「好き」と「嫌い」の心理学

私達の「好き」と「嫌い」 って何なのでしょうか?そのメカニズムを理解して素敵な恋をしてみませんか?

今回のテーマは福岡県のまおさん(27歳)から頂きました。 どうもありがとうございます。
「私は大好きな彼がいるのですが、こちらのホームページを拝見させてもらううちに『好き』と『嫌い』って何だろう?って考えるようになってしまいました。心理学で見るとどうなんでしょうか。教えていただけたら幸いです」
(メールの内容はまおさんの許可を頂いて編集させていただいています)

なるほど「好き」という感情は誰もが知っている感情ですよね。
ということで、まおさんのリクエストに答えて、これを「心理学」として取り扱って見ましょう。

実は僕たちは一度「好き」になったものを「嫌い」になることはできません。
(注:「嫌悪感」とここで扱う「嫌い」は別のものと考えてください。)

例えば、大好きだった彼が浮気をして、すごく傷ついて「もう、あんたなんか嫌い!」って思ったとしましょう。
でも、そのとき本当に彼のことが嫌いになったんでしょうか?
本当は彼のことはそのときも大好きなんですよね。
好きだからこそ「嫌い」が出てきたのではないでしょうか。
というか、彼を嫌いになろうと努力するわけですね。

仮に「好き」をプラスのエネルギーとすれば、「好き」でいることがつらいときに、それをゼロに戻すためにマイナスのエネルギーを放つのが「嫌い」ということです。 ということは「好き」がなければ「嫌い」もないし、「嫌い」があるうちは「好き」がある、という心理状態なんですね。ここでいうゼロというのは、他人の関係ということです。

そして「嫌い」っていうのは、そんなマイナスのエネルギーですから、相当体力を消耗します。
大好きな彼を嫌いになろうとするのは、ものすごい努力が要りますね。

じゃあ、なぜ、嫌いになろうとするのでしょうか?
それは「好き」でいることが辛すぎるからではないでしょうか。
好きでいることが苦しければ、辛くてもいいから、嫌いになって楽になりたい。
これが本音だと思うんです。
つまり、嫌いになりたいという欲求には必ず、心の痛みが存在します。
彼に傷つけられた、と思っている私がいるわけです。
そして、その痛みが起きるたびに、彼を嫌いになろうとするのですから、そこには決して明るい未来は見えませし、実は自分自身の人間としての成長もあまり見込めません。

だから、僕たちは「嫌い」になるのではなく「手放す」ことを提案しています。
痛みゆえに好きな人を嫌いになる、というのはとても悲しいような気がします。それは場合によっては彼との楽しい時間、成長した自分を白紙に戻すような感じになりますし、心の傷は癒されないまま残ってしまいます。

ならば、痛みを受け入れ、そして手放すほうがより良いあなたへの一歩になります。
彼のこと、好きなら好きでいいと思います。
嫌いになる必要はありません。
でも、それでは辛いと思うなら、彼のことを好きなまま心の距離を取っていくのが手放しです。
「あなたのこと大好きだけど、私の幸せを考えたとき、一緒にはいられません。」という具合に。
嫌いを使わなくとも、ゼロの距離まで離れることは可能です。

手放しというと難しく思われますよね。これ一つでも十分講座のテーマになり得るのですが、簡単に言うと「卒業する」ということです。
ちょうど3月。卒業シーズンですね。
いい思い出も、嫌な思い出も一緒に持って卒業し、次のステップへと僕たちは今までも進んできました。

これは一見難しそうに思えますが、嫌いになるよりはずっと心への負担も軽く、また、成長できる方法です。何よりもこれはあなたを成熟させてくれます。成熟さというのは歳相応の魅力を表現することに他なりません。

最初はその痛み、壊れてしまった恋するハートをあなた自身が受け入れていきます。
そして、そこで痛みを十分感じ、流したあとで、心理的に彼からゆっくり離れるのです。
彼から学んだこと、楽しかった時間に感謝しながら。

ここでのポイントは感謝。

そうして、彼を手放したとき、元気になったあなたの恋するハートは必ず次の獲物(?)を探しにいくでしょう。そして、よりステップアップした恋愛を楽しむことができるのです。

でも、もし、嫌いになろうとして痛みを持ったまま距離を取ってしまうと「もう恋なんてしないっ!」というつまらない自分を作ってしまうかもしれませんね。

人を好きになるのは素敵なこと。
恋をするのも素敵なこと。
ならば、人生を通じて人を好きで楽しめる自分になりたいとは思いませんか?

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