ロマンスの魔法

こんにちは。
社長の平です。

恋愛初期のロマンスの時代は、「あばたもえくぼ」ということわざのとおり、パートナーのどんな部分も素晴らしく見えるものです。

たとえば、あなたのお友だちに新しい彼ができて、「すごく男らしくて、素敵で、頼れる人なの」とさんざんおノロケを聞かされ、そして、ようやくご本人に会って紹介してもらったとき、あなたが見たものは、かなり武骨でゴリラ顔の男性だった‥‥などということはないでしょうか?

一方、男性も、客観的に見れば、かなりわがままで気の強い女性のことが、恋をしているときは、とても情熱的で素晴らしい女性に見えたりするものです。もしくは、ドジで、間抜けで、なにをさせても要領が悪い娘が、そのときはかわいく見えて、「僕が守ってあげなきゃ?」などと思ったりするものです。

それは、みなさんが人生でよく経験する、恋の魔法とよばれるものなのですが、問題は、しばらくすると、この魔法が解けてくることです。

すると、男らしいと思っていた彼が、ただの気のきかないゴリラ男に見えたり、高倉健さんのように渋くてかっこいいと思っていた彼が、ただのしゃれっ気のない無口なだけの男だと判明したり‥‥。

また、ぼくとつとした自然派の彼だと思っていたのが、じつは世間知らず、礼儀知らずの田舎者だと思えてしまったり‥‥。
このようなことは、みなさんの恋愛においても、多々、起こることなのです。

そして、みなさんは経験的に、この恋の魔法は、6カ月から、長くても2~3年で切れてしまうということを知っています。その結果、「所詮、恋なんて‥‥」とか「恋が楽しいのは、はじめのころだけだからね‥‥」などとおっしゃるわけです。

しかし、もし、この魔法が、一生、消えなかったとしたら、赤の他人からどう言われようが、あなたはとても幸せな人生が送れるとは思いませんか?
きょう、みなさんにお伝えしたいのはまさにこのことなのです。

恋愛というものの不思議なところは、親が子に抱く思いと似ているのですが、ほかの人ならまったく価値を見出さないようなところを見て、「素敵だ」とか「かわいい」とか思えることです。

論理的に考えれば、彼や彼女の行動は、ほめられることばかりじゃないかもしれないのですが、心や感情がそれを「素敵」と感じてしまったら、それはもう魅力になってしまうのですね。

たとえば、「盗んだバイクで走り出す」とか、「校舎の窓をたたき割る」などということは、犯罪行為ですが、ところが、それをニヒルな男がやっちゃったりすると、「なんて、かっこいいの!」と感じることもあるわけです。

つまり、あなたの彼についても、それがどんな部分であれ、批判する代わりに、「それが彼の素敵なところなの」と言うことができたなら、あなたはあなた自身に恋の魔法をかけることができるようなのです。

さえない顔で髪もぼさぼさの寝起きの彼は、客観的に見て、イケていないはずなのですが、恋するレディには、そんな彼も「そこが素敵なの!」と思えるかもしれません。そうしたら、もう一度、彼に恋をすることができるのです。

二日酔いの酒の抜けていない彼が、痛い頭を抱えて、渋々、会社に行こうとする姿を見て、「そこが、素敵なのよ」とあなたが思えたなら、そんな状況でも、自分の価値を見てくれるあなたのことを、彼は好きになってくれると思いませんか?

「なにを無茶な!」と思った女性のみなさん、では逆に、想像してみてくださいね。
お掃除の下手なあなたの部屋に、彼が急に遊びにきたとします。あなたはうろたえながら、「ごめんなさい、お掃除してなくて‥‥」 とあやまります。

すると、それをさえぎるように、「掃除ぐらい、どうでもいい。おまえはかわいいからな」などと彼が言ってくれたとしたら、そんな彼のことを好きになってしまわないでしょうか?

これは、恋愛だけではなく、いろいろなことに応用できます。
昔、中学1年生のお子さんが、毎日のように、登校するとき、財布や定期やいろいろなものを忘れてしまうので、「なんとかこれを直せないでしょうか?」というご相談をいただいたことがあります。

そのとき、私はこんなワザを伝授しました。
「どうせ、忘れてしまうなら、“また財布を忘れたの、バカじゃないの?”などと責める代わりに、“財布を忘れたの? でも、そこがおまえのかわいいところなんだよ”と言ってあげるといいですよ」、と。

さっそく実践したら、お子さんの忘れ物癖は2週間ほどで治ったのだそうです。
バカな方法だと思われずに、みなさんも、一度、試してみてくださいね。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。