トラウマvs新しい恋~葛藤から抜けるための着想のコツ~

目の前にあるチャンスと可能性を手にしたい自分に改めて注目してみましょう。

再びチャレンジのチャンスが訪れた時ほど、過去の失敗や未完了なところが頭をもたげてくるのは恋愛や男女関係に限った話ではないかもしれませんね。

恋した時の高揚感は、情熱や希望、喜びとともに自分をコントロールしていた制限のすべてを押し流してしまうほどのエネルギーで、私たちを未知の感覚の世界へと誘ってくれます。

一方、怖れは私たちが前に進むことを躊躇させてしまいます。

今回は、葛藤を乗り越える時のヒントとして、取り組むべき手順をお届けします。
今抱えている苦しみをこれからの課題に置き換えて、新しい今を踏み出せますように、着想のちょっとしたコツを掴んでみてくださいね。

◎リクエストを頂きました◎
=====================================
過去に付き合った女性とのことがキッカケで女性恐怖症になりました。ふったのは自分なのですが、その別れ方も酷くてブッチという形で別れました。
最初は、彼女を助けたい、なんとかしてあげたいと思ったのですが、なんだか今になると踏みにじられたような馬鹿にされたような悔しい気持ちでいっぱいです。
恥ずかしい話なのですが、体目的だったところもあり、いつか捨てられるだろうと思う部分もあったはずなのに、付き合っているうちに好きになったのか、今ではもう、いろんな思いがぐちゃぐちゃになってわかりません。幸せだった時期もあったのではないかと思います。
急にこのような質問をしたくなったのは、自分に親しくしてくれる女性が現れたからです。お近づきになりたいのですが、また傷ついてしまうのではないか、傷つけてしまうのではないか、女性を愛する資格なんかないんじゃないだろうかと、どうしようもない気持ちになります。いったいどうすればいいのでしょうか。
(一部編集させていただきました)
=====================================

リクエストをありがとうございます。
今回、担当させていただく熊谷佐知恵です。どうぞ、よろしくお願いします。

関係が急接近。勢い良く盛り上がり深い関係になった後で、お互いのニーズや不満が爆発してしまい、離れざるを得なくなったような恋愛だったのでしょうか。

「あれは一体なんだったんだろう?」と気持ちの整理がつかないままでいるのは、とってもお辛かったでしょうね。

過去に上手くいかなかったテーマに、再びチャレンジしていこうとしたときに、未完了な思いが頭をもたげてくるようなことは、恋愛に限ったことではないのかもしれません。

今回は、葛藤から抜けるための手順についてお話したいと思います。

●どうしたいか、まず目標やゴールを決める!

人が「どうしたらいいか?」と悩み続けるときって、実は自信がなくて正しい答えを探そうとしているときだったりします。

自信がないときというのは、往々にして、いまだかつてやってみたことがないことにチャレンジしようとしている時だったり、自分の可能性を信じられない状態のことなんですね。

では、なんで自分を信じてあげられなくなってしまっているのかというと、今回のリクエストのように意識を向けている矛先が自分をジャッジメントしている状態になっていることが多いのではないかと思います。

過去にしてしまったことは変えられないけど、過去に対する見方、感じ方は変えていけますし、今とこれからは変えていくことが可能ですから、まずは、今、自分はどうしたいのかの部分を大切に据えるのがポイントです。

「お近づきになりたい女性が現れた」素晴らしいことですよね。

以前、何らかの失敗があり自信を失っていたとしても、やってみたいと思っていたことが向こうから近づいて来るわけですから、本当は心躍るようなチャンスを前にしているんです。

なのに、着想が、「いや待てよ、はたして自分にはその資格があるのだろうか?」ということは、つまり、その資格はないと自分を否定しているわけです。

過去の経験を参照し、許されないような気持ちになっているしまっている部分、これがジレンマを作ります。

そこには未完了な課題があるだけで、上手くいくためのヒントは見つかりにくいからです。

ですから、今、目の前にある、チャンスと可能性を手にしたい自分がいることに改めて注目してみましょう。

「よし!今度は前よりも、もっといい関係を築けるように、丁寧に関係を進めるぞ!」とか「今度は独りよがりにやらないで、相手に確認しながら相談しながらやってみよう」とか、目標やゴールに焦点をしっかり置けるといいのです。

これが、葛藤やジレンマを抜けるための方向性であり出口になります。

なんでもそうですが、自分が成長していける方を選んでみてくださいね。

●それをするための充分な動機を持つ

次に大切なのは、自分が決めた目標やゴールに向けて必要な理由をたくさんもつことです。

「彼女を幸せにしたいから」「自分が幸せになりたいから」「自分たちが仲よくいることで、周りにいい影響を与えていきたいから」「これを実現することで自信をつけたいから」「自分が成功すること(幸せになることで)○○を安心させてあげたいから」などなど、やらない理由がなくなるくらい、自分なりの理由をたくさんたくさん見つけてみてください。

そうする!と決めてから、そうする理由をたくさん見つけておくことが、あなたのやる気を育て、あなたの情熱を燃やし続けるための燃料になりますからね。

●前の経験(恋愛)を振り返り自分の傾向を整理する

自分なりの目標ややる気が充分整ってから、過去をもう一度整理して、自分の癖やパターンや課題を発見していくといいでしょう。

実は、この順番が大切なのです!!

自分がどこに向かっていくのかを決めないうちに上手くいかなかった過去をほじくれば、そりゃ誰だって自信なんか感じられないでしょう。

ですから、この順番で見ていくことが、本当に、本当に大切なんです。

過去の経験の中から学ぶとは?

上手くいかなかったことはそのままにせず、見直すこと。
良かれと思ってやったことがなぜ相手にとってはそうではなかったのか?

ズレていたなら、そのズレに気づいておいて、これから経験していく中で軌道修正することは可能なのだと思うんです。

無責任に相手を振り回したり振り回されたりとならないようにするには、自分にはどんなニーズや期待があるのか、気づいて認めておくことも大切です。

●誰かに聞いてもらうという体験が必要なわけ

自分でもどうしたらいいのかわからないのにどうしたらいいかわからないままになっていたとしたら、それはきっと、とてもとても苦しいことだと思います。

思いというものには形がないですから、頭で考えていても、なかなかつかみどころが見つけにくいことは誰にでもあるのではないかと思います。

誰かに聞いてもらう、誰かに聞いてもらうつもりで書いてみること。

そうすることで自分の思いに客観性がでてきて、自分はこんなことを考えていたんだな、こんなことを感じていたんだなということがより明確になってくるのではないかと思います。

上手くいかなかったことを誰かに打ち明けるのは、恥ずかしかったり、勇気がいることかもしれませんが、そこは、心の専門家である私たちカウンセラーを頼ってみてくださいね。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、夫婦関係、職場の人間関係、転職・キャリアほか、自己実現など幅広いジャンルに対応する。 わかりやすいレクチャーをモットーに、感覚やインスピレーションを活用するハートフルなセラピーとの両面で癒しのプロセスを後押しするのが強み。自分のペースで気づき、変化、成長できると好評である。