震災から6年…力強くいきる魂①

東日本大震災とよばれるようになった未曽有の大災害から
丸6年をむかえようとしています。
震災の後、今なお長期にわたり起こっている二つの話題について
「力強くいきる魂」と題してお送りします。
~ターゲットとなった子どもたちの、いきる力~
震災後ほどなくして福島では原発から放射能漏れがおこり、
その周辺はひろい範囲で今も立ち入り禁止となっています。
立ち退きを余儀なくされ、親戚や知り合いを頼って
別の地域に転居した家族も全国にたくさんいます。
なかでも、子どもたちは友達同士が離ればなれになってしまったのです。
新たな地域で暮らしている子どもたちですが、
残念なことに全国各地で「福島いじめ」という現状がおこっているのです。
どういうことかというと、福島から転居してきた子どもたちをターゲットにして
「福島へ帰れ!きたない!汚染される!」などという言葉を浴びせられるようなのです。
こんな現状が全国各地で、しかも同じようなことが子どもたちの間で…
それにしてもなぜ、福島の子がターゲットになってしまうのか。
そこにはさまざまな要素が絡み合っているように感じられます。
その要素とは、ニュースなどで取りだたされている
原発そのものに対する報道や原発被災者への支援に関する情報です。
大人が目にする情報は子どもたちにも入ってきます。
そして、子どもたちは大人の受け止め方をマネすることがあります。
そもそも、震災直後から現在に至るまで一貫して
「不安や恐れ」という人間の心理があります。
程度の差はあれど、日本中の人々がこの不安や恐れを抱いてきたともいえます。
例えば、震災直後であれば、被災地から遠く離れた場所で「買占め」が起こったり、
原発に関するニュースが流れると野菜や米の売れ行きが伸び悩んだり・・・
こんな現象が日本各地で起こったわけです。
この現象を引き起こす心理が人のもつ不安や恐れといわれるものなのですね。
そして、人はわからないものに対して不安や恐れを抱きやすいものです。
さて、そんな不安や恐れは福島から転居してきた家族や
その子どもたちにも向けられることがあります。
「原発ってこわいものだ。そんなこわい所にいた人たちがやってくる!」
という恐怖がいじめという形で表れてしまいます。
子どもたちは時に残酷でストレートにものを言ってしまいます。
また、こんな情報も子どもたちはよく見ています。
「原発被災者には国から支援金が出ている。なんだか恵まれているようだ!」
という歪んだ認知がいじめにつながってしまいます。
自分たちは恵まれていないと思っている子どもたちは、この言葉を言ってしまいます。
そんな福島の子どもたちですが、実はいじめられてばかりではないようなのです。
福島から転居した子どもたちの周りには
いじめを制する正義の味方を担ってくれる勇敢な子もたくさんいます。
「帰りたくても帰れないんだから、そんなこと言わないの!」
そうなんです。
「帰りたくても帰れない」
・・・そんな悲しさ、くやしさ、憤り、理不尽さ・・・
福島の人が一番理解してもらいたい気持ちとは
本当は帰りたい、そんな故郷への思いなのかもしれません。
どうか、日本中の人々が福島の人のいきる魂を大切にしてあげられますように。
どうか、日本中の人々がもっていた不安や恐怖を、誰かを理解してあげる愛に変えられますように。
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