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黒崎公子さん(仮名)


「家族もばらばらで、私もすごく孤独を感じて、それを何とかしたいんです」と話す黒崎公子さん(28)。元々神戸メンタルサービスの電話カウンセリングでお話させていただいていました。今は東京で一人暮らしをする彼女ですが、今回は思い切って大阪まで足を運んでくださいました。

「電話でお話してる方と会うっていうのはちょっと緊張しますが、やっぱり安心ですね。いきなりお尋ねすることなんて、私にはきっとできなかったと思うんです。」

「小さい頃からお父さんは仕事が忙しくてほとんど帰って来なくて、今も都内に単身赴任しているんです。週末は必ず帰ってきますが、昔からずっと小言ばかり言うんですよ。テストでいい点を取っても『100点取れ』とか言うんですよ。成績表を見ても良くないところばっかり見て怒ったり、散々だったんです。だから、お父さんが帰ってくる週末はイヤでイヤでたまりませんでした。でも、そうかといってお父さんのことが嫌いかっていうと、不思議とそうじゃないんですよね。お父さんが東京へ行ってしまう月曜日の朝には泣いて抱きついてた記憶もあるんです。矛盾してますよね?」

(理加「いえいえ、お父さんのやってることは嫌いだったかもしれませんが、お父さんそのものは大好きだったんじゃないかな?それにお父さんのいない平日はすごく寂しかったのかもしれないですよね」)

「小学校の3年生くらいに神奈川県に引越ししてきたんですが、新興住宅地みたいなとこで、私たちはその最後の方に来たんです。引越しした頃には周りの家同士はもう仲良くなっているような感じでなかなか地域に溶け込めなかったんです。」

「お母さんは、人付き合いがうまくないというか、苦手にしていて、近所づきあいもせずに孤立していたみたいです。向かいの家の奥さんがちょっと変というか、私たちより先に引っ越してきてたんですが、近所の人から仲間はずれにされていて、その人とは仲良くなれたみたいなんですけど、それで余計他の人と孤立してしまったんじゃないかな。」

「それでお母さんはすごく寂しかったんだと思うんです。だから、子どもばかりにかまうようになって過干渉になってて、なんにしても口出ししてくるんです。学校のこと、成績のこと、友達のこと、なんでもかんでも。ヒステリックになるときもあって私も妹もよく泣いていました。私に彼氏ができると半狂乱になることがあって、隠して付き合うばっかりでしたね。すごく干渉してくるんです。前に電話で根本さんに言われたように、お母さんは私が家から出るのがすごく嫌なみたいです。今は仕事の関係もあって一人暮らしをしてるんですが、家を出るときも大変だったんです。」

「私は最初は良かったけど、高学年ぐらいからいじめにあいました。頑張っていい点を取ると『いい子ちゃん』とか言われてシカト(無視)されるんです。だから勉強するのもいやになってしまって。中学に入れば変わるってすごく思っていたんですが、実際は小学校とほとんど同じ同級生ばかりで、何も変わらないっていうか、全然楽しく無かったです。すごく暗い子でした。高校2年生くらいでいじめは収まったんですが、その後もなかなか友達が出来なくて、彼氏が出来てもうまくいかなくてギクシャクしてしまったり、いつも孤独なんです。今も会社に行くのがすごく辛くて。嫌な人がいるってわけじゃないんですが、時々仮病を使って休んでしまって、もう有給も使い切ってしまって。」

そこまで話してくれると、俯いてしまいました。ほっとしたような感じです。
彼女は話し口調もしっかりしているし、頭もいい人だなって感じました。見た目もかわいいので、男性からももてる方なんじゃないかなあって思ったのですが、
「うーん。でも、うまくいかないんですよね。確かに近づいてきてくれる人はいるし、私もそんな嫌いじゃなければお付き合いするんですが、うまく行かないですね(苦笑)」
「振った数と振られた数はおんなじくらいかな。どっちもあります。振られるときは、たいてい『つまらない』とか『面白くない』とか言われます。振った人にもそういわれたことあるんです。自信なくしちゃいますよ、ほんと」

確かに彼女を見ていると、すごく孤独な感じを受けます。ぽつんとしているような。
一人でものすごく頑張ってきたって感じです。
裕幸「家族のお話を聞いても、お父さんが不在だったり、お母さんが不安や孤独を強く感じていたりして、その分『家族を守らなきゃ』じゃないですが、家族を背負ってしまったような感じですね」と伝えると、

「確かにそうかもしれないです。小さいころから『私がしっかりしなきゃ』ってずっと思ってきたような気がします。もう今ではそんなこと思わないんですが。」

理加「それが当たり前になっちゃうこともあるんですよ。例えば小さい頃に共働きのご両親でずっと寂しい思いをすると、それが当たり前になって寂しさを感じない大人になってしまうことも多くあるんですよ」

両親が離婚したり、不在だったりすると、子どもたち、特に長男・長女は無意識的にその穴を埋めようとします。
公子さんの家では、お父さんが不在の間は、公子さんがお父さんの役割やお母さんの夫の役割を担い、一方では、お母さんも子どもたちの父親役を担いますので、家族全員が本来の「子」「母親」などの役割だけでなく、二役、三役を背負うことになります。
そうするとみんなどうなってしまうでしょう?

そうです。みんなが家族であることに疲れ、ばらばらになっていってしまいます。
多くの場合、その疲れは大人たちが先に感じ始めます。やらなきゃいけないこと、気を使うことが多いせいかもしれません。一生懸命やってはいるけど、徐々にその役目が果たせなくなっていって、場合によっては放棄してしまうことも少なくありません。
そうするとその負担は一気に子どもたちのところにやってきます。

公子さんにもそのお話をしました。
「ああ、うんうん。そうですね。ほんとそうです。お母さんからいろいろ相談されることも多かったんですよ。新しい洗濯機を買いたいけどいいか(笑)とか、町内会のこととか、わけがわからないことをいっぱい聞かれたんです。勝手にしてくれとか思ったけど、私はそれに一生懸命考えて答えてましたね。それをお母さんは鵜呑みにしたこともあります。そうかあ、それはお父さん役をしてたんですね。それに、妹の面倒は私が見なきゃ、っていうのもずっと強く感じてます。今でも妹のことはすごく考えてしまいます。妹は今も実家(神奈川県)にいるんですが、お母さんとよく揉めてるみたいですごく心配なんです。電話でも相談させていただきましたよね。ケンカするとお母さんと妹が交互に電話かけてきたりするんです(苦笑)」

裕幸「それに、家族のつながりとか、公子さんはすごく気にされますよね。普通、大人になったらまずは自分の幸せってものを考えるものなんですよ。結婚とかね。でも、公子さんはまるでお父さんやお母さんが考えるように家族のことを本当に気にかけてらっしゃいますよね。それは、すごくいいことなんだけど、一人置き忘れている人がいるんです。誰だかわかりますか?」

「うーん・・・。妹じゃないですよね。。。うーん、私?あ、そうかもしれません。でも、私も自分のことしか考えてないような気がするし、そんなにがんばったって家族に何もできてないですよ」

理加「自分ではそう思っちゃうものかもしれませんね。私もお父さんがアルコール依存症みたいなところがあって、公子さんと同じような感覚をずっと持っていたんですよ。でも、子どもの頃の公子さんはどう思っているでしょうか?もし、子どものときの私が今も心の中にいるとしたらどんな表情をしてるでしょうか。ちょっとイメージしてみませんか?」
とまずは一つ目のイメージワークに入ります。

「寂しげにしてますね。それにすごく怒ってるかも」

裕幸「ずっとしんどい思いをしてきたんですよね。自分を省みずにがんばってきたんじゃないかな。その小さな女の子、なんて言って怒っているでしょう?」

「うーん、なんて言ったらいいのかわからないです。でも、怒ってますね。ほんとに」

理加が「そのままでいてくださいね。今日は自分を自由にしてあげようよ。何をしても、何を思ってもいいって自分に許してあげてみて」

そのうちに徐々に怒りが出てきて、吐き出すように
「なんでなのよ。寂しいよ。なんでこんなにがんばらなきゃいけないわけ?私が何したっていうの?」
と次々に言葉が出始めます。

うつむき加減に、でも、顔も紅潮して感情が外に出始めています。

この「個人カウンセリングの実際」でも何度も出てきますが、僕たちを悩ませ、苦しめるものがあるとすれば、僕たちが心の中に溜め込んでいる怒りや悲しみやそんな感情なのです。でも、僕たちは日常生活の中で感情を解放する機会には恵まれているとはいえませんよね。だから、セラピーの第一段階としてはいろんな方法を使って感情を解放してあげることが非常に大切なんです。

公子さんにはしばらくそのまま続けてもらいました。「何が出てきてもここでは大丈夫ですからね」などと言葉をかけながら。
徐々に怒りの表現も変わってきます。
周りへの怒りから徐々に自分自身への怒りへと。

「こんなにやってるのにうまくいかないなんて。ほんとに(私は)何もできないんだから。何やっても中途半端で、失敗ばかりいて、会社にもいけなくて、みんなに迷惑ばかりかけて」

裕幸「公子さん、ずっと一人でがんばってきたみたいだね。本当に家族のことを思ってやってきて、でも、それがうまくいかなくて自分に怒っているみたいですね。すごく無力な自分がいるんですね。そして、そんな自分をいつも責めているんですね。」

公子さんは徐々に悲しげな表情になっていきます。
彼女は悲しみ、寂しさを本当にたくさん溜め込んでいたのかもしれません。
私たちにもその思いが伝わってきます。
すごく寒いような、ぎすぎすした感覚。きっとそれが公子さんの「孤独」の正体なんでしょう。

そして、だるくなるような感覚。これは「無力感」という感情のようです。
どれだけ頑張ってもうまくいかないとき、どんな手を使っても失敗ばかりしてしまうとき、力が抜けたようになります。重たくなって、身動きが取れなくなるような感じが私たちのところにも届いてきます。

そのまましばらく自分の心を見つめてもらいました。
無力感も孤独も感情から逃げずに向き合えば、必ず抜けていきます。
だから、公子さんには逃げないようにただ、ただそのままでいることをお願いしました。
数分後、公子さんは力が抜けたようにぼーっとしてます。
さっきまで幾筋か流れていた涙も止まって。
「なんだか、力が抜けてふーっと楽です」

休憩を少し取って、いよいよ本題に入ることにしました。

彼女は一人頑張って家族をつなごうと奔走してきました。
お父さんのかわりを一生懸命務め、お母さんを守り、また、妹を育て、と。

でも、そのお陰で彼女は子どもとして「愛される経験」や「守られる経験」をすることができなくなってしまったんです。それが彼女の中の孤独感を作り、誰からも愛されないような感覚や自立して一人で生きなければならないプレッシャーとなって今の彼女を苦しめています。

そればかりか、お父さんとお母さんの間に彼女が挟まってしまうことになって、お父さんとお母さんの間のつながりの障害にもなってしまいます。お父さんが関わらなきゃいけないお母さんの仕事を公子さんが担い、お父さんにしてあげなきゃいけないお母さんの仕事を公子さんが背負ってしまっているような感じです。

これが彼女の役割になっていてるので、まるで常に一人三役ぐらいをこなしているような感覚を作り出します。2,3時間の演劇ならばそれもヒロインの晴れ舞台となりますが、人生という舞台では過酷な負担になってしまいます。

でも、それは同時に公子さんの才能を表してもいるんですね。
ここがセラピーの面白いところなんです。
問題(悩み)の影に才能あり、という。

それくらい家族に対して、両親に対して頑張ることができる公子さんは、いわば「愛の天使」のような存在です。
人を愛することを知っていて、愛が何であるかも知っているんです。
でも、家族をつなげること、それは少女にはすごく過酷な課題です。
だから、彼女は失敗したような、役に立っていないような感覚を覚えてしまうんです。
彼女にとっては愛の使い方を学ぶ必要があるわけですね。
ま、材料は手元にある、で、これをどうおいしくするか?という調理法を学ぶような感じです。

彼女がバラバラな家族をつなげたいと思うとき、彼女に必要な要素は「信頼」だと思いました。家族個々人への信頼。お父さん、お母さんへの信頼。
そして、それがあったときに初めて彼女は安心して自分本来の「娘」という役どころに収まる事ができ、そしてその位置で「愛される」「満たされる」「守られる」経験をすることができます。それが彼女の孤独感を癒す一歩になるでしょう。

そう考えて私たちはこんなセラピーを提案しました。
先に書いたように彼女はお父さんとお母さんの間に挟まってしまっています。
実は私たちがジレンマと呼ぶ状態もこのような感じなのです。
嫁と姑の間に挟まれた夫、上司と部下から板ばさみになっている課長、前彼と今の彼の間で揺れる女性の心理、そんな板ばさみの状況から抜けるカギはその両者への信頼です。

そこで、彼女にまずはご両親それぞれを信頼してもらうように決意してもらいます。
これには必ずといっていいほど恐れが付きまといます。

「うーん。そんなことをしてしまったら、家族がもっとバラバラになってしまうような気がします。」

裕幸「でも、あなたがそこにいる限り、お父さんとお母さんはあなたが接着剤にならないと繋がれませんよね。でも、あなたはやがては結婚して家を出て行く身ですから、ずっとそれをやっているわけにもいかないですね。お父さんの中の大人の部分、お母さんを愛する部分、そして、お母さんの中のお父さんへの愛情を見つめて下さい。公子さんが直接接着剤にならなくても、彼らは一人の人間として繋がりを作ることは可能です。やったことないことでしょう?怖いし、自信がないのも無理はありませんよ。ゆっくりで構いませんから、ご両親の中の成熟した大人の部分を見つめてあげてください」

「わかりました。やってみます」

イメージの中で、ゆっくりとお父さんとお母さんの間から一歩外に出る実習(ワーク)をしてもらいました。彼女がそれだけでぶるぶると震えてくるのがわかります。彼女の表情は苦しげに曇り、歯を食いしばっています。
私たちも彼女のその強さを信頼してこのイメージワークをやっていますし、彼女の頑張り屋さんな部分はこういうところでほんとに役に立ちます。

裕幸「ありがとう。今、どんな感じですか?」

「これからどうなるか不安が強いですが、私はなんだかほっとした感じもあります」

理加「挟まれていて接着剤になるのが苦しかったのかもしれませんね。大丈夫ですよ。そのまま、お母さんとお父さんの手を取ってください。そして、ゆっくり二人の手を近づけて、お互いの手と手が繋がるように持っていってあげてください」

彼女は震えながら、でも、イメージの中でやってくださいました。
ご両親の手が繋がった頃でしょうか。
彼女の目からは大粒の涙が出てきます。

「これがしたかったのかもしれません・・・」

そして、ご両親のつながった手の上に、彼女の手を重ねてもらいました。
うんうん、と強く強く彼女は頷いています。

最後はその繋がったご両親に愛されることを象徴して、ご両親に抱きしめられるイメージを思い浮かべてもらいました。
理加が選んだ曲に耳を傾けながら、公子さんが本当に安心しているのが手に取るように分かります。
深い安心感や愛情を感じているのでしょうか。
ちょっとうつらうつら眠りだしてしまったみたいです。
2,3曲そのまま曲をただ流していて、「おはよう!!寝覚めはいかが?(笑)」と言葉をかけたところで個人カウンセリングは終了しました。

終了後、ぼんやりしながらも彼女はこんな話をしてくれます。
「お父さんやお母さんにずっと怒っていたんですね。『あんたたちがしっかりしないからダメなんだ』って。お母さんが彼氏ができるたびに反発するのも分かりました。お母さん、ほんとに一人になっちゃうって怖がってます。だから、信頼してくださいって言われたときは、できないって思いました。でも、それしかないような気がして頑張ったんです。そしたら、すごい安心感がして。生まれてはじめて感じたような気もします。すごいですね。今、私寝てましたよね?はずかしいです(笑)でも、信じられないくらい楽になりました。」

後日談。
公子さんは東京へ戻ってから、しばらく後の電話カウンセリングで
「今日電話でだったんですけどお父さん、お母さんに『育ててくれてありがとう』って言えたんです!!お父さんはしばし呆然としてたみたい(笑)。お母さんはなんだか泣き出しちゃって、私の方が困惑してしまいました」

私たちは心のどこかでは思っていても、なかなか両親に感謝の言葉をかけられません。それは「あれしてくれへんかった、これもしてくれへんかった」という恨み・辛みがいっぱいあったり、「今さら・・・」「言わなくても分かってるだろう」と恥ずかしかったりしますよね。でも、感謝というのは関係性回復の大きなパワーがあって、繋がりを作るためには必須のものなんですね。
私たちもかつてはそうでしたが「わかっていてもできない」ものではありますが・・・。

これを読まれた方皆さんへ。
今日はあなたの身近な人、両親、家族、恋人、友人、誰か一人でもいいので感謝をしてみましょう。言葉にすることが難しければ心の中で「○○してくれてありがとう」と言って見ましょう。きっと心が安らかになるのが感じられると思いますよ。


根本裕幸&理加

(この記事はご本人の許可を得て掲載しています。)



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