人の面倒を見るのを止められないのは「誰かの笑顔が見たい」才能があるから

周囲の盛り上げ役、お世話役、をつい買って出てしまう。

本当は疲れているのに、しんどいのに、一人でいたいのに、頼まれると断れない。こうした悩みは長男長女や第一子に多い傾向があります。それは親や家の期待を背負って生きていることが多いからです。

苦しみの原因は「補償行為」。やっていることは素晴らしいのに、自分はダメだから、それを補うために努力して苦しくなってしまう心理のことです。

自分には力がないけれど、期待に応えるために無理をしてもがんばらねばならないと思って苦しむわけですが、ここを抜けるには「実は自分には力がある、価値がある」と自分を承認し、自分の才能を認めてあげることが必要なのです。

◎リクエストを頂きました◎
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いつも興味深く拝読しております。
3姉妹の長女、50代会社員主婦です。

PTA活動や、若い頃なら合コンなどの規模の集まりでは、ついつい必要以上にテンション上げて、盛り上げ役を買って出ますが、実は人と会う、約束をすることが億劫です。

それでもついつい社交辞令で今度お茶でもしましょうなどと言ってしまい、相手からいつにする?とホントにメールが来ると負担になります。
他人のみならず、妹たち家族が我が家にくることもつらいです。

以前、お昼にBBQに誘ったら、そのまま晩ご飯まで支度することになり、大人数を一人でもてなすことに疲れ果てる始末。
姪っ子たちが深夜まで盛り上がり、そんなことがたびたびあると、もう我が家に来ないでくれという気持ちにすらなります。

私から誘わなくても「遊びに行きたい」と言われると、娘が段取りをして、結果我が家に大集合となります、このお盆もそうなる予定です。

普段はかんたんな家事と仕事でバタバタしているので、長い休みくらい、じっくり家の掃除や片付けをしたい、本も読みたい、ゆっくりしたい。
そんな自分の気持ちをうまく伝える方法がありますか?
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周囲の盛り上げ役、お世話役、をつい買って出てしまう。

本当は疲れているのに、しんどいのに、一人でいたいのに、頼まれると断れない。
こうした悩みは長男長女や第一子に多い傾向があります。それは、親や家の期待を背負って生きていることが多いからです。

こうした人は、いい子や優等生タイプが多いのですが、「誰かの期待に応えなければならない」という強い思いを持つようになり、リーダー的存在を自然と引き受けていくことになります。

その時、プレッシャーや「自分では嫌なのにやらざるをえない」「やらないと申し訳ない気持ちになる」という心の葛藤を持つことがあります。そこには「補償行為」という心理があるのです。

補償行為とは、やっていることは素晴らしいことなのに、その動機が「自分はダメだから何かしなければ価値がない」という無価値感や罪悪感に基づいて行動する心理を言います。

いくらがんばっても、素晴らしいことをしても「ダメな自分が価値を認めてもらうため」に「埋め合わせ」としてやっているため、嬉しさや楽しみを感じることができないのです。

やって当たり前、やれて当たり前、やらないと価値がなくなってしまう。だってこんなに自分はダメだから、という心理なのです。

補償行為をやめる方法は自己価値を認めること。

もし、自分のことを評価し、愛される価値があると感じられたら、何かしなければ価値を認められない、とは思わなくなります。
そのままでいい、そこにいるだけでいい。

そう感じられるようになるので、無理したり、犠牲したりをしなくて済むわけです。

しかしながら、この「何もしなくていい」というのが耐えられないのですね。
何かをすることが自分の存在理由と感じていたために、何もしないと自分がなくなってしまう感覚に襲われたりします。

だから休みたいと思っていても、「自ら」休めなくなってしまうのです。

ところが、もし、何もしなくても自分には価値がある、と感じられるようになったら、「やりたいことを素直にやろう」と思えるので、休みたい時には休むけど、以前よりも積極的に、何かをやるようになる場合も出てきます。
その最大の違いは「嬉しさ」「楽しさ」を感じながら行動に移していること。

自分にとって、やりたいこと、楽しいことをやることは、どんなに労力がかかろうと、苦になりません。

そもそも補償行為とは、自分に価値がないという誤解から来ているもの。
自分には力がないけれど、期待に応えるために無理をしてもがんばらねばならないと思って苦しむわけですが、本当は力もあるし、才能もあるのに、それがないと自分が思い込んでしまっているのです。

子供の時は、大人と同じレベルで家族を助けることはできません。しかし、そのことが自分には助ける力がないという誤解を作りだします。

家族を思う強い愛情があるからこそ、こうした誤解が生まれるのです。

ですから、ここを抜けるには、自分の価値を誤解したことに気づき「実は自分には力がある、価値がある」と自分を承認し、才能を認めてあげることが必要なのです。

まず最初にやっていただきたいのは、自分の今までのがんばりを心から褒めてあげること。
中には自分のがんばりを認めている、褒めてあげていると思っている方もいますが、苦しいということは、この自己承認ができていない、足りていないということを表しています。
やれて当たり前、ですから、褒める認めることが難しいのです。

ですが、今までがんばってきたのは事実だし、しかも、それは家族のためにやってきたことであり、家族のために多大な貢献をしていることを改めて思い直していただきたいのです。

他の誰でもない、あなた自身が自分の素晴らしさ、努力、貢献を認めてあげられていないとしたら、それは自分がかわいそうです。
こんなに素晴らしい自分なのですから。

それを何度も、きちんと感じてみよう、と思ってみてください。

次に思っていただきたいのは、「誰かのために何かをやってあげる」ことは才能である、ということです。

ご相談者のケースで言えば、ここまでのことがやれるということは、「誰かのために何かをやってあげる強い志」や「人の役に立てることが嬉しい」というもの、そして、「人のことが好き」という才能の持ち主であることが推測されます。
ネガティブな思いだけで、ここまでのことはできません。

そこには、誰かが笑顔になってくれると嬉しい、人と関わるのが好きだ、というポジティブなものがあるはずなのです。

補償行為と才能が一緒に混ざってしまっているために、わからなくなってしまっているだけで、そこには才能や愛情や優しさがあるのですね。

あなたは誰かの笑顔が見られた時、とても嬉しいと感じていませんか?。その優しさと愛情は補償行為ではなく、あなたの心の本質なのです。

自分を認め、自分の価値を見つづけることを日々、積み重ねていくこと、また、自分がなぜこんなにまで補償行為をしてしまうのかという自らの心を整理すること。
そうした先に、ここまでやったんだからやらなくてもいいか、と素直に思え、その気持ちを周りの人に言いやすい心を作っていけるようになります。

そして、心から休む、ゆっくりすることを楽しめるようになっていけます。

あなたは素晴らしい、愛と優しさに満ちた心の持ち主なのです。

それをしっかりと自覚することが、この悩みを解消していく大きな力になります。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。