●気持ちを吐き出すことの大切さ(いじめの体験を通して・・・)

・楽しくないのに、ピエロとなっていました。
それをネタにいつも皆に
馬鹿にされていました。
そうするしか人から笑いかけてはもらえませんでした。
・誰も来ない校舎裏のトイレの中に鍵をかけ、お弁当をいつもそこで
一人で食べていました。
お弁当箱を見るたびに、いじめにあっていることを、
母に言えないことが、とても苦しかった。
・どんな命令も、聞いていました。
私を必要としてくれるならば、例え悪いこと
だと思っていても、何度も出来るほどになっていました。
・「あの子」「気色悪い子」と呼ばれ続けていて、一度も名前を呼ばれることは
ありませんでした。
これらは私がいじめにあっていたときに、一番辛かった出来事です。
今考えても、本当に信じられない行動をずっと取り続けていたんだと思います。
現在カウンセラーとして、たくさんの方とお話する中で、
・昔いじめにあっていたんです。
・会社で社内いじめみたいなものがあって・・・。
というお話を本当によく聞きます。
だから、あらためてあの頃のことを考えることも多くなってきました。
いじめに関して、よく
「私のいじめって大したことないんですけど・・・。」
「私みたいではなく、もっとひどいことをされた人っていると思います。
その人
たちと比べたら、私の場合は随分マシかもしれませんが・・・。」
とおっしゃってくださる方も多いですが、
大したことのないいじめや、人よりマシないじめなんて私は存在しないと思って
います。
どんないじめであってもその人にとって、そのいじめは
「最大に苦しいこと」なんですよね。
こういうお話を私たちカウンセラーにしてくださる方は、私は本当に勇気があっ
て、すごい方だと思っちゃいます。
なぜなら、私は、私がいじめられていたことを、何十年も誰にも言えなかった子
だったからです。
「言ったら嫌われ者だったことを公表することになる。」
「そんなみっともないことを言ったら誰だってひく。」
「あの頃のみじめな生き方をしていたことを誰にも知られたくない!」
これらの気持ちが、とても強くあったんですよね。
長い長い間隠し続けました。
親にも兄弟にも好きな人にすら隠して来ました。
そして当時付き合ってた人に、
「のりちゃんは異性だけでなく同性にも人気があるし優しいね。」
と言われ、私は
「優しいんでなく、嫌われたくないからとりつくろってるだけなのにな・・・。」
と恥ずかしい思いでいっぱいでした。
そんな私がカウンセリングを受け、33歳になって、初めて人に自分で汚いと感じて
いる過去を話しました。
誰にも言えなかったこと。怖くて怖くて自分に向かい合う
と悲しい思い出しか出てこないという思い。こんなに泣いたことって今までになか
ったというほど、泣きながらカウンセラーに話をしたんです。
そしてその日のうちに彼にも話しました。
彼はそういう苦しさを乗り越えてきた私を尊敬すると言ってくれたことが、今でも
私の大きな支えになっています。
そしてその彼は、今は私の主人です。
長い間一人で抱えていたたくさんの重荷を、私は初めて降ろすことが出来たんですよ
ね。
私たちは悩みや苦しみを経験すると、それはひとつひとつその人の重い荷物になって
しまいます。
そしてそれを人に話すと迷惑に思われてしまうと感じますし、また、重
たければ重たいほど、相手に嫌われる怖さが出てきてしまいます。
そしてそれが大き
なストレスになり、胸に黒いもやもやとしてたまってしまいますよね。
けれども自分の今抱えてる苦しみや悲しみを、声に出して外に表現することは、ぱん
ぱんに張り詰めたこころにスペースを空ける作業にもなります。
感情の解放と私たち
は呼びますが、それが「余裕」となり、余裕が出来ると私たちのこころはどんどんと
軽くなり、楽になり、新しい気づきや発見が、そのスペースに入ります。
私がこのいじめの体験が苦しくて、その結果、人が怖くてたまらなかったときよく夢
を見ました。
いつもその夢の中で、私は体験したことと同じようにクラス全員に仲間
はずれにされていて、それが辛くて涙をぼろぼろ流し、「助けて。」という声と共に
目を覚ましたことが何度も何度もありました。
だけど不思議なことに、初めていじめの話を聞いてもらった数日後、またいじめの夢
を見ましたが、夢の中で私は彼女たちにこう言ったんです。
「私はもう何も怖くない。あなたたちのいじめなんかは怖くない。」って。
いじめられていたあの頃、実際には一度もこういうことは言えませんでしたが、夢で
も一度も言えなかったことなんですよね。
そしてそれ以来、私はいじめの夢を見ることも、泣きながら目を覚ますようなことも
一度もありません。私がひとりで抱えていたことを声にして話したことで、私の中に
溜まっていた「苦しみ。」「寂しさ。」などのごみが、一気になくなって、こころの
中から出ていったんだと私は思っています。
人に自分の苦しみを話すこと。
簡単なようで難しいことでもありますよね。私自身長い間抱えちゃいましたから。
怖いと思います。
私もとても怖かったです。
怖かったからなかなか言い出せませんで
した。けれどもあなたの何かが変わるかもしれません。
一人でも多くの方に「気持ちを吐き出すことの大切さ」を体験して欲しいと思ってい
ます。
小川 のりこ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

アルコール依存症の父からの虐待経験、学生時代のいじめから、恋愛依存、不倫や風俗を経て、自分を抑え付けるような結婚生活後、8年で離婚。その後自分に向き合い、今は穏やかに生きる。 過去のあらゆる経験をもとにして、恋愛関係、家族関係を得意とし、お客様と共に成長するスタイルを取る。