■カウンセリングサービス■毎月400件以上のご相談にお答えする提案型カウンセリング!恋愛・夫婦・ビジネス・対人・家族関係から職場のメンタルヘルスまで80名以上のカウンセラーがお待ちしてます!

 

〜カウンセリング予約センター〜06-6190-5131/06-6190-5613(受付時間12:00〜20:30/月曜定休(祝日の場合は翌日代休))
予約センターの混雑状況について
個人カウンセリングの実際ページに戻る
サイト内検索
wwwを検索  カウンセリングサービスを検索 Google

 

夫婦や仕事の問題に隠れているもの〜癒着を手放す/愛することを学ぶ〜

佐藤あかねさんがカウンセリングにいらした時、
「何からお話すればいいのか、たくさんありすぎて・・・」
と焦っていらっしゃいました。

 

新幹線の車中で一生懸命話すことを考えて来てくださったんですけど、なかなか纏まらず、時間が足りなくなることを怖れていらっしゃいました。

 

確かに今までの人生や今の状況をきちんと伝えようと思えば、2時間では少なく感じるかもしれません。
また、最初にお会いして、たった2時間で自分のことを分かってもらえる、知ってもらえるとは思いにくいですよね。

 

でも、私たちカウンセラーは、何が起きたか?という事実を大事にする一方で、その事実の背景にある「パターン」を見つめていきます。
私たちが仕事、対人関係、男女関係、家族関係、趣味など様々な局面に接するわけですが、同じ人間がすることですから、共通するパターンは必ずあるものです。
もちろん、それぞれに違う面が出てるところはありますけれど、根っこは共通しますよね。
ですから、全部全部お話頂かなくても、いくつかのエピソードをお聞きするだけで、その方のパターンを見つけることもできるんですね。

 

また、佐藤さんは見た目には意外ですけど、対人関係を苦手に感じるところもあって、カウンセリングを受けることに少なからず抵抗があったんですね。
だから、30分前に着いたのにカウンセリングルームの近くをうろうろ散歩してたそうです。
このまま帰ろうかな・・・と思ったこともあったそうです。

 

初めてカウンセリングを受けるときって、少なからずこういう気持ちになるんじゃないでしょうか。

 

「ここに来れただけで、大きな意味がありますよね」
と感じる方もいらっしゃいます。
佐藤さんもそんな一人でした。

 

一生懸命生きていらっしゃる様子がひしひしと伝わってきましたし、一人で何とかしようと頑張って来られたことを強く感じたからです。
(ご本人はそうお伝えすると「いや、全然頑張ってないんですよ」と即座に否定されてましたけど(笑))

 

●佐藤さんが抱える問題

 

「たくさんある」とおっしゃった問題を整理すると、大きく次の3つでした。
・ご主人とうまく行かない。
・子どもが欲しいと思えない。
・自分のしたいことが見つからない。今の仕事も面白いと思えない。

 

ご主人とは結婚して5年が経ちますし、佐藤さんも33歳になっていますから、周りからの「子どもはまだ?」って圧力はとても強いんですね。
ご主人も2,3年前から子どもを欲しがる素振りも見せていて、佐藤さんとしては非常にプレッシャーになっていました。

 

そのため、以前は比較的楽しめていたセックスも最近では苦痛に感じることも多いそうで、
「私は子どもを生むための道具じゃない」
「夫を男として見られない」
「性欲もほとんど感じられない」
と気持ちが沈んでしまうようです。

 

また、ご主人は優しいタイプで、話も良く合う反面、お互い頑固で結婚当初から意見のぶつかることも多かったそうです。

 

彼女は結婚前から続けている仕事があって、部下を抱える立場にいたんですが、その仕事も最近忙しく、年々きつくなるプレッシャーに押しつぶされそうになるそうです。
でも、責任感が強い佐藤さんですから、途中で投げ出すこともできずに、苦しい中、上司の期待に応え、部下の面倒をよく見てたんですね。

 

だから、お会いしたときは重たい荷物を背中に括りつけられてるような様子だったんです。

 

●背負っていた荷物を手放す〜心の余裕を作るために〜

 

そんなお話を伺っているうちに佐藤さんに共通するパターンがいくつか見えてきます。
( )内はどうしてそれが言えるのか?を簡単に説明しています。

 

・とても頑張り屋さんであること(←仕事や家庭などでの接し方、話し方などから)

・自立的な女性であること
(←仕事や人間関係のパターンから。見た目の雰囲気も)

・情熱的な女性であること
(←ケンカが多いこと。一生懸命なこと。ご主人との関係、話し方、表情、雰囲気などから)

・頭が良いこと(←勉強ができるのではなく、賢いこと)
(←話し方、仕事ぶりなどから)

・周りからの信頼が厚いこと
(←彼女の態度から想像に難くない)

・本当はとても素直で、オープンなこと
(←表情や態度、表現方法などから)

 

こうした本来の姿を取り戻していくことがカウンセリングやセラピーの本当の目的だと思うんですね。
本当の自分(これを『センター』といいます)から外れたときに問題が起こると言っていいのかもしれません。

 

一方で、これらの「問題」を作っている背景も透けて見えてきます。
「プレッシャー」というのが共通用語のようで、今は夫婦生活や仕事に対して出てきてるものですが、実はずっと以前からあったものじゃないかな?って感じたんですね。

 

それは彼女を覆っている重たい鎧のようなものを感じたからです。
その体にたくさんの重荷を背負ってしまっているような、そんな雰囲気がありました。

 

人生を生きる上では何らかのプレッシャーや緊張感は必要なものだと思います。
適切なプレッシャーは生活に張りを与えてくれたり、目標意識や自分の居場所を明らかにしてくれるものです。
でも、あまりにプレッシャー重たくなってしまえば、何十kgもの荷物を背負っているかのようになって歩くのも困難になってくるんですよね。

 

だから、まずはその背負ってきた荷物を手放すことを最初に提案していきました。
リラクゼーション系の瞑想をして疲れている自分を実感してもらったり、イメージワークで重たい荷物を手放すセラピーをしたり。

 

それは自分自身を解放し、自由にしてあげるアプローチでもあります。
セラピーを終えると、どっと体に疲れを感じてソファから立てなくなることもありました。
「それくらい疲れてるんですよー。思い知りましたー?」
と伝えると、「はあ・・・。本当に自分でもびっくりしました・・・」というくらい。
その表情はすっかり緊張が解け、まったりした雰囲気を伝えてくれていました。

 

最初のカウンセリングの後はすぐに東京に戻る予定だったそうですが、横になりたいし、眠りたいとのことで、近くのホテルに急遽宿泊したみたいです。

後からお話を伺うと、普段の生活に戻った後も気だるいような、眠たいような感じがしばらく続いていてたとのこと。
やる気が今までほど感じなくて困ったり、周りから心配されたりもしたそうですが、その一方ではボーっとした気分で気楽な自分、心が軽く考えすぎない自分もいたそうです。

 

でも、そんなにも疲れが溜まっていたことに、本人は全然気付かなかったんですね。
彼女はカウンセリングの感想を
「まるでエステと全身マッサージを受けて温泉にゆっくり浸かったような気分」
と評してくれました(笑)

 

でも、この疲れに意識が向き始めると彼女自身も今までほどにハードワークできなくなっていきます。
佐藤さんは100%でいいところを、120%、150%やろうとしてました。
要領が良い、賢い、責任感が強い分、頑張ってやれば150%もできてしまうんですよね。
その余分な50%がストレスとなり、重荷となっていくんです。

 

セラピーを通じてちょっと余裕が生まれたようでしたので、佐藤さんには彼女の価値、魅力を改めて伝え、そして、身近な友人にも相談することをお勧めしました。
一人の力ではなかなか抜け出せないことは人生にはたくさんあります。
周りの友人や家族のサポートは本当に大切なものなんです。

 


●自分を縛る観念の数々

 

その後、彼女には日常生活の中でも色んな発見や気付きがあったそうです。
心理学講座カウンセラーのコラムを読み返すうちに新しい学びがあったり、知らないうちに自分を縛っていた「観念」という鎖に気付いたり。

(彼女はそれまでにも何度も読んでくださってたそうですが、カウンセリングを受ける前と後では読み方がまた変わっていたそうで、新しいことにたくさん気付けたそうです。よかった!)

 

「観念」というのは大人になれば誰でもたくさん持っているものなんですが、
・〜しなければならない
・〜すべきだ
・〜すべきではない
といった、強い制約的な考えのことです。
自分では「〜した方が良い」「〜したい」という風に思っていて、そこまで強制的に感じなくても、実際は自分が思っている以上に心を縛っていることもあります。

 

佐藤さんが持っていた、
「主婦ならばきちんと家事をしなければならない」
「結婚したら子どもを作らなければならない」
「仕事と家庭を両立させなければならない」
というのも、間違いでは無く、むしろ良いことだと思うんですね。
でも、強くそう意識しまうと非常に強いプレッシャーになって自分を苦しめます。

 

重圧に感じるということは、その背景には
「たまには家事もお休みしたい」
「どういうわけか子どもが欲しいと思えない」
「仕事と家庭の両立はしんどい」
と思っている自分もいるわけで、この感情と観念とが“葛藤”を引き起こすわけです。

 

私達はこうした相反する気持ちを感じたとき、どちらか一つに決めなければいけないと思ってしまいます。
でも、心は「好き」と「嫌い」が隣り合わせでいられるもので、両方真実なんです。
矛盾した気持ちを認めることは勇気と心の広さが求められますが、でも、感じていることをそのまま受け入れることがとても大切なんですね。
「家事をきちんとしたい自分」も「家事をお休みしたい自分」も両方OKなんです。
理性的になればなるほど、統一したくなるものですけど、一方に絞ってしまえば、他方は抑圧されてしまうものです。

 

私達の日常でも「頭で分かってるのにできないこと」の多くは、こうした観念と心のジレンマが生み出すものも少なくありません。

 

佐藤さんも自分がいかにたくさんの観念で縛られてきたかを気付くことができ、そして、とても疲れてしまっていたことにも気付かれました。
荷物を解いて肩の軽さを感じて初めて、その重さを実感するのかもしれませんね。

彼女のように重たい荷物を背負ってしまっていたり、あるいは傷つきすぎて一人では立ち上がれないような状態になってしまっているとしたら、そうした前向きな気持ちが出てくるまで気長に心をほぐしていくことにしています。
先ほど紹介した鎖を解いたり、自分を自由にしてあげるセラピーや瞑想を提案していくんですね。

 

そうすると期間は様々ですが、やがては少しずつ前向きな気持ちが出てきて、自分を変化させ、関係性を改善していく意欲がゆっくり湧き出してきます。

 

余裕がない状態で、現状を打開しようと頑張ってしまうと、水が溢れそうなコップに更に新しい水を注ごうとするようなものです。
それではせっかく頑張って努力したとしても、残るのは一層の虚しさばかりになってしまうのではないでしょうか。

 

だから、まずはコップの水を抜くべく、心の中に溜まった感情を流していくアプローチを私達はよく最初に提案するのです。

 

それから、これはカウンセリングを通じて分かってきたことでもあるのですが、自立的な方というのは変化もその分早いんですよね。
1ヶ月お会いしないだけで、がらっと雰囲気が変わっていたり、自分でどんどんプロセスを進めて元気になっていったりするんで、こちらがびっくりすることもよくあるんです。
佐藤さんもお会いするたびにガラッと変化してることが多くて、何度もびっくりしました。
そう伝えると「根が単純だから」と謙遜されてましたけど、「単純」というか「素直さ」なんですよね。

始めは気付かなくても、だんだん自分でもその変化が受け取れるようになっていって
「本当に不思議です。明らかに自分が変わってることが分かるなんて、すごく変な気分なんです。今まで色々頑張ってもできなかったのに・・・」
とおっしゃってくださったこともあります。
それまで頑張ってきたからこそ、カウンセリングという彼女にとっての新しいチャレンジが様々な変化を起こしてくれてるんだと思います。
そういう場に立ち会えるというのは、カウンセラーというよりも一人の人間として、とても嬉しいものです。

 

大人になれば誰でも少なからず自立してるところがありますし、自分で解決しようって意識がないとなかなか前に進めないものでもあります。

 

でも、そうは頭で分かっていても疲れきっていたり、どうしていいのか分からない状態ですと、心はしーんと黙ったまま。
つまり、解決したい、しなきゃと思うんだけど、その意欲が出てこない、どうしていいのか分からないって状態に追い詰められてしまいます。

そうした時にちょっと怖いけれど、今までと違ったアプローチをしてみると、自分でも想像する以上に効果が出てきたりします。
思い切って休む、とか、誰かに相談する、ということが「新しいアプローチ」になることも意外に多いんですよ。
これを読んでくださってる皆さんも、言いにくいことでも何でも話せる相手って何人くらいいらっしゃいますか?
また、休みを取ることや自分を癒すことに「時間がない」「お金がない」「仕事が忙しい」「余裕がない」などの言い訳を付けて遠ざけてしまっていませんか?

 


●背景にあるお母さんとの問題〜女性性の痛み〜

 

じゃあ、なぜ、彼女はそんな重たい荷物を背負い、また、多くの観念で縛られるようになってしまったんでしょうか?
心に少しずつ余裕が生まれてきた時に、さらにその下の要因に意識を向ける事にしました。

 

そのヒントはやはり彼女が育った家庭にありました。
お父さんは仕事が忙しく、自営業ということもあって、事実上24時間年中無休のハードワーカーさんだったんですね。
だから、家庭を省みることは少なく、まるで母子家庭のような環境だったようです。

 

お母さんは感情的なタイプで、時々ヒステリックになることもあったそうです。
ですから、訳も分からずに怒られたり、そのときの気分によって振り回されることも少なからずありました。

 

お母さん自身も、お父さんが振り向いてもらえず、一人で子育てをしなければならなかった苦労もあるでしょうし、また、お母さん自身が育ってきた環境も恵まれたものではなく、苦しい時代が長く続いたんですね。

 

こうした状態は心理的にお母さんと癒着している状態になりやすくなります。
感情の行き場のないお母さんは娘である佐藤さんにしがみ付き、また、子どもである佐藤さんもそんなお母さんにしがみ付いてしまうんです。
それは、嵐の夜にガタガタ揺れる窓が怖くて、震えながら二人がしっかり抱き合ってるような状況です。

 

心理的に癒着した状態になると、自分と相手の区別が付かなくなります。
つまり、今感じている感情がお母さんのものなのか、自分のものなのかが判別しにくくなり、相手の感情に引き込まれたり、逆に自分の感情を相手に押し付けたりしてしまうのです。

 

そうした要因から彼女自身は大きく二つの心理的な問題を持つようになったようです。

 

一つ目は、お母さんを助けたいけれど、助けられない私。
自分には何も役に立たないんじゃないか?という気持ちです(無力感や自信の無さとして感じられます)。
これは本当は誤解で、実のところたくさんお母さんを助けているのですが、現実的にお母さんが楽になってくれないとそれが認められないんですよね。

 

佐藤さんはお父さんに振り向いてもらえず寂しいお母さんを見るにつけ、気に病んでお母さんの愚痴をたくさん聞いてあげたり、お手伝いもたくさんしたそうです。
もちろん、能動的じゃない部分もあって、無理に聞かされた、お手伝いさせられたって感じもあったんですけど。

 

そこでは早く自立して、心が成熟するメリットも確かにある一方で、子どもらしい愛らしさや甘えたい気持ちは押さえ込まれてしまうものです。
また、お母さんの面倒を見るようになってしまい、お母さんのお母さん役のようになってしまっていました。

 

もう一つは、人に対する心理的な壁の存在です。

 

お母さんは何かと彼女に頼ってくるところもありましたから、お母さんに侵入されないように防波堤を高く積み上げるようになったんですね。
実際に彼女宛の手紙を勝手に開封されたり、部屋の掃除をする名目で彼女の机を調べられたりしたこともあったそうです。
いわば「過干渉」の状態です。

 

お母さんとしては、不安や寂しさ、そして佐藤さんへの心配からそうした態度に出てしまったわけですが、彼女としてはたまったもんじゃないですよね。
だから、お母さんに入られないように心理的な壁を作るようになったんです。

 

この壁は癒着している関係を切ろうとする一つの試みなのですが、お母さんもさるもの。
さすが生まれてからずっと付き合ってる間柄だけあって、うまいこと防波堤を乗り越えて入ってきてしまいます。
そうすると、さらに次は高い壁を作って身構えるようになるんですね。

 

そして、それはお母さんとの関係だけでなく、他人との関係にも影響を与えます。
まるで、その壁を持ったまま人と接するような感じです。
佐藤さんの人間関係は、友達はいるけれど深く付き合えない一方で、家族やご主人など近い人には過敏に反応して関係が悪くなることが多かったんです。

 

壁越しの人間関係になってしまっていたとしたら、相手の表情や状態が見えないので、いつも不安や猜疑心を持ってしまいがちなんですよね。(それで自立して一人で何でもやろうとするようになります)
むしろ、進入されないように警戒する方に意識が向きますから、近付いてくる人ほど攻撃的になってしまうんです。

 

これらの問題は別の側面から眺めてみれば、お母さんも自分自身も否定してしまうことになります。
潜在意識的には助けられない自分を責め、壁を作ってしまい、そこに自分を押し込めてしまって息苦しさを生んでいるようでした。

 

●幽閉された女の子のストーリー

 

それは物語に例えるならば、高い城壁に閉ざされたお城の塔に幽閉されているお姫様のマインドと言えるかもしれません。
自分の中の女性性を幽閉するわけですから、女性として生きることに少なからず問題を抱えます。

結婚したいけれどできない、あるいは恋愛ができないというご相談の背景には、こうした傷ついた女性性の問題が隠れている場合が少なくありません。

 

また、傷ついた自分にさらに追い討ちをかけるようにしんどい恋愛をしたり、セックス依存症のように女性であることを傷つけるようなパターンを持つ方もいらっしゃいます。

 

佐藤さんのように結婚できても、その後セックスレスや子どもを持つ怖れとなって現れてくることもあります。

 

私達は自分が子ども時代に傷ついた分だけ、子どもを持つことに怖れを抱きます。
十分愛されなかったと感じていたり、満足できない時代が長く続けば、自分がもう一度子どもに戻りたい(潜在的な)願望を持ったり、大人になりたくない、あるいは、大人であることを認められない気持ちになったりします(ピーターパン・シンドローム)。

 

そうすると子どもを作る行為でもあるセックスに対しては距離を置き始めますし、佐藤さんの場合は、お父さんが家庭を省みずに、お母さんが一人で育児を背負い込んできた分、自分が同じ目に合うのは怖くなるんですよね。

(もちろん、これも意識的なものばかりではありません。意識的には子どもを持つことへの嫌悪感や怖れとして出てくる場合もありますし、「ええ?子どもは欲しいと思ってるんですが」という逆の思いになっていることもあります)

 

特に夫婦間ではそうした潜在意識に眠っていた感情が起こされやすく、結婚するまでは問題無かったのに、結婚後に様々なすれ違いが起きてしまうことにつながります。

 

もちろん、相手に問題があるケースもありますが、ここでは50/50(フィフティ・フィフティ)と捉えて、自分自身に向き合うことが大切です。

 

また、女性でも男性でも、傷ついていない方はいらっしゃらないわけで、多かれ少なかれ、こうした問題に直面するものだと思います。
だから、深刻に受け止める必要はなく、それが自分の状態であり、誰もが陥る可能性がある状態だと理解して欲しいところです。

 


●癒着を切り離すプロセス

 

ですから、まずはその高く積み上げられた防波堤を崩していくことが必要じゃないかと考えたんですね。
その防波堤は時に高いプライドとして存在していることもありますし、何らかの特別意識(特別に愛されたい、愛されるべきという観念)へ繋がっていることもあります。

 

直接壁を崩すのもなかなか難しいですから、その壁ができた要因でもある、お母さんとの癒着を切り離していくことをまずは進めていきました。

 

これはイメージを使うセラピーを何度か用いました。
お母さんと向き合い、そして、手放していくセッションや、塔の中に幽閉されている少女を助け出すようなセッションなど、様々な形で自分自身やお母さんと向き合って行ったんですね。

 

癒着した関係は佐藤さんの年齢分だけあると言っても過言ではありませんから、すぐに切り離せるものではありませんでした。
だから、セラピーだけでなく、宿題という形で日常生活の中でも、自分自身を見つめ、癒すアプローチを提案していったんですね。

 

例えば、お母さんにお手紙を書くこと。
これは良く提案する宿題の一つで、実際にお母さんに出さなくてもいいので、言いたかった気持ちや伝えられなかった気持ちを伝えていくんです。

 

そうして少しずつ癒着を手放していきました。
お母さんに対する感情が解き放たれてくると、様々なネガティブな思いが心を巡るようになります。
恨み辛み憎しみを感じることもありますし、寂しくなったり、悲しくなることもあります。
また、お母さんを否定する気持ちが強くなって、実際にお母さんにぶつかったこともありました。

 

その状態が自分でも不思議で「まるで反抗期みたいです」と彼女もおっしゃってました。
実際に彼女は思春期の頃はほとんど反抗したことがなく、大人になって、セラピーを受けるようになって、ようやく反抗することができるようになったんです。
反抗期というのは、親からの精神的な自立を促します。
ですから、思春期に出なくても大人になってでも出てくれば、それはそれで悪い事ばかりではないんですね。

 

その後も、少しずつ心を解放していくと、お母さんに対する態度が変わり始めたんですね。
結婚して別々に暮らすようになっても、どこかしらにお母さんの目を気にしていた部分が少なくなり、実家と連絡を取っても今までのような怯えた姿は無くなっていきました。
堂々と、きちんと話ができるようになっていきました。

 

幸い結婚して別々に暮らしていますから、こうした癒着を切り離す作業も比較的順調に流れたのかもしれません。
独身で一緒に家族と暮らしている方の場合、この辺りになると「一人暮らしがしたい」と思い始めるようになります。
それも自立しはじめた象徴として捉えることができます。

 

そうして、佐藤さんも内面的な子どもの部分(インナーチャイルド)が少しずつ成長し始めて、大人としての自分を受け入れられるようになっていったんですね。

 

そうすると、大人の女性としてもう一度お母さんに向き合えるようになるんです。
癒着を手放すプロセスは、単に切ればいいだけじゃなくて、ちょうど良い距離で落ち着くのが理想です。

 

近すぎて見えなかったものが見えてくるようになり、また、束縛からも解放され、そうしてお互いがきちんと向き合えるようになるんですね。

 

そこで、かつて満たされなかった感情(問題)の一つである、お母さんを助けるプロセスに入ることができました。

 

なぜ佐藤さんが、かつて一生懸命お母さんの言うことを聞いたり、詮索してくるお母さんとケンカしながらも一緒にいたかというと、心のどこかにこの「助けたい」気持ちが根強くあったからだと思うんです。
子どもはみんなそうかもしれませんが、親を助けたい気持ちと助けられない無力感を同時に持ちます。

 

でも、子どもにはできないことでも、大人になればできることはたくさんあります。

 

子どものまま止めてしまった心の一部を成長させてあげることで、本来の目的である「お母さんを助ける」ことを、ここで漸く実現できるようになるんです。

 

もちろん、具体的に何をどう助けるかは自分次第。
イメージを使うセラピーの中でやってみることもできます。
佐藤さんはそのセラピーにチャレンジした後、不思議なくらいの大きな安堵感に満たされたそうです。
それはまるで困難だった仕事をやり遂げた後のような充足感、満足感もあったようです。

 

また、“誤解を解く”プロセスも進めていきます。
子ども時代の佐藤さんでも、本当はお母さんの役に立っていたこと、自分の存在がどれくらいお母さんを救っていたかということを受け取っていくんです。

 

お母さんは実際は言葉にしなかったかもしれないけれど、佐藤さんという娘がいてくれたお陰で寂しさや辛さなどを耐えることができたのかもしれません。

 

これも大人のマインドを持ってお母さんを見つめていくと理解し、受け入れ、そして、無力感で傷ついていた子ども心を癒すことができます。
「本当は私、お母さんを助けられていたんだ」
そんな実感が胸に広がったとき、自信がなく、価値や魅力などないと思っていた佐藤さんの観念も溶け始めたようです。

 

 

そして、お母さんの誕生日には温泉旅行をプレゼントしてあげられるようになっていました。
今までは義理で贈っていたものが、今回は本当にあげたい気持ちになっていて、自分でもびっくりしたそうです。
そして、母娘二人で初めて旅に出たそうなんですね。
今まではお母さんから誘われても、どうしても抵抗があって受け入れられなかったんですが、今回は自分からプレゼントという形で贈ることができるようになっていたんです。

 

それは小さいことかもしれませんけど、本当に大きな変化と言っていいのではないでしょうか。

 


●夫婦で向き合うこと(パートナーシップレベルでの癒し)

 

お母さんとの癒着が手放せるようになってくると、自然とご主人との関係も変わってきました。

 

知らず知らずのうちにご主人に対しても、その影響が出ていたんですよね。
必要以上に世話を焼いたり、ちょっとしたことに過敏になってご主人を責めてしまったり。
ケンカも多かったし、セックスに関する不満、経済的な不安なども多くありました。

こうしたご主人との関係ではお母さんとの癒着の問題だけでなく、距離が遠かったお父さんとの関係にも着目する事ができます。
自営業でいつも経済的に不安を感じていたお父さんの影響で、結婚してからも十分な収入があることを頭では理解していても、つい癖のように不安を覚えてしまいます。
また、心理的な距離が遠い分、どう接していいのか分からなくなり、男性へ不信感を持ったり、距離を置いた付き合いをしてしまいがちです。

 

「近いようで、すごく遠いような感覚」
「彼は私じゃなきゃ駄目、という気持ちと、捨てられたらどうしようという不安」

 

これは彼女がご主人に対して、ぼんやりと感じ続けていた気持ちでした。
実際はご主人に対してだけではなく、過去にお付き合いしてきた異性に対しても少なからずあった感情でもありました。

 

だから、お母さんの問題と同時に、お父さんとの心理的な距離を縮めるアプローチも提案していったんですよね。
異性の友人を作ろうとしてみたり、異性のお気に入りボランティア・カウンセラーを3人見つけてみたり。
もちろん、セラピーでも男性との距離を縮める、お父さんへの感情を解放していくようなアプローチもしました。

 

お父さんと距離があるってことは、男性からの愛情を感じにくい自分がいるんですよね。
表現を変えれば、男性のいない世界に住んでるような感覚になりますから、女性としての自分を意識しにくくなります。
つまり、周りが全員女性ばかりの世界ってことですから、女の部分を意識する必要を感じなくなるんです。
例えて言うならば、女性が95人、男性がわずか5人の街に住んでるような感覚です。

 

そうすると、自分の領域に入れた男性に対しては、どこかしら同性と同じような扱いをしてしまうこと(つまりは彼を男性として扱えない問題)が出てきてしまうんです。
まるで女の子ばかりのグループに入った男性が、男扱いされないのと同じようなものですね。

 

その代表例がセックスレスですし、男でいたい彼との間でのケンカや揉め事、浮気の問題なども出てきたりします。

 

だから、お母さんやお父さんとの関係を扱うのと同時に、男性であるご主人を受け入れていくプロセスも重要になります。

 

 

ある時、ご主人に男を意識するようなセラピーをしていったんですね。
そしたら、ある瞬間に恥ずかしさが溢れてきて、自分の気持ちがよく分からなくなって、とてもびっくりされてました。
カーッと顔が赤くなっていくのが自分でも分かって、ますます恥ずかしくなり、“まるで女子中学生のようになってしまった”自分を感じたそうです。

 

付き合って7,8年(結婚して5年)になるご主人に対して今更恥ずかしさを感じるなんて意外だったようで、「信じられない」って何度も繰り返されてたのは印象的です。

 

恥ずかしさというのは怖れの一種なんですけど、感情を封じ込める壁の役割を担います。

 

ですから、ただその恥ずかしさに向き合っていき、解放してあげると壁の奥に隠されていた感情が出てきてすっきりするんですね。
単に気持ちが楽になったり良くなるだけでなく、女性らしい魅力(セクシャリティ)が表面に出てきたりもしました。
表情や雰囲気が柔らかくなったり、素直な気持ちを表現できるようになったり、また、優しさが深まるような、そんな感じです。

 

そうすると自分の中にあった意外な一面に気付くようになっていきました。
彼女の話で印象的なのは「私がこんな女だったとは知らなかった」という表現です。

 

カウンセリングの最初に「最近はどうですか?」なんてお聞きするんですけど、佐藤さんは良く「私、こんな女だとは思わなかったんですよ」って話を切り出されることが多かったんです。
最初にお会いした頃には「女」であることに抵抗を覚えてた彼女からすれば、その間の変化を象徴するものだろうと思います。

 

●心と心が触れ合うとき〜愛する意味を体感するとき〜

 

そして、ご主人に対して次のような課題を出してみました。

 

・今まで与えられなかったこと、受け取れなかったものは何だろう?
 
それを受け取ってみよう!

 

・妻として、夫としての観念は?
  それを手放してみよう!

 

・彼なりの愛し方、私なりの愛し方はなんだろう?
  受け取り、与えてあげよう!

 

その方向性でセラピーや実習、宿題を繰り返していったんですね。

 

そうすると徐々にですが、ご主人に対する様々な感情が出てきました。
その中でも大きなものは「ごめんなさい」という気持ち。つまり罪悪感。
どうして「ごめんなさい」なのかは、よく分からないけれど、その言葉が何度も頭の中に浮かんでくるようになったそうです。

 

こういう形で浮かぶ言葉は、潜在意識や無意識からのメッセージであることが多いんですね。
だから、どうしてなのかは意識できないんですが、とにかく「ごめんなさい」なんです。

 

だから、ご主人にその言葉を実際に伝えることを提案しました。
理由はともかく、まずは、感じたままにその言葉を伝えてください、と。

 

だいぶ勇気が必要だったようですが、彼女はチャレンジしてくれました。
その時、自分でも信じられないくらい涙が溢れ出てきて、うまく言葉にならなかったそうです。
それくらい自分は彼に罪悪感を感じていたんだな・・・ということをその時実感されたんです。

 

だから、その一言ですーっと肩の荷が下りたそうなんです。

 

そして、そんな彼女を見ていたご主人も、唐突に「俺もすまなかった」と頭を下げてくれたらしいです。
彼女もその態度にびっくりするのと同時に、どういうわけか嬉しくなって、また泣いてしまいました。

 

その時は、お互いになんでそういうやり取りが出てきたのか、全然分からなかったそうです。

 

ご主人も意図したわけではなく「反射的に頭が下がった。自分でも何でそうしてるのかが分からなかった」そうですし、彼女も何で涙がこんなに溢れてくるのか?何でごめんなさいなのか?でも、心はすーっと軽くなっていくし、不思議で不思議でたまらなかったそうです。

 

心と心が触れ合うと、そうした理屈じゃない、理解できない動きになるものかもしれません。

 

そして、その後、すっかり魂が抜けたような二人は
「二人とも無理して頑張って来たんだな」
「知らないうちにいい妻、いい夫になろうと気を使いすぎたんだね」
なんて話をされたそうです。

 

そういう話をしてる間に相手への愛情、感謝、ぬくもりがじわーっと出てきて、今までにないくらい自然に「繋がってる」という感覚を感じられたんですね。
そして、結婚して良かった・・・としみじみ感じるに至りました。

 

結婚5年の夫婦がこうしていちゃいちゃするのは傍目からは気持ち悪いものかもしれませんが(?)、お互いにはもう夢中でロマンスを感じてるんですね。
それは付き合い始めた頃よりも遥かに大きく、かつ、強く、安心できるものです。

 

それは小さい頃から当たり前のようにあった心理的な壁がなくなって見晴らしが開け、遠くにいた異性が、近くにありのままに見えた瞬間だったろうと思います。

 

その後、ご主人とは今まで以上に自然な関係になってきたそうです。
言いたいことを言えるし、尊敬や愛情、感謝を表現する回数も増えました。
始めは恥ずかしかった愛情表現も、お互いに少しずつできるようになってきたんですね。
彼女の中にあった無力感や無価値感が夫婦の間でどんどん癒されていきました。

 

本当に人を愛するということは難しいことのように言われます。
でも、佐藤さん夫婦のようにお互いがお互いに対して自然体になればなるほど、当たり前のように感謝や愛情がわいて出てくるものです。
そして、そうした幸せに包まれていると、どんなことでも許せるようになるんですね。

 

この辺になってくると彼女の雰囲気は本当に柔らかく、優しく、それでいてセクシーな香りも漂わせる女性になっていました。
地に足が着いた感じで、いつしか自分に自信を感じられるようになっていましたし、余裕を感じながら日々過ごせるようになったそうです。

 

 

そして、そのほかの問題について。
子どもを作ることに関しても、今までよりもずっと自然に考えられるようになり、
「まだ怖れはあるけれど、来るべきときが来たらできるんだろうな・・・」
って思えるようになったそうです。

 

もちろん、そうした中で、仕事に対しても自然体で接することができるようになったんですね。
最近は職場でも「柔らかくなった」「トゲがなくなってきた」という評判だけでなく、「きれいになった」とか「前より女らしくなって憧れます」って言われることも増えてきたそうです。

 


※この記事はご本人に許可を頂いて掲載させていただいております。
※プライベートに関する部分(個人が特定できそうな情報)はできるだけ割愛させていただいております。

 

根本裕幸

 

Contents

カウンセリング
ワークショップ/イベント
カウンセラー
音声配信サービス
無料コンテンツ(読み物)
無料メールマガジン
出版物のご案内
会社案内
提携・関連サイト
神戸メンタルサービス

カウンセリングサービスの母体。
グループセラピーのヒーリングワーク、恋愛心理学講座、カウンセリング講座などの心理学講座、ならびに、カウンセラー養成スクールを開催

NTT DoCoMo / ez-web 公式サイト
NTT DoCoMo / ez-web / softbank 公式サイト