うわさ話をしてしまう~人の話を大切にするには~

人のうわさを話題にする理由はいくつかありますが、心理的に共通して言えるのは、「自信がない」ということでしょう。

自信がないと、人のうわさ話を盾にして自分を隠そうとすることがあります。

また、本当は「自分の話を喜んで聞いてほしい」という願望があるのに、そのやり方や人との距離感がわからなくて、うわさ話を盛ることで関心を得ようとすることがあります。

自己開示に取り組んでいくと、自分の話・人の話への認識が変化していきます。話を聞かせてもらえるのには、自分に向けられた信頼があると感じられると、人から聞いた話を慎重に扱えるようになっていくでしょう。

「わからない」からこそ「わかりたい」と相手を理解する意欲を持つと、心を開いたコミュニケーションがしやすくなるでしょう。

◎リクエストを頂きました◎
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私は、人の会話を聞いたことを話してしまうところがあります。立ち話の話を、ほかの人へ話してしまい、それは言って欲しくなかった。と言われてしまったり、聞いた話を大きくしてしまうところがあります。
そのため、友人を傷つけてしまうところがあるようです。

話していい話とダメな話の見極めがわからないのです。これは秘密ねと言われたら、分かるのですが、立ち話から聞いた話をして失敗することが多く、最近では会話するのが怖くて、黙ってしまうことや人との付き合いが怖かったり、面倒くさく感じてしまうことがあります。

話を大きくしてしまったり、人のことを話さないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?
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人のことを話題にする「うわさ」話。コミュニケーションしていくのに、うわさ話をまったくしないというのは難しいものです。

とはいえ、人のうわさは、本人からの直接の言葉ではないため、本人の意図とは違う解釈などが無責任に一人歩きした結果、話題になった人を不快にすることがあります。

人のうわさを話題にする理由

なぜ人のうわさを話題に選ぶのか、いくつかの理由が考えられます。

例えば、自分の話はつまらないと思っている、自分に話題が向くのを避けたい、話題がなくて共通の知人のことが話の種になる、うわさ話は盛り上がる気がする、他の人は知らない情報を提供したい、沈黙が耐えられない…など。

心理的に共通して言えるのは、「自信がない」ということでしょう。自信がないから、人のうわさを盾にして、自分を隠そうとしているのかもしれません。

話を盛るとき

うわさ話には尾ひれはひれが付きもので、つい誇張して話が盛られることがあります。自分のことなら「どう思われるか」が気になって慎重になるけれど、他人事だと鈍感になるというケースが多いようです。

また、自分の話がつまらないと思っているほど、話し相手をおもしろがらせなきゃと、話を盛ってしまう場合があるようです。

心が感じていること

ちょっと、想像してみてくださいね。

小学生が「今日学校でね、こんなことがあってね。」と、あなたに話しはじめます。あなたが「うん、うん。」と話を聞いているうちに、その子の話はどんどん現実にはあり得ないような妄想話に膨らんでいきます。その子はどんな気持ちを感じながら、あなたに話をしているでしょうか。

おそらく、自分の話を聞いてもらえるのが嬉しい、もっと関心を持ってほしい、「すごいね」って言ってもらいたい、といった気持ちでしょう。この気持ちは、うわさ話で話を盛る人にも同じです。

自分の話を喜んで聞いてほしいけれど、自信がないから自分を話題にはできなくて、うわさで話を盛ってしまう、ということが起きているのではないでしょうか。

さらに言えば、これまで自分を話題にした話を充分に聞いてもらう経験ができなかったのかもしれません。だから、どこまで自分のことを話していいのかがわからないし、自分の話はつまらないと思っているし、どこまで踏み込んで会話していいのかがわからなくて、相手との距離感がつかみにくくなっているのではないでしょうか。

自己開示の練習

これらを解消していくには、自分のことを話す自己開示の練習から始めるといいでしょう。いきなり「自分のことを話しましょう」と言われても難しいでしょうから、最初のうちは話を聞いてくれる前提のあるカウンセラー相手に練習し、慣れてきたら少しずつ実生活でかかわる人たちにひろげていくといいと思います。

そして、実際に人とかかわりながら、自分が話すことと、自分が聞くことのバランスを調整していけるといいのではないかと思います。

人間関係は別々の価値観を持った人とのコミュニケーションです。時には、自分が良かれと思って言ったことが相手の気に障ったり、善意でしたことに苦情がきたりもします。大事なのは、それらを全部「成長のきっかけ」にしていくことです。

「こんなことを言われた。だから、もうしない。」と心を閉ざすこともできます。でも、あなたが本当にしたいことは、周囲の人と心を開いた楽しい会話ではないでしょうか。

だとしたら、「こう言われて嫌な思いをした。」と一時的にはショックをうけたとしても、最後には「けれど、おかげで○○すると傷つく人がいるのがわかった。」と、出来事を成長のきっかけにしていけるといいですね。

「わからない」から「わかりたい」へ

話していいこと・ダメなこと、この基準に明確なものはありません。同じ人の中でも、その日の気分や、話すメンバーが誰かでも違ってきます。だから、話す本人ですらも基準はわからないものなのでしょう。

ただ、「わからない」としてしまうことは、心の状態では「私には理解する能力・気力がありません。」と心を閉じた拒絶の状態を示しています。

「わからない」からこそ「わかりたい」と思う、自分から相手を理解していこうとする意欲は持てるといいのかもしれませんね。

自分に向けられた信頼の気持ちに反応する

「あなたには話したけれど、Xさんには話してほしくなかった。」という場合、話し手は「あなただから信頼して話した。」という気持ちがあるのでしょう。

話し手が自分を信頼して打ち明けてくれていること、「自分に向けられた信頼」に気がつき、その信頼の気持ちに反応していけるといいのかもしれません。

自分に信頼が向けられていると感じることができたなら、人から聞いた話を慎重に扱えるのではないでしょうか。

あなたが予想している以上に、あなたは信頼されています。それを感じて、自分のことも誰かのことも大切にしていきましょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。