終わらない仕事探しと現実逃避

相談者名
S.N.
こんにちは。
23歳、男です。

今年の三月まで大学生でしたが、職を見つけることができないまま卒業してしまい今にいたっております。今は両親が暮らす実家にて引きこもり同然の生活をしています。
両親からは「就職活動の様子はどうだ」、「仕事を選んで悩んでばかりいても仕方ないから面接に行ってみたらどうだ」と活動を促す言葉をかけられています。

私としてもこのままの生活ではいられないことを承知してるつもりですし、働いて自立したいという気持ちもあります。

しかし、どうしても働くこと、それ以前に面接に挑むことにも抵抗感を感じてしまいます。
それは学生の間に行ってきた就職活動で自信を失ってしまったことと働くということに対する負のイメージが強すぎることの二つのことが原因だと考えられます。

一つ目のことですが、学生時代自分がこれをしたいということもなく周りがやっているから、日本は新卒であることが貴重であるという理由からなんとなく就職活動をしてきました。
もちろんそんな気持ちで受かるわけがありませんでした。

二つ目のことは正社員として働くことになると生活の半分以上の時間を働くことに割くことになります。それだけの時間を自分以外の誰かの命令に従って責任を持って動かないといけないと考えると恐ろしくて血の気が引いてしまいます。

自分がこれをしたいということに対してなら没頭できる人間だと自負しているのでそういうことを仕事にできるのならむしろ生活が充実するだろうと思い求人探しと自分はどういう人間なのかを考えることに意識を向けているのですが、自分探しに終わりをつけられず、求人票も悪そうな点ばかりに目を向けてしまい応募せずにいる状態にあります。

長い間このことに時間を割いているうちに「自分探しという名の現実逃避」をしているだけなのではないか?とも思うようになりました。

今の引きこもり生活は不自由ではありますがネットの娯楽があるのであまり退屈ではなく気楽で不満の少ない生活なので手放したくない気持ちがあるからこのままでいたくて応募せずにいるのではないかとも感じられます。

この今のままでいたい気持ちと行動して変化をつけたい気持ちに板挟みの状態、私はどうすればいいのでしょうか?
アドバイスをいただきたいです。よろしくお願いします。

カウンセラー
大塚亘
S.N.さん、はじめまして。

今回担当させていただきます、大塚亘と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

私がまずお伝えしたいのは、

働かないことは悪いことではない

ということです。S.N.さんが働いていない自分をダメだと思っていない、
ご自身を責めていないのならそれで良いのですが、文面から推測させて
いただくと、S.N.さんは、今の状態をダメな状態だと思って
いらっしゃるようです。

S.N.さんと同じように、自分のやりたいことを見つけるために、しばらく
働かないという方は、たくさんいらっしゃいます。とりあえず生活して
いける環境なのであれば、その環境を活かして、じっくりと今後の方向性を
考えてもいいと私は思いますよ。

さて、話しは変わりますが、我々人間は、過去に傷ついた経験をしていたり、
失敗したり、辛い思いをしてしまったときに、その傷がそのまま心に残り、
いわゆるトラウマとなってしまうことがあります。

そして、過去の経験であるにもかかわらず、それが今の感じ方に影響して、
性格や行動に影響を与えてしまうことがあります。

たとえば、父親がものすごく怖く、言葉の暴力があったり、実際に手が出て
しまったりしたとしたら、その父親の子供である女性が、男の人はみな怖いと
思ってしまうというような感じです。

程度の差こそあれ、実は我々人間は全員といっていいほど、何らかの
トラウマを持っているものです。しかも、その過去の嫌な経験は、自らが
望んだものではないわけですから、トラウマがあることが悪いとは
思わないでくださいね。

例えば、私大塚も、今でもトラウマがあります。私の場合は、父親が精神病で
あったため父親が怖かったこと、そして、その影響を受けて私自身も精神的な
病気になってしまい、自分自身をダメで迷惑な存在だと思ってきてしまいました。

私の病気は20年以上前に治りましたが、病気が治っても、自分が迷惑な存在で
あると思い込んでいたことに変わりはないため、私は、他人に迷惑を
掛けないように、何でも自分でやるという人間になりました。

何でも自分でやる、というと、良いことのように聞こえるかもしれませんが、
自分が迷惑な存在だと思っていると、無意識に他人に自分の希望や考えている
ことが言えなくなり、何を考えているのかわからない人間だという印象を
持たれてしまったこともあります。

私の妻は、私とは正反対で、素直に自分を表現できる人なので、例えば、
洋服を買う時に、店員さんに声をかけて相談に乗ってもらったりすること、
つまり他人を頼ることがとても得意です。しかし、私は、自分が客なのに、
トラウマが原因で、店員さんに迷惑をかけてしまうような気がするため、
声をかけるのが今でも苦手なのです。

このように、誰しもトラウマを持っていること、そして、それは自らが
望んだわけではないから悪くないということを前提に、S.N.さんの心理に
ついて、私が感じたことを述べたく思います。

S.N.さんが書いて下さった文章の中で、私が一番気になったところは、
次のところです。

>二つ目のことは正社員として働くことになると生活の半分以上の時間を
>働くことに割くことになります。それだけの時間を自分以外の誰かの
>命令に従って責任を持って動かないといけないと考えると恐ろしくて
>血の気が引いてしまいます。

働くことが、「恐ろしくて血の気が引いてしまう」のなら、働きたくない
のは当然ですよね。S.N.さんは原因として2つ挙げられていますが、
働くことに対する大きな恐怖心というのが、根本の原因である気がします。

まず、働くことがそれだけ怖いのなら、当面働かないのはS.N.さんに
とっては正解の選択肢だと思いますよ。冒頭に述べた通り、働かないことは
悪いことではないと私は思いますし、仮に無理して働き始めたとしても、
もしかしたら長続きせずに辞めてしまい、さらなる自己否定を生んで
しまうかもしれません。

それでも、

>働いて自立したいという気持ちもあります。

と書いて下さっているので、その方向性で書きたく思いますが、私の
提案は、頑張って働きましょう、ではなく、

その働くことに対する恐怖心を少しでも減らしてみませんか

ということになります。それだけの恐怖心をお持ちである今は、
働きたくなくて当然です。

なぜそれほどの恐怖心を持たれているかはご記載がありませんが、

>それだけの時間を自分以外の誰かの命令に従って責任を持って
>動かないといけないと考えると恐ろしくて血の気が引いてしまいます。

こう書かれていますので、一般論でいえば、命令、というか上の立場の
人からの圧力で自分の思い通りにならなかったとか、責任を果たせずに
失敗した経験があるなどが考えられます。

自分の思い通りにならなかったなど、何らかのトラウマをお持ちであれば、
その時に溜めてしまったストレスをカウンセリングを使うなどで今からでも
吐き出せば、心が楽になっていくと思います。

嫌な気分で無理に就職活動するのではなく、自然と就職活動できるような
状態に近づいていくという方向性が良いのではないかと思います。

>自分がこれをしたいということに対してなら没頭できる人間だと
>自負しているので

と書いて下さっています。S.N.さんは謙虚な方だと思いますから、これは
本当にそうなのだと思います。ということは、いずれ働いてもよいという
状態が来た時に、仕事に関しても、自分の好きなことを仕事にして
没頭できる可能性が十分にあるということです。

仕事でなくても、何かに没頭できるということは、ご自身の好きなものが
分かっていて、ご自身の個性を自分で認めていらっしゃるということです。
そんなことみな同じなのではないかと思われるかもしれませんが、
世の中には、自分の好きなものがない、分からない、という方も
たくさんいらっしゃるのです。

むしろ今は、働かなくてもいいと思いますよ。ネットの娯楽など、
ご自身の好きなことを楽しみながら過去のトラウマを少しずつ
減らしていけば、いずれ、その好きなことをヒントに自分のしたい
仕事がみつかるかもしれませんね。

よろしければ、カウンセリングも使ってみてくださいね。

読んでくださり、ありがとうございました。

大塚亘

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 亘

恋愛や夫婦関係などパートナーシップの問題、親子などの家族関係、自己価値や自信など個人の性格の問題を得意とする。 「答えはクライアントさんが持っている」という信念のもとに、問題の先にあるクライアントの価値やビジョンを見続け、クライアントが無理なく実践できる提案を行っている。