ひとに無関心に見えちゃうわたし…

うまくいかない状況なとき、ほかの何よりも、うまくやれない自分はダメだなと感じたことはありませんか。
そうすると、悩みに自分を責める気持ちがくわわって、ほんとうに苦しくなりますよね。
そんなときカウンセリングでは、捉え方を変えるために”もしこの経験を、誰かを理解し許すため使えるなら?”という視点をもつことをオススメする場合があります。
自分で自分を許すって、なかなか難しいもの。
だからあんがい、視点を変えることが役に立ちます。
わたしたちの心は、自分を許していないときには、同じ要素をもった誰かを許すことができないのですね。
逆に、あなたが責めている誰かを理解して許すことは、自分自身を一緒に許すことにつながります。
自分を許せると、感情的には格段に楽になるんです。
状況に対しても冷静さを取り戻せるので、意外な気づきがあったり、取り組めることが増えたり、いい影響があることが多いんですね。
例えば、わたしの体験なのですが。
母校でプロカウンセラーになるための指導を受けたとき、先生からこんな指摘されたことがありました。
「キミね、基本的に無表情でしょ。なにを考えているかわからないって云われるでしょ」
「…はあ」
「その無表情はね、ひとに無関心に見えちゃうの。カウンセラーとしては大きなデメリットだからね」
この言葉、わたしには心当たりがありました。
わたしは不器用なので、一度にひとつのことしかできません。
何かに気をとられたり、緊張したり、どうしたらいいか考えていると、しぜんと顔が固まって無表情になります。
そうするととくに、わたしをよくご存じない方からみると、冷たくて近づきがたい感じを与えるらしいのです。
自分の課題を知るって大切だからね、という先生の声は愛のある温かいものでしたが、わたしは正直がーんとなりました。
だって、皆さんの癒しの役に立ちたいからカウンセラーをめざしているわけです。
カウンセラーという仕事への情熱はめっちゃあるんですよ!
なのに、ひとに無関心に見えちゃうなんて…。(-_-;)
落ち込みかけたものの、いつかのセミナーで、自分を責めるよりも捉え方を変えてなさいと教わったことを思い出しました。
わたしは、自分に尋ねてみました。
“もしこの経験を、誰かを理解し許すため使えるなら?”って。
答えは、すとんと見つかりました。
うちの父です。
うちの父は、無口で感情表現に乏しいタイプで、何を考えているのかよくわからないひとです。
基本的に仕事ばかりで家にいなかったし、大学生で実家をでてからは、年齢とともに接点が少なくなっていました。
仲は悪くないですが、遊んでもらった記憶もないし、話をする機会も少ないし、父娘間で距離があったんですね。
だからなんとなく、父は子供に関心がないんだと感じている部分がありました。
本音をいうと、父親としての愛情をあんまり与えてくれなかったって、ちょっと怒っていたのです。
でもですね、数年前に甥っ子が生まれまして。
ちょうど定年して家にいる時間が長くなった父が、なんとあっさり「イクジイ」になったのです。
相変わらず黙ってニコリともせず、でも車や電車のおもちゃを上手に動かして、甥っ子を飽きさせることなく遊ぶんですね。
わたしたち姉妹にとっては、ぽかーんとする光景です。
父は、子供と遊べるひとだったのか!!
そもそも、子供に興味があったんだ…
なんにも云わないから、知らなかったじゃないか。
わたしの父ですから、わたし以上の不器用です。
仕事が忙しくて大変な中では、余裕がなくて、子供たちに自分の想いをうまく伝えられなかったのかなと思います。
でも、伝えられないからといって、愛情や関心がないことではないんだって、今のわたしはよく分かります。
カウンセラーという仕事への情熱を、ひとにいまいち表現できないわたしも同じですから。
それにそもそも、あれだけ忙しく働いていたのは、まちがいなく家族のためだったと思います。
分かりにくいやり方ですが、それが、父の愛情の表現方法だったのでしょうね。
そこまで考えたら、気持ちがスッキリしてきたんですね。
たしかに愛情はあったんだから、分かりやすい愛情表現ができなかった父を許してあげよう。
たしかに情熱はあるんだから、ひとに無関心に見えちゃう自分を許してあげよう。
だからこそわたしは、自分の想いを表現できないもどかしい気持ちを理解してあげられる。
それに、文章を書くことなら苦にならないし。
コラムを書いて、みなさんに想いを伝えていく術もあるわけです。
どんなやり方でも伝えていけば、絶対届くだろうと思ったんですね。
いかがでしょうか。
捉え方を変えるって、結構使えると思いませんか。(笑)
捉え方がかわると新しい気づきを得て、楽にこの状況を乗り越えていくことが出来るかもしれません。
よかったら、試してみてくださいね。
みなさんの参考になれば、幸いです。
(*’ω’*)
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