「面倒臭い」のは「自分に厳しすぎるから」~あなたは完璧主義かもしれない~

何をするにも「面倒臭い」と思って、なかなか行動にうつせないという悩みがある時。
そのことについて、自分では自分のことを「怠けている」とか、「努力ができない」と評価してしまう場合がありますが、実は、逆に「完璧主義」なために、取り組めないというケースがあります。

ここには、完璧にやらなければならないと無意識に「自分に厳しく」「自分を追い込んでしまう」ために、1%でもできていなところがあると耐えられない。それなら、最初からやらないほうがまし、という心理が働いています。
また、やり始めたら、とことんやってしまうため、その辛さが経験上わかるので、無意識にきちんとやろうと思えないこともあります。

今回は、「面倒臭い」と思って行動にうつせないことが、「自分に厳しすぎる」という気づきから、変えてアプローチについてお話します。

◎リクエストを頂きました◎
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何をするにも「面倒臭い」と思ってしまい、なかなか行動に移せません。掃除や料理等は得意ではないので分かる気はするのですが、自分がやりたいと思って計画を立てた事でも、後で「面倒臭い」と思ってやめてしまう事がよくあります(人との約束はきちんと守ります)。

結局、やりたくない家事であっても、前に自分が「やろう」と決めた事がきちんと出来なかった時、「どうしてあの時きちんとしなかったんだろう」とイライラしたり落ち込んだりします。
よく雑誌などに、自分に「ご褒美」や、自分を「追い詰める」と「やる気」が出ると書いてありますが、私にはどちらを自分に与えても逆にストレスになり、効果がありません。

「面倒臭い」と思って何もしないでいると、睡眠不足でも疲れている訳でもないのに尋常じゃないほど眠ってしまいます。これも関連しているのでしょうか?
この「面倒臭い」という気持ちをなくす良い方法はないのでしょうか?
(一部リクエストを編集させていただきました。)
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完璧主義の人の部屋は、「きれいに部屋が片付けられている」もしくは、「散らかって何も片付けられていない」のどちらかである、という話を聞いた事がありますか?

完璧主義の人は100点満点を取らないといけないような意識なので、99点では0点と同じだと感じてしまい、100点でないなら意味がない、ということになり、部屋もきちんと片付けられないのなら、何も片付ける気持ちになれない、ということがあるのです。

「面倒臭い」と行動に移せない方の中には、この完璧主義のタイプの人がいます。

部屋の片付けと同じように、何事もきちんとやらなければならないと感じているのですが、少しでもできないところがあると耐えられません。
そのことがわかるので、最初から行動することをやめてしまう場合があるのです。

また、やり始めたら、とことんやってしまうため、疲労困憊してしまうので、その辛さが経験上わかるので、無意識にきちんとやろうと思えないこともあります。

完璧主義の方は「自分にとても厳しい」ことが多いので、周りからの評価はとても高いのに、自分だけが、自分にダメだししているケースが多いのです。
自分がダメだと思っている人は、自分のことを完璧主義だとは思いにくいですよね。

また、こうした感覚は、幼い頃から、しっかりしなければ、という環境の中で形成された場合がありますので、「自分に厳しいのは当たり前」という意思が気づきにくさを作ります。

この状態というのは、自分にいつもダメだしや追い込みをかけているので、とても疲れますし、休む事を自分に許せません。

この場合、自分のやる気を出すために「ご褒美」や「自分を追い詰める」やり方をしても、うまくはいきません。
なぜなら、すでに追い込んで心に余裕がない状態だのため、これ以上、心を追い込んでも、苦しいばかりで、むしろ逆効果になってしまうのです。

この心を変えていく第一歩は、自分が完璧主義であることに気がつくことです。

「自分はダメだ。怠けている。」と責めているわけですから、逆に、「自分に厳しすぎるのかもしれない」と思うだけで、自分を責める気持ちが減って、心が軽くなれます。

ただ、心のくせのようになっているので、積み重ねが大切です。
いつも「自分に厳しすぎるのかもしれない」という視点で、普段の行動や考えについて、見ていこう、と思ってみてください。

また、「意志が弱い、怠けている」ことと「自分に厳しいこと」の違いがわからないと感じる方も多いです。

そこで、自分が実際に自分に厳しいタイプなのかどうかを、親しい人に聞いてみましょう。
私たちは、自分のことは自分が一番知らない、と言われます。
周りの人のほうが、自分のことをよく知っていてくれることも多いのですね。
その評価を信頼してみましょう。
自分が信頼できる人に聞いてみるのがポイントです。是非、お試しください。

次に「休むこと」「ゆるむこと」「弱音を吐くこと」にチャレンジしてみよう、と思ってみてください。

「常に自分を追い込んでいる」ことが無意識の苦しみになっているとしたら、逆に、休む時間やゆるめる時間を作ることが大切になってきます。
1日に1回、無理なら、一週間に1回は、近所のスーパー銭湯に行くなどして、何も考えないでぼーっとする時間を作ってみてください。

大切なポイントは、「自分に厳しい」と自覚し、意識的に「心をゆるませよう」と思いながらやることです。
無意識に自分を追い込んでいる場合は、そうでないと、寝ている間も「頭はフル回転」で休む事ができません。

リクエストの中で「尋常じゃないほど眠ってしまう」とありますが、これは、こうした「自分を常に追い込んでいる」ために、自分を責める気持ちを感じたくなくて、「眠っている」ことでその感情を回避しようとしている可能性もあります。こうした場合は、いくら眠っても、眠りが浅い感じや、十分休まった感じがしないはずです。寝ている時も自分を追い込んで、休んだり、ゆるんだりできないのです。

また、「弱音を吐くこと」もとても大切です。

こうしたタイプの方は、弱音が全く吐けないとか、愚痴は言えても本当に言いたい事が言えてない、ということが多いです。

信頼できる友人等に「弱音を吐こう」と思いながら話を聞いてもらったり、よかったら、カウンセラーなどを使ってみてください。

「自分に厳しい」方は、「責任感・正義感が強い」「情熱的」「誰かを助けたい」といった才能や魅力をお持ちの方が多いです。

けれど、それ故に、自分を厳しく追い込んできてしまったのです。
心に余裕がないほど、今までがんばってこられたのです。

まずは、自分を責めたり、厳しくしすぎず、今までよくやってきたと、自分を認めてあげてください。
心全体がゆるむことができた時、心に余裕ができて、こうした才能や魅力を発揮することができるのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。