人から受けたイライラ感染に対処するには?

嬉しい、楽しい、切ない、イライラなど、感情は伝染します。

なかでも身近な人のイライラに影響されてしまう、と感じている人は少なくないようです。

キッカケは誰かからの感情に影響されたものであっても、なかなか消えずに残る感情は、あなた自身に内包したもともとある感情が引き起こしているのかもしれません。

表現しにくい、あるいは扱いにくいと感じている感情を溜め込んでいませんか?
表現されずに、気づいてもらえずに留まり続ける感情があるときは

「自分はなんでこんなにイライラしちゃうんだろうか?」
「その感情が、私に何を教えたがっているのか?」
「どんなことに気づいてもらいたがっているのか?」

かと、しっかり自分自身の感情として興味を持ってみていくといいのです。

◎リクエストを頂きました◎
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いつも拝見しており、たいへん勉強になっております。
私は他人のイライラやピリピリした感情を受け入れてしまっているのか、そういう態度でいる人の近くにいると、自分もイライラして、しばらくしんどくなります。

関係上、どうしても全く会わない訳にもいかないので、この自分の感情を楽にする方法を知るしか方法がありません。
受け止めず流してしまえば楽なんだと思うのですが、それが出来ません。
何かいい方法があれば教えて下さい。よろしくお願いします!
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感情は伝染する

あなたも誰かの感情が自分に伝染したと感じる経験はないでしょうか?

例えば、大笑いをしている人を見て、なんで笑っているのか理由もわからないのに自分も可笑しくなって笑ってしまったとか。涙している人につられて自分も泣いてしまったとか。切なそうにしているのを見て自分も切なくなったり、不安そうな人のそばにいたら自分も不安になってしまったりですとか。

そう、喜怒哀楽など、さまざまな感情は伝染します。

感情が伝染することを心理用語で“情動感染あるいは情動伝染 (EMOTIONAL CONTAGION)”などと言います。

個人差もありますが、私たちが気付かないうちに自動的におこる作用であり、集団で生きる私たち人間が生まれ持った能力でもあるのです。

情動伝染は、相手の体験や感じていることを自分も同じように感じたり、理解しようとする「共感」とは異なり、他者から受動的に感情の影響を受け取る状態、つまり、誰かの感情に「つられて」自分の感情も動くものです。

ですから、感染した情動には、その感覚になる「理由」や「動機」が思い当たらないこともあるかと思います。

なぜ落ち込んでいるのか、イライラしているのか、無気力なのか、自分自身で解せないため、他の理由を探したり、何かのせいにしてしまう場合もあります。

そして、それが誤解や確執を生む可能性がないとは言えません。

感染したイライラ情動に対処するには?

前述のように私たちには、共感や意志に関係なく、他人の情動を無意識に伝染したり感染したりしてしまうことがあります。

まずは、このような事実を認めることも、気持ちを切り替えるときの助けになるでしょう。

もし誰かのネガティヴな感情に影響されたとしても、「ああ、今、自分は相手につられてるな」と気付ければ、それ以上の影響力を持つことは防げそうです。

ポジティヴな感情になりたければ、ポジティヴな人のそばにいるようにしてみたりハッピーなストーリーの映画やドラマを見るのも良いです。

また、自分が嬉しい、楽しい、清々しい気分の時は、その気持ちを表現することで周囲の人たちに伝染し、和やかで楽しい、あるいは落ち着いた人の輪になるでしょう。
そして、互いにその感情が伝染し合って、もっと嬉しい、楽しい、清々しい気持ちになるはずです。

それでもイライラが収まらない時は?

それでも、もし、イライラが納まらない場合について考えられるのは、次のような事柄があげられます。

・自分にもともと抑圧していた怒りや不満、怖れや依存心がある
・誰かのせいにしている(被害者意識が強くある)
・人間関係において関連する何らかのトラウマがある

情動伝染は、楽しい、嬉しい等のポジティヴな感情よりも、怒りやイライラ、恐れや不安、憂うつ等のネガティヴな感情の方が伝染する力が大きいと言われています。

ポジティヴな感情は、その場で共有したり、表現しやすいのに対して、ネガティブな感情は苦手意識があったり、解消方法がわからなかったり、表現することに後ろめたさがあったりして、ある種、感情の扱いに対する宿題のようなものをはらんでいることを人は本能的に知っているからなのだと私は考えます。

これまで自分のことにはあまり目を向けずに来てしまった人は、なんとなく未消化のまま溜め込んでしまっている不満や怒り、そのもっと深いところには怖れがあってイライラが納まらないという場合もあるでしょう。

疲れているなど、癒しを必要としている場合は、ゆっくり休むこと。そして、体や健康に気を配るなど自分に向ける時間をとってみるといいでしょう。

心と体のメンテナンスを心掛けてみてくださいね。

キッカケは誰かからの感染であったとしても、自分のイライラが納まらないときは、自分の内側を見てあげるといいでしょう。

たとえば、もともと感情の濃い母親に怖れがある場合。

母親の不機嫌は生きた心地がしないくらい怖くて不安になってしまう、というのをもっていたりすると、職場でも目上の人の不機嫌に怖れを感じてそれがやがて自分の不機嫌になって現れてしまうことがあります。

母を怖れ、母に依存し、それゆえにそれを象徴するような心理的ポジションにいる人に怒っている。権威を恐れ、権威のある人に依存や癒着があるが故にその自分の怒りを認識できないということもあります。

不機嫌な母を怖れてきた人は、同じようになりたくなくて怒りは表現されることがなく内向する。その出口を失った怒りの感情がイライラや不機嫌になるのです。

「もしわかるとしたら、一体、私は何にイライラしているのだろう?」
「もしわかるとしたら、このイライラは、私に何を気づいて欲しがっているのだろう?」

感情のサインに気づいて自分のケアをしていく過程で、心の中にある未解決のわだかまりを解消し、癒していくことは可能です。そしてまた、そのような癒しの過程で自己愛を育て自尊心を高めることができます。そうして満たされていくことで、気にならなくなるのです。

なぜ気にならなくなるのかというと、癒しのプロセスそのものが、被害者意識や無力感、無価値観、罪悪感、あるいは自己嫌悪。満たされずにいる欲望、混乱やわからないことから来る不安や怖れを解放し、自己愛や新たな姿勢を身につけるプロセスであり、自分自身を満たしたり、保つことができるようになることで、自分以外の人にも心を配れるようになるからです。

このステップを一人でやるのは難しいと感じたら、ぜひ、私たちカウンセラーを頼ってみてくださいね。

一日も早く、あなたの心に平和が戻りますように

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

熊谷 佐知恵

恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。