●代車が僕に教えてくれたこと

先日、車を修理に出しました。
修理に数日かかるということで、代車を貸してくれることになりました。
その代車は、濃いグリーンのボディに、要所要所に上品なメッキのモールがあしらってあります。
内装は革のシートで、明るいベージュで統一されたインテリアで、いかにもイギリスのメーカーが作った車だなぁという印象でした。
この代車がやって来た時、僕のハートは高鳴りました。
初めてというのは、ドキドキとワクワクが入り混じりますよねぇ〜
胸を高鳴らせながらその車に乗り込み、エンジンをかけると、「!?」
「これはディーゼルエンジンか?」というほどの雑な振動と、遮音材を通して漏れてくるノイズ。
真剣に壊れているのかと思いました。

走り出そうとしてハンドルを切ると、「!?!?」
少しスピードを出すと「!?!?!?」
パワステも足回りもグニャグニャなんです。
。。
うちの車とはメーカーも車種も違うので当たり前といえば当たり前なのですが、その違いにすごく驚きました。
決してよい態度ではないと思いつつも、その車を運転しながら僕は助手席に乗る奥さんに、その車の悪口を言いまくっていました。
一言でいうと、気に入らなかったんですね。
期待に胸を高鳴らせた分だけ、落胆の気持ちが悪口となって出てきます。
そして、僕は気づいてつくづく思いました。
うちの車って、すごいいい車なんだって。
そして、それをめちゃくちゃ気に入ってるんだって。
うちの車は結構な車齢なので、今の車ほどに静粛性は高くありません。
内装のデザインも、機能的ではあるけれど質実剛健という感じです。
ハンドルもアクセルも重たくて、奥さんは時々不満を口にします。
燃費は悪いし、ガソリンは入れにくいし、部品はいちいち高いし…
だけど、他の車に乗ってみて、よ〜くわかりました。
切った分だけ曲がるステアリング、踏んだ分だけ利くブレーキ、そんな当たり前のことが全然当たり前でないこと。
調子伺いを兼ねていつも耳を済ませていたノイズも、決して不快な音ではなかったこと。(そういえば、それを聞くために、わざわざカーステレオのボリュームをオフにしてました)
「こんなにいい車に乗っていたなんて!」
僕にとってはそれは大きな驚きでした。
そして、うちの車が帰ってくるのを指折り数えて心待ちにしていました。
後で気づいたのですが、僕が代車に乗って本当に言いたかったのは、その車の悪口ではなく、うちの車がいい車で、それをとっても気に入っているということだったんです。
そういえば、今回の出来事以外でも、似たようなことをしていることに気づきました。
「これがいい」と言う代わりに「あれはダメ」と言ったり、「あれが欲しい」と言う代わりに「こんなものいらない」と言ったり…
まだまだ本当に言いたいことをうまく言えてないんだなぁということを知る出来事となりました。
ちなみに、「ナントカは3日で飽きるけどナントカは3日で慣れる」ではないですけど、その後その代車に何回か乗るうちに、ブルブルいいながら一生懸命走る車に愛着を持つようになり、「これはこれでいいっか♪」と、ゴキゲンで乗っていましたとさ。
最後になりましたが、車に興味のない方や車のことがよくわからない方、ゴメンナサイ。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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