸せ」感、喜びを誰と分かち合いたいですか?あなたが嬉しそうにしているのをその人たちが喜んでいるところをイメージしてみましょう。もし、できるようでしたら、さらに一歩進めて、実際に分かち合ってみましょう。

>>>『豊かさ(アバンダンス)の心理学(4)~分かち合い経済の時代がくる?~』へ続く

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