◇『自分にとっての「当たり前」、相手にとっての「バカの壁」』

こんにちわ、成井です。
番組改編の時期はスペシャル番組が多いですよね?
私は結構「スペシャル!」とか「限定!」の言葉に弱いので、TV局の
企み通りにまんまと見てしまいます(^_^;)
先日(と言ってもかなり前なのですが)、「日本一受けたい授業SP」
というのをやっていて、ちょうど時間が空いていたので見ていました。
懐かしのノッポさんが工作の授業を本人自ら!しゃべりながら行ったり、
大臣の竹中さんが日本の経済について分かりやすく授業を行ったりして
いて、番組のタイトル通り「これは受けたいかも!?」と思える授業の
目白押しでした。
その中には、ベストセラーの「バカの壁」の著者の養老孟司さんの授業
もありました。
私、ブームに乗って「バカの壁」と「死の壁」を嬉しそうに買ったにも
関わらず、本を買った事に満足をしてまだ1Pも読んでいないという、
読者とは決して呼べないフトドキ者なのですが、そんな私にもよく分か
るように、簡単に「バカの壁」についてのレクチャーがありました。
そしてその内容に私は「おぉ〜!!!」ととても感銘を受けたのです。
どうしてか?というと、つい最近私にもそんな「バカの壁」があったか
らなんですよね。
「バカの壁」を成井的に簡単にまとめてしまうと、
『バカの壁とは、自分の中にある「こうであろう」という思い込みから
生まれる、相手との理解すれ違い』
の事のようです。
つまり、Aさんにとっての「当たり前」や「常識」と、Bさんにとって
「当たり前」は2人の共通ルールではなく違っていて当然にも関わらず
、「こうであろう」とお互いが自分の感覚のままにコミュニケーション
や自己表現した際には誤解が生じる。という事です。
確かに、相手と100%同じ感覚で話が通じるなんて事は難しくて納得で
すよね?
こういった「バカの壁」はカウンセリングの中でもよく出てきます。
「私は良かれと思ってしたんですけど・・・、相手に喜ばれなかったん
です。
」とか、
「相手には何度も私の気持ちを伝えているんですけど、あのバカは分か
ってくれないんです!」とか、
「あの人は何にも私のこと気遣ってくれないんです!」とか・・・。
自分では一生懸命頑張っているんだけれども、相手に伝わらないこと、
理解してもらえないこと、喧嘩して2人の距離に溝が出来てしまうこと
ってありますよね?
そして私達は多く、頑張った分だけ疲れてしまって、「あの人とは合わ
ないのかもしれない」とか「きっと相手は外見は人間だけれども、違う
星から来た異星人に違いない」とがっかりしてしまいます。
でもそういった方のお話を、私は第3者の立場として聞く機会がある訳
なのですが、私から見ると「あ〜。誤解があるな〜。もったいないな〜
。」と見えることがよくあります。
そして通訳さんのように、違う星の言葉を訳すのです(^_^)
2人の間に対立がある時、その2人の間にそびえて立っているのはまさ
しく「バカの壁」なんですよね。
誤解の回数が増えれば増えるほど、そのバカの壁の高さは高くなってい
き、もうどうにもこうにも超えられないように感じるのです。
ところで、最初のほうに「つい最近私にもそんな「バカの壁」があった
からなんですよね。」と書きましたが、そのお話を少しさせてください
ね。
この事は私自身にとっては大きな”気づき”だったので、もしこの話が
同じ様に誰かの気づきのヒントになれば嬉しいです。
結論を先に書くと、今回の私にとっての「誤解の素」は、「私の中であ
まりにも”当たり前”になっていたので、あえて周りの人に表現をして
こなかった」という事にあります。
その事で周りの人を振り回してしまいました。
バカの壁を私は自分の回りに高く積み上げてしまっていたので、相手と
の温度差が出来てしまったりとか、誤解を与えてしまったんですね。
何があったのか?というと、私には1年前にお別れした彼氏がいます。
その人とは私の20代のほぼ半分を一緒に過ごした人です。
当然、周りの友達達からも「いつ結婚するの?」と公認の仲でした。
でも、私もカウンセラーといえども人の子。
どうしても相手との間で許せない事があり(これも「バカの壁」といえ
るのかも知れません)、彼を受け入れられなくなってしまいました。
本当は彼が頑張っていたのも知っているし、大事にされているのも知っ
ているからこそ、私も彼を大事にして、幸せにしてあげたかったのです
が、でもその時の私は、彼と一緒に住んでいて毎日顔をあわせることが
ある分、限界だったんですね。
私は自分自身でどんどん「彼に優しく出来ない自分」を責めて、自分で
自分の居場所を奪ってしまったのです。
なので、彼に「別れて欲しい」とお願いをしたんです。
自分の中でこの答えを出すまで丸1年かけました。
・・・でも、私の周りの人は、まさか私が1年そんな事を考えていたな
んて知らないんですよね。
彼と別れた後、彼には新しい彼女が出来ました。
私は本当に嬉しかったんです。
自分は失敗してしまったけれど、やっぱり彼には幸せになってもらいた
かったですから。
・・・でも私の周りの人は、彼に対して怒りを持ってしまいました。
「別れてから何ヶ月も経ってないのに!ひどい!」と。
・・・彼は何も悪いことはしてないんですよね(^_^;)
むしろ「幸せになろう!」という事に関して前向きな彼を、私は尊敬し
ました。
周りの人から見れば、「順調に思えた2人が突然別れて、そして彼の方
にすぐに新しい彼女が出来た。」と見えたようです。
だから「そんな簡単に次の人と付き合うなんて、彼はひどい男だ!」と
見えてしまったようです。
私の代わりに、多くの人が私に対して彼への不満をぶつけたり、文句を
言って怒ってくれました。
でも本当は私の中ではずっとずっと「別れ」について考えていた時期が
あるんですよね。
だから、本当はその時はとてもすっきりした気持ちだったんです。
その私の心の変化の過程を、私は表現してきませんでした。
だから、誤解ができてしまったんです。
私に対して親身になってくれる人ほど、「新しい彼女と彼は合わないと
思う!」と言ってくれます。
きっと私が同じ立場なら、やはりそう言うでしょう。
それくらい私のことを応援してくれている気持ちは嬉しかったのですが、
でも新しい彼女とも私は友達なのですごく悲しくなったんです。
そして逆切れして彼に怒っていました。
「自分の好きな子さえ守ってあげれないなんて、最低!」と(^_^;)
・・・今だからこそ、ごめんなさいm(__)mです。
彼はネット上でBlogという日記を書いていました。
その中には個人名は出てこないもの、私とお付き合いしている時には、
私が「彼女」としてよく登場していたんですね。
そしてお付き合いしている当時は彼と共通の知り合いも多く、公認の仲
だったのでそのBlogを読む人の中で暗黙の了解のように「彼女=成井」
という図式が出来上がっていました。
そして彼とお別れしてしばらくしてから、また彼のBlogには「彼女」が
登場します。
それは私ではなく、「新しい彼女」なのですが、ただそのBlog を読む
人はその差が分からなくて当然ですよね?
だから別れた後も「○○君とうまくいってるみただね〜」と私に声がか
かる事がよくありました。
そして最近、その彼が彼女と結婚したんです。
「今度彼女と結婚することになりました。
」とBlog上で発表です。
だから、さぁ大変(^_^;)
お祝いの言葉が、私に沢山届きました。
それくらい、自分が応援されていたことはとっても嬉しく思います。
でも「・・・私、実はもう別れているんだよね」と正直に言うしかあり
ません。
そこで私はそのお祝いの言葉をくれた人達に「あ・・・。ごめん。知ら
なくて・・・」と言わせてしまうんですよね。
知らないのは、私が表現していないからなので当然なのに、でも本人達
は自分の事を責めます。
そうやって私は本当に多くの人を傷つけました。
そして、「結婚したのが私ではない」と知った人が、今度は私を心配し
て沢山連絡をくれます。
・・・いや〜。こう書くと私って本当に愛されてますよね(*^_^*)
私としては、自分が彼と別れるまでに1年かけているし、別れてから彼
が新しい彼女と結婚を選ぶまでにも1年弱の時間がかかっているので、
その問題はとても整理されていました。
彼女との結婚を決めた時に、彼から直接報告を貰ったんですよね。
すごく嬉しかったのを今でも覚えています。
だから、親身になって相談に乗ろう!と何とか私から気持ちを引き出そ
うとしてくれた人たちとの間に温度差が生まれました。

なので、あっけらかんとしている私を見て「私じゃ役に立たないのかな
?」とやはり相手を傷つけてしまうような事をしてしまいました。
私の中で時間をかけて出した「答え」。
でもそれを私が自分自身で表現しなかったとしたら、それは周りの人と
の間にそびえる「バカの壁」なんですよね。
私の中であまりにずっと考え続けていたことだったので、あえて表現し
なくてもいいくらいの「当たり前」になっていた部分があったんです。
しかし、それは私にとっての「当たり前」であって、他の人がどう感じ、
どう思うのか?はまた別の話なんですよね。
「当たり前」であればあるほど、ついついその事を忘れてしまいます。
今回の出来事は、私にとってとてもいい勉強になりました。
皆さんの中にもこの「バカの壁」はそびえたっていませんか?
私と一緒に壊して行きましょうね(^_^)v
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この記事を書いたカウンセラー

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恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。