セックスレスの心理的側面(1)

こんばんは、社長の平です。

みなさんからいただくご相談に、このところ、セックスレスに関することが増えていましたので、今回はそのへんお話をしていきたいと思います。

セックスレスの一つのキーワードといえるのが、セックスに「飽きる」というものです。

私たちは10代のころ、世の中にはセックスというものがある、ということを知ります。
そこには、なにやら禁断のにおいがあり、「してはいけない」、「でも、興味がかきたてられる、秘密のこと」として認識します。

つまり、“禁止”ということから、セックスはスタートするのですね。

セックスとは変なことであり、「子どもは興味をもってはいけないものである」、「興味をもつような子はふしだらで、変な子である」という自己概念がそこにできるわけです。

それによって、性的な欲求をもつことには、“禁止”、そして、“罪悪感”という概念もつながってきます。

ですから、10代のころのセックスは、「してはいけないことをした」、「だれにも内緒なのだけど、禁断の扉を開けてしまった」というかんじになることが多いわけです。

セックスは感情ともつながっていますから、「感情は抑圧するもの」と考えている男性たちは、性的な欲求もがまんすべきものと捉えがちです。
さらに、早漏など、「がまんできなかった」ということは、男性社会においては軽蔑されることであり、恥ずべきことにもなるようです。

男性たちが好んで観るアダルトビデオのタイトルのほとんどが、“禁止”、“タブー”をあらわす言葉や、「がまんできずに‥‥」といったものになるのも、そのためです。

アダルトビデオには、バイブレーターなど大人のオモチャと呼ばれる器具もよく登場します。
男性というのは、セックスから感情を抜き取るために、セックスを“もの扱い”することがとても多いのです。大人のオモチャは、その象徴です。

といっても、それは、女性をもの扱いするというよりも、「自分自身を、感情を抜いたもののように扱おうとしている」ということなのですが‥‥。

性的なことに対する禁止や抑圧の概念が強いと、日常の中のセックスにも、禁止、抑圧という感覚がつきまといます。

そして、二人でタブーを破るような感覚でするセックスには燃えりするのですが、結婚したりしてタブーがなくなると、とたんにセックスに燃えなくなることもあるものです。

これが、冒頭に述べたキーワードの、「セックスに飽きる」というパターンです。その結果として、不倫の関係にだけ、性的な欲求を感じるようになるという人も、男女ともに少なくありません。

しかしながら、セックスの形とは、タブーだけではないのです。

英語でいう“メイク・ラブ”、つまり、「愛を交わすためのセックス」というものも存在するのです。

セックスを二人の愛の行為として見ていくと、私たち人間は、自分の性的な部分に自己嫌悪を隠しもっていることが多いことに気がつきます。

たとえば、女性であれば、オッパイが小さいとか大きいとかいったことに自己嫌悪をもっていることがありますし、同じように私たち男性も、おちんちんが大きいとか小さいとかいうことで自己嫌悪することはよくあります。

セックスというのは、別の角度から見ると、この「自己嫌悪を愛しあう行為」とも言えるわけです。

一般的にいうと、“汚い”と感じられるような体の場所と行為が、愛というオブラートに包まれることで、まったくそうは感じられなくなるわけです。

そうして愛を交わす行為は、大きなやすらぎとかけがえのない癒しをつくります。

風俗店などで愛あるセックスを求めるというのは、ほぼ、不可能でしょう。おたがいを理解し合った夫婦だからこそ、こんなセックスも可能になるのです。

では、どのようにすれば、セックスレスを回避することができるのでしょう? その、具体的な方法は、来週、お話しすることとしましょう。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

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神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。