行き詰ってがんばれない~デットゾーンを抜けるには~

依存→自立→相互依存へと心が成長する過程で、自立から相互依存への転換期にデットゾーンがあります。

「~しなければならない」「~してはならない」とルールを守り、役割での義務を果たすうちに、やらなければいけないことがたくさんあって行き詰まり、一人ではこれ以上がんばれない限界を迎えます。

デットゾーンを抜けるには、自分のやり方を手放すこと、ビジョンにコミットすることが求められます。あきらめてきた自分が本当に望むもの(ビジョン)を取り戻し、実現のために本気で腹をくくりましょう。

今の延長に出口がないならば、「これだけはしたくない!」と避けてきたことに、勇気をもってチャレンジしましょう。多くの場合、さらにがんばるのではなく、何かを手放していく、止める勇気が必要です。

デットゾーンを抜けるカギは、一人でしないこと。自分にできることを与え、自分にできないことを受け取っていくと、相互依存に進めるでしょう。

 

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ここ数か月、デッドゾーンから抜け出せず、つい「もうがんばれない」「何もしたくない」と思ってしまいます。

心の世界に否定形はないので、「あんな風になりたくない」と思っていると無意識にそうなってしまうと何かで読みました。

ということは、無意識に「がんばれ」とか「やりなさい」と自分にムチを打ってることになるのでしょうか?

日々の生活では仕事や家事など、やらなければならないことが沢山あって、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と、いっぱいいっぱいになることが多いです。
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心の成長段階

私たちの心の成長は、依存→自立→相互依存へと段階が進んでいきます。

依存の段階は「誰かに何とかしてもらおう」とする段階で、「いかにして愛されるか」にエネルギーを費やします。

依存状態で愛されようとして思い通りにならないと、「自分で何とかしよう」と自立していきます。自立段階は「いかにして傷つかないか」にこだわります。

完璧でいようと努め、どちらが正しいのかで争い、やがて、自分一人でがんばることに限界がきます。ここがデットゾーン、死んだような、あきらめの感覚の状態です。

デットゾーンの心理

デットゾーンでは、「やらなければいけないこと」に囲まれてがんじがらめになったり、忙しさのあまりに疲労困憊したり、自分が本当に望む人生を生きていないような違和感を持ったり、これ以上がんばれないと行き詰まったり、「いっそのこと…」と全部投げ出したくなったりします。

傷つかないために、「~しなければならない」「~すべきだ」「~してはならない」と、自分自身が決めたルールや、「○○だから」と自分の置かれた立場(社会人・男・女・母親・子供などの役割)での義務が、心を不自由にしています。燃え尽きて、空虚で、「もうがんばれない」と感じます。

自分が決めたルールや役割の義務は、かつて自分が傷ついた痛みや、誰かに抱えた不満などからできたものです。例えば、「わがままと言われたから、人の気持ちを気遣わなければならない。」「母親がわかってくれず悲しかったから、自分は子供を理解すべきだ。」「だらしない父親を軽蔑しているから、(同じように軽蔑されないために)自分はきちんとしなければいけない。」など。

不充分な誰か、不充分な自分を否定しているほど、ルールや義務は増えていきます。

傷つかないため、望まない状態を避けるために作ったルールを守るのは、自分がしたくてしているわけではありません。どんなに素晴らしいことを成し遂げても、「当たり前をこなしただけ」のように思い、その成果を喜べません。無感情・無感覚になります。

あるいは、「今さら」と深くあきらめていて、親密感や成功を遠ざけます。心理的には、失敗するオソレや、これまで自立の状態で保ってきた自分が消えてなくなるようなオソレを抱えています。

デットゾーンを抜けるには

(1)自分のやり方を手放す

かたくなに守ってきた自分のやり方を手放して、今までと違う考え方・やり方を選択していくときです。

傷つかないために自立してきた人にとって、ある程度はうまくいった自分のやり方を手放すのはこわいものです。がんばってきた自分を否定するように思うかもしれませんし、ダメ人間になるようなオソレや屈辱・敗北などを感じるかもしれません。自立の状態でがんばり、がまんしてきた分、抵抗やイカリが出ることがあります。

しかし、今の延長に出口がないならば、これまでとは違う何かが必要です。多くの場合、さらにがんばるのではなく、抱えすぎた何かを手放していく、やめる勇気が求められています。

これまで避けてきた「これだけはしたくない!」と拒んできたものを受け入れていくことがデットゾーンを抜ける出口になります。

例えば、「辛い」「助けてほしい」と人を頼る、信じること。自分が何とかしようとするのをやめて、人に任せる、流れにゆだねること。自分を苦しくしている行動や習慣を止めること。オソレから引き受けているものを断ること。自由や楽さを感じるのを自分に許すこと。本当に望むものに向き合うこと。これまで感謝できなかった人に、感謝を伝えていくこと。など。

デットゾーンを抜ける時、「これだけはしたくない!」と感情的な抵抗は大きいものです。しかし、思い切ってチャレンジしたら、想像もしなかった世界が広がっていくでしょう。

(2)ビジョンにコミットする

「これだけはしたくない!」に取り組むためには、モチベーション作りも大切です。

まずは、誰かのことを優先してあきらめてきた「自分自身」や「自分の本当の気持ち」を取り戻しましょう。次に、何が大切で、何を望んでいるのかを明確にし、「私も幸せになっていい。」と自分が幸せになる許可をしましょう。

そして、望む未来が実現したら、「どんなに嬉しいだろう」「どんなに素晴らしいだろう」とビジョンを描きましょう。ビジョンの実現に、本気でコミット(=腹をくくる)しましょう。

デットゾーンを抜けるカギは、一人でしないことです。人に相談し、協力をお願いしましょう。すると、あなたの弱さが誰かの強さになり、誰かの弱さがあなたの強さになっていきます。自分にできることを与え、自分にできないことを受け取る、共に生きて、お互いを尊重し合う相互依存の関係が築けるでしょう。

デットゾーンを抜けた相互依存の段階には、対等さがあり、不完全さを補い合い、成功を祝福しあえる関係が待っています。

人生はあなたの勇気で変えていけます。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。