リハビリルームにて

昨年あたりから、立ち仕事をしていると妙に右足がしびれるようになってきました。
最初はトシのせいかな?使い痛みかな?
と、思っていましたが、一向に良くなるきざしは見えません。
少し長く立っていると、しびれてふくらはぎがあまりにも痛いので、ある日意を決して病院に行くことにしました。
とは言うものの、当初は何科で受診すれば良いのかもわかりませんでした。
いろいろ調べてみたところ、どうやら”整形外科”に行けば良いらしいと解ってきました。
ちょうど我が家の近くに良さそうな医院があったので、恐る恐る行ってみました。
ドアを開けた瞬間、待合室にはたくさんの方が順番待ちをされているのが目に入りました。
もう少し詳しく言うと、たくさんの”おじいちゃん、おばあちゃん”がいらっしゃいました。
中には若い人もいますが、その人たちはどうやらスポーツなどで身体を痛めたようでした。
医師の診察に加えて、皆さんリハビリに通ってらっしゃるんですよね。
私も初診のあとは、「週に3日ほどリハビリに通ってください。」と言われてしまいました。
しかも、「症状が良くなるまでには、少なくとも3ヶ月はかかります。
」とのこと。
これは少々ショックでしたね。
でも、仕方ありません。
何もせずに痛みを我慢しているよりも、きちんとこうして診察を受けてリハビリに励むことになったんですから。
まずは現状を受け入れてこそ、前向きになれるというものです。
それで週に3日、せっせとリハビリ治療に通うことになりました。
待ち時間が結構あるので、その間は読書タイムと決めていたのですが、しばらく通う内に、顔なじみの方が増えてきました。
気さくなおばあちゃまは、私にも気軽に声を掛けてくださいます。
「あなたはお若いのに、どこが悪いの?」(えっ、若い?そりゃまぁ、後期高齢者から見たら若いけど・・・。)
以前に、漫才で病院の待合室のことを話題にした話を聞いたことがあります。
いつも通っている、おじいちゃん、おばあちゃん。
顔なじみの人の姿が見えないと、皆さんが心配して
「あの人、どないしはったんやろ?どっか悪いのかしら?」
というネタです。
リハビリルームでは時として、この漫才そのまんまの会話がなされることがあるんですよね。
私はそれも面白くて、そんな時には、もう、本は閉じてお年寄りとの会話の輪に入ることに決めました。
私は高齢の母と同居していて、日頃から、いろんな会話をしています。
母は認知症ではありませんが、思いついたことはすぐに言わないと忘れるからか、話の途中でも突然別の話をすることがあります。
しかも主語抜きで・・・。
聞いているこちらは???です。
それで、「それは誰のこと?」とたずねると、その名前を言っている間に、
「え~っと、何を言おうとしてたんやったかな?」と、肝心の話を忘れるといった具合です。
「忘れるくらいの事やったら、大したことないわ。アハハ!」で終わりますが、高齢者と話するには、結構根気が要ります。
それが、このリハビリに通うようになってから、何とそのスキルが生きることになりました。
たまたま隣に座ったおばあちゃんが、私に話しかけられるので聞いていると、そのおばあちゃんと顔見知りのおばあちゃんも混ざって会話が展開されます。
他愛のない話が多いのですが、時には人生相談さながらのお話になることもあって、私はただただ傾聴させてもらっています。
常日頃から、”人の人生に平凡な人生なんてない”と思っていましたが、これほどの高齢の方たちの人生の一端を垣間見ることが出来るのは、ありがたいことですね。
私がカウンセラーだ、などということはもちろんナイショです。
おばあちゃん達のハツラツ振りに比べて、おじいちゃん達は何となく影が薄いです。
皆さん現役を引退して、もうかなりの歳月が過ぎているようですが、悠々自適とはいうものの、地域社会とのつながりにおいて、女性には勝てないのかもしれません。
頑張れ、おじいちゃん!
人生の先輩であるお年寄りが、腰が痛い足が痛い、手足がしびれる、というのは、骨が変形して神経が圧迫された痛みもあったんですね。
私は今回、自分が経験してみて、それがよ~く解りました。
人は誰でも老いていきます。
けれど、体は老いても心は気持ちの持ち方次第で老いることがありません。
「面白いな」
「楽しいな」
「嬉しいな」
そんな風に反応できる、柔軟な心を持ち続けたいものです。
私の状態は、当面の予定だった3ヶ月のリハビリを終えて先日レントゲンを撮ってみましたら、多少なりとも改善していました。
ありがたいことです。
もうしばらくリハビリルームには通うことになりますが、これも良い経験です。
これから先も、体の不具合はいろいろあることでしょう。
でも、それを嫌ったり疎ましく思うよりも、上手に付き合っていきたいと思っています。
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この記事を書いたカウンセラー

About Author

1957年生まれのシニア世代。 自身の豊富な人生経験を生かした、自分らしく生きていくためのサポートが好評を得る。 得意ジャンルは、対人関係・自己啓発・恋愛。 “何かを始めるのに遅すぎることはない”の言葉通り、いくつになっても新しい人生を切り開いていけることを、身をもって実践している。